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今日も今日とて毎日のんびり、そんな日々の出来事

モーゼと百人の新入社員

2006年03月31日 23時57分00秒 | 日々の出来事
 私たちは朝きた道を二列に並んで歩いていた。

 百人を超えるスーツ姿の人間が、ピシッと二列に並んで進んでいく光景は傍から見れば奇妙なものに写っただろう。ディズニーランドのアトラクションを待っているようにも見えるこの奇妙な列は、駅まで延々と続いていた。

 今日、新しい会社の新社会人研修があった。私も春からは新天地で汗を流すのだ。

 ともあれ、募集人数の多い我が会社は、新入社員だけで百人を超える。そのため、今日のように私たち全員が一堂に会す研修などが終わると、その大人数が一斉に駅に向かう。当然、幅の狭い田舎道はそれだけでいっぱいになってしまい、近隣住民に迷惑がかかるというわけである。
 そのため会社側からの通達で、帰宅の際は道を一列または二列になって進み、少なくとも対向者の通れるだけの幅をあけた状態で歩くようにと言われたのである。

 そんな理由で、私はその列に並んで駅までの道をゆっくりゆっくり歩いていた。

 もっともな話だ。朝会社へ来るときも、駅前は新入社員であふれていた。

 だが、私は不満だった。

 別に会社側の言い分が気に入らなかったわけではない。また、その進みが遅いことに腹を立てていたわけでもない。正しいと思ったからこそ私も他の百人も並んでいる。

 おばちゃんが私の横の開いているスペースを自転車で滑っていった。

 しかし、もっと何か方法があるのではないか?ただ何も考えないで列について歩いている自分が、まるでレールに乗っているような気がした。「言われたから」という理由でこうしている自分が、ひどくかっこ悪く思えた。

 曲がり道や信号があるからだろうか、先頭も最後尾も私の位置からは見えなかった。

 そのとき、私の右側の開いたスペースを私と同じ新入社員の一人が、すたすたと通り過ぎていった。
 おそらく遠くから今日のためにこちらに来たのだろう、彼は中型のキャリーバッグをゴロゴロと引きずっていた。そして彼はそのまま早足で、長々と続く列の横を後ろから颯爽と追い越していった。

 衝撃的だった。
 百人以上が列に並ぶ中、それらを完全に無視してキャリーバックを引きずる姿は、まるで海を割ったモーゼのようだった。

 私は複雑だった。

 彼は荷物が多くて並べなかったのかもしれない。急ぎの用事があったのかもしれない。
 しかし、どんな理由にしろその行動はアウトローにしか見えなかった。何しろこっちは百人以上でルールを守っているのだから。

 だがその後姿が凛としていたのも事実だ。少なくとも彼は自分の判断で行動していた。その点だけは私とは違ったのだ。

 駅につくまでの間、私は少なからず憂鬱であった。結局、来るときには十分もしなかった道のりを百人で倍の時間をかけて歩いた。

 その駅で、モーゼは荷物の大きさからみんなに迷惑をかけていた。

ジャパネット高田の不思議

2006年03月30日 22時51分32秒 | 日々の出来事
 こんばんは。

 この前、お昼にぼんやりテレビを見ていて不思議に思ったことがある。

 ジャパネット高田である。

 ジャパネット高田はいわずと知れた通販会社ではあるが、その日もジャパネットが提供する番組の間のCMの時間に通販をしていた。その間二分くらいであろうか?

 その日の商品はよくある足踏み式の健康マシーンで、値段はさらにお安く7980円。CMの二分間の間に、おなじみの社長たちがその便利さと効果を余すところなく伝えていた。

 しかしこの商品、以前紹介したときから人気があるらしく、その日の紹介もアンコールで、今回は限定500個の販売とのことであった。

 はて?
 約八千円の商品が用意数500個ということは、すべて完売したとき入ってくるのは約400万円である。まあ商品の原価や手数料などがあるため、残るのはもっと少ないであろう。
 お昼のCM時間を二分も使って400万円だと採算は取れるのであろうか?

 私は素人なので、お昼のCM放映料がいくらかかるのかは分からない。ジャパネットは通販では大手なのでテレビでやるのはあくまで宣伝で、採算が合わなくても良いのかもしれない。

 しかし、そこに確かにあるであろう商売のからくりが気になって、どうにも商品に集中できない私がここにいるのである。

 一体どうなってるの?手数料はこっちで負担するから教えて。

昔からどうしても薄く作ってしまう

2006年03月29日 23時32分52秒 | 日々の出来事
 こんばんは。

 最近、長澤まさみさんの出ているカルピスウォーターのCMがとても良いです。私ってあまずっぺー、のアレです。

 なんと言っても、CMのシチュエーションがなんともかわいらしくて好きです。
 バイトでくまのぬいぐるみを着ている先輩に、長澤まさみさんが抱きついてキスをする。短いCMなので文章にすればこれだけなのですが、直接できないキスをぬいぐるみの上からする女の子のかわいらしさや、驚いて持っていた風船を飛ばしてしまう先輩の純朴さが、見ていてジーンと来てしまいます。

 私はもう学生ではなく、アルバイト、ましてやぬいぐるみに入ることなどないとは思うのですが、人生は自分が主役ですから、こういったドキドキするような場面や、かわいらしいシチュエーションに出くわしたいなあと思いながら、いつもこのCMを見ています。

 そのせいか、綾瀬はるかをフューチャーして数ヶ月間飲み続けたポカリをやめて、カルピスウォーターを飲んでみたり・・。

たとえば千年。

2006年03月29日 01時23分12秒 | 日々の出来事
 こんばんは。

 みなさんには勝負服ならぬ、勝負歌がありますか?
 勝負歌などというと大げさですが、ようは好きな人に対して送りたい曲です。

 私は元来歌があまり上手なほうではありませんが、好きな人を前にすればラブソングのひとつも歌いたいと思うのが男のサガです。また一緒にいるときのBGMなどで綺麗な曲がかかっていたら素敵だなとも思います。

 前置きが長くなりましたが、私が好きな人に送りたい歌NO1はザ・ハイロウズの「千年メダル」です。ちなみに遊戯王に出てくるアイテムではありません。

 数あるラブソングの中でも、自分が送るとしたらこの曲を選びます。ハイロウズの曲はどれも歌詞がストレートで好きです。

 私は自分で言うのもなんですが、そんなにクールでかっこいいというタイプではありません。
 でも「千年メダル」の歌詞のように、純朴に愛を伝えられたら素敵だなと思います。

 歌というものは普通に聞いていると曲の雰囲気だけしか残らず、けっこう右から左へと流れていってしまうのものです。しかし、もしハイロウズの「千年メダル」を聞く機会があったら、その歌詞をよく聞いてみてください。なんだか落ち着く感じがするはずですから。

 まあ、曲にすべてのメッセージをこめて送るのはいささか都合のよすぎる話ではありますが・・。
 やっぱり伝えたいことはしっかり自分の口で言わないとね。

うしろを振り返り 足元の酒におぼれる

2006年03月28日 02時52分06秒 | 日々の出来事
 こんばんは。

 昨日、先月に退職した前の職場に遊びに行きました。
 私は前の職場は接客業(サービス業)にあたるため、お客として出向いていけば社員の顔が見られるのです。

 当日行ってみるとなかなかの混みようで、好景気だなあなどと妙な感想を抱いてしまいました。

 以前の仲間も一様に一生懸命働いており、すごいなあと思いました。ホント、その様子は昼間のパパはちょっと違う、昼間のパパは男だぜ、って感じで、初めて自分のやっていた仕事を客観的に見て驚きとちょっとした誇らしさを感じてしまいました。まあ、私はみんなほど仕事はできませんでしたが・・。

 この職場はこの季節、私のように退職をする人が多く、この先少し心配というようなことを先輩は言っていましたが、昨日のみんなの仕事を見た限りでは、大丈夫なように思えました。同期も後輩もびっくりするくらいしっかり働いていて、後は任せたっ!などと勝手に先輩風を吹かしてみたり・・(笑)

 でもみんな、これからもがんばれ!

 しかし、そんなみんなの仕事振りを見て、たった一ヶ月で驚くことしかできなくなっている自分に少し寂しい気もしました。自分で選んで退職した仕事ではありましたが、それなりにこだわりと思い入れはあったので。もうここのみんなとは同じところには立てない、自分はもう過去の人間なんだなあと思ったのです。

 でも私自身、先の仕事に不安はあっても希望もあることは確か、みんなの働く姿に元気をもらって、次のステージでがんばろうと思ったのでした。

 俺、もっとがんばれ!

 ちなみに余談ではありますが、ここのところ送別会やら歓迎会やらで飲み会続きです。ほどほどでやめておけば良いのですが、どうも悪いお酒の飲み方をしてしまい次の日の午前中はおろか午後までつぶしてしまう有様。(昨日おとといもそれでブログの更新を落とした。反省。)気をつけなければ・・。

 まえに川島直美が「私の血はワインでできている」みたいなことを言っていたけど、今の私は血液の代わりに青りんごサワーが流れ、骨肉はすべて軟骨のから揚げだ。

あぁ高校時代

2006年03月25日 00時04分43秒 | 恋の歌の話
 こんばんは。

 今日も昨日から部屋の片づけをしています。卒業アルバムなどを開いては懐かしさに浸ってを繰り返し、やっぱりなかなか進みません。

 今日はそこでかなり恥ずかしいものが出てきました。

 高校時代に書いた詩です。

 見つけたときには正直、出たー!と思いました。自分でいうのもなんですが、当時こんなものを書いて尾崎豊や山田かまちを気取ってたと思うと、恥ずかしさで顔から火が出る思いです。なんだかパクリっぽいものも多いし・・。

 しかも高校を卒業してから今日までに引越しは二度ありました。大掃除や部屋の片づけをまったくしなかったというわけでもありません。
 にもかかわらず、こんなこっ恥かしいものが残っているからには、それなりに思い入れがあったのかもしれません。

 しかし、過去を乗り越えてこそ人は成長するもの。(笑)今回は思い切って捨てることとしました。やっぱりちょっと恥ずかしいですし。

 でもまあ、親ばかに近い感情かもしれませんが、なかなかに口惜しい感じもします。そこで、思い出を清算し、自分を戒めるためにも、今回ここに一説載せておこうと思います。またいつかこの詩を読んだとき、懐かしさと恥ずかしさを感じるために。

 まあ、このブログ自体、結構生き恥をさらしている感もありますが。(笑)

 で、高校時代の詩↓



 もうすぐ午前一時

 外は真っ暗で
 車の走る音と
 雨の音

 でもそこには何もない

 そんなことを考えている自分の中には はたして何があるだろうか?
 一日一日をごまかしながら 何とか十六年間生きてきたが
 いつか自分が死んだとき 誰かに何か残すことができるだろうか?

 今の僕は空っぽだ
 まだまだ恥ずかしくて死ねない

 もし自分が死ぬとき、心の中がいっぱいで それを誰かに送ることができたら
 それは十分な生きた証じゃないだろうか。

 ・・・少し考えすぎた

 雨の音はもうしない


 これが高校時代!我ながら青臭くて好きだ!親バカですから!(笑)
 うーん、シャバダバ!


捨てたいけれど捨てられない

2006年03月24日 01時20分06秒 | 日々の出来事
 こんばんは。

 現在、部屋の整理ということで大掃除を開始しています。ここでラックや押入れの中からあふれたものを大体的に処分しようと思案中です。

 しかしいざ整理するとなるとなかなか捨てられないものです。悲しいことにまったく物が減りません。

 一番、捨てようかどうか悩むものは「手紙」です。
 お別れの手紙やプレゼントに添えられた感動的なものなら間違いなくとっておくのですが、男友達からもらったどうでも良いようなものとなると、コレ、いらねーんじゃねえか?みたいな気分になります。しかし、一応自分のために書いてくれたものだし、たわいもない内容でも手紙という形になるとなにやら捨てるのが怖くなってしまいます。なんか、バチがあたりそうで・・。

 年賀状とかも毎年とっておくけど、正直いらないかなあと思ってしまいます。

 もうひとつは、記念に~、またいなものです。
 具体的にいえば旅行記念のスタンプやツアーバッチ、前の仕事で使っていた小物などです。どれもこれも出来事自体は思い出深いのですが、何もこんなものまで記念にとっておかなくても、と思うところもあります。思い出は記憶の中にあるのだから、写真一枚でもあれば十分な気もするのですが・・。

 まあ結局どれも捨てられないんですけどね。

 いっそ部屋の中のものを全部捨ててしまったらすっきりするかもしれません。
 しかし、その後にくる後悔とどちらが大きいかは、非常に大きな賭けであります。

不思議発見。

2006年03月23日 01時29分04秒 | 日々の出来事
 こんばんは。

 先日、電車に乗っているとき、窓の外に不思議なものを見ました。

「四次元組織」

 この五文字が、塾などによくあるような建物の大きな窓に、一字ずつ大きく書いてあったのです。それこそちょうど「塾生募集中」のような感じで。

 その建物を見てからずっと考えていたのですが、その文字が一体何を意味するのかまったく分かりません。

 そもそも四次元というのはどら○モンの四次元ポケットなどが有名ですが、縦、横、高さの三つの次元に時間を加えたもので、辞書によると「次元が四つあること」とのことです。ようは空間のことです。

 その、組織。うーむ、何をするところなんだろう・・?世界には謎が満ちている・・。

 ただの固有名詞なのだとしても、看板掲げてアピールするくらいですから、外部に向けて何かしらのアプローチをとっているのだと思うのですが・・。

 しかし、正直少し怖いと感じてしまいます。人は正体の分からないものに対して、漠然とした恐怖を感じてしまうらしいのですが、この看板は、それこそ四次元的な恐怖を持っていると思います。

 まあ、私の最後のコメントも、意味の分からなさではどっこいかもしれませんが。

野球とバーベキュー

2006年03月22日 00時07分06秒 | 日々の出来事
 こんばんは。

 今日、電車に乗っていたときのことです。ある駅で、長いすに座っていた私の隣に、小さな男の子を連れた三人家族が座りました。
 男の子は電車が好きらしく、ずっと窓の外を見ながらはしゃいでいました。

 電車が河川敷近くを通ったとき、ちょうどその河川敷のグラウンドで野球の大会か何かがあるらしく、大勢のユニフォーム姿の人たちがあふれていました。
 男の子のお母さんはそのグラウンドの映る反対側の窓を指差し、男の子に「ほらみて、野球の人が大勢いるよ」といいました。

 すると男の子は言いました。「バーベキューはどこでやっているの?」

 私はこのやり取りを聞いていて、小さい子は本当に面白いと思いました。
 普通、大人なら適当に話をあわせるとかしそうなシチュエーションだろうと思います。

 そんな男の子の返事を聞いて、お母さんは少し困ったように笑いながら、あの人たちは野球の人だからバーベキューはやっていないね、と男の子に教えてあげていました。

 男の子にとって野球への興味はまったくなかったのです。しかも河川敷でみんなでやることといったらバーベキューであると、大勢の人を見て瞬時に思ったのでしょう。

 小さい子は正直だから、好きなこと嫌いなことには純粋だと思います。

 バーベキューと野球の大会、男の子の興味はバーベキューにしかなかったと知って、私は何だか楽しくて仕方ありませんでした。みんなユニフォームまで着ていたのにね。

 大勢の人の目的がバーベキューでなかったと知って、男の子は少し残念そうにしましたが、すぐまた窓の外に視線を戻しはしゃぎ始めたのでした。

友人のこだわり①

2006年03月21日 00時00分38秒 | 嗚呼、素晴らしき思い出

「じゃんけんはチョキで勝ちたい」

 じゃんけんにおいてグーとパーは手の形として出しやすい。こぶしを握るか開くかの違いだけで、簡単に作れるからである。この時点でチョキはすでに肉体的負荷というハンデを背負う。

 出しやすいのはグーかパーだが、だいたいの人はグーを出す。最初はグーの影響か、こぶしの形が出しやすいのかは分からないが、とにかくグーだ。

 ここでパーを出す奴は卑怯者である。たいていの人がグーを出すということを知った上で、何の労もかけずに勝とうという卑屈な根性が表れているからである。

 これらのシチュエーションを踏まえた上で、チョキで勝つということを考えてみると、まず文頭で挙げたような肉体的ハンデをもって戦うこととなる。
 また大抵の人はグーを出すため、普通にやったのでは負けてしまう。そう、チョキを出すのには相応の覚悟が必要なのである。
 そして、チョキを出す男が戦うべき相手はパーを出してくる悪の権化のような奴である。

 そう、チョキで勝つということには、ハンデを克服するタフさ、負けることを恐れない勇気、そして卑怯な手に屈しない正義の心が必要なのである。

 よって、男ならば正々堂々チョキで勝ちたいのである。

 と、いうようなことを以前、友人に熱弁された。
 その熱意のせいか、話に妙に説得力があったことを覚えている。

 小さなこだわりというのは、人それぞれさまざまで本当におもしろい。

*ちなみに今回のタイトルは「友人のこだわり①」となっているが、シリーズ化するかどうかは未定です。