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代理出産体験記その4―母の気持ち

2008年05月01日 | 代理出産体験記
私の父は他界している。なので私の母はこのことを一人で受け止めることになる。

とまどうのはわかっている。身近にこういうことをした人もいないわけだから仕方たない。

母が同居している妹へ連絡をした。

いつも家族に重大なことを打ち明けるとき、どきどきする。

あー、この瞬間。思い出す。前回はそうそう、「この人と結婚します」って言うときたっだっけ。

「もうお母さんに言っておいたよ。なんだか大役をまかされて、大丈夫なのかって心配してる」と妹。

私達だけで決めてしまったことをなんと言うか。

「私から話すよ」

もう壁をぶち破るしかない。

「話は聞いていると思うけど・・。この前子宮の検査があって、私の子宮で子供を産むことのリスクを聞かされたんだ。」

「もう何年もたっているから大丈夫なんじゃないかと思っていたのにね。」

「先生に言われても大丈夫かもしれないと何度も思いたかった。だって自分で産みたいもん。でもリスクもあるんだよ。私はいつ子宮が裂けてしまうかというそんな爆弾を抱えて妊娠期間を過ごすなんて、精神的にどうにかなるかもしれない。どっちに決めていいか、自分の気持ちがいったり来たりだったんだよね」

「そうだね。それはやっぱり危険だね。」

「うちの彼は絶対わたしが自分で産むこと反対。もう私があんなに苦しんでいる姿みるのは地獄だからいやだって。ドクターは体外受精をしたうえで、代理出産という選択があるから、そうしたらどうかって言っているの。二人の卵子と精子を使うので遺伝子的には私達の子だって。」

「今の時代はすごいわね。そういうことはドクターはよくやっているの?」

「うん、不妊治療専門医だし、卵子提供とか代理出産の話はよくしていたよ。代理母の候補ならいるからとも言っていた。そんな話を打ち明けたら、あの子が私が産んであげるからって。」

「あの子はいとも簡単に私が産んであげようかと思って、なんて言い出して・・・。体も小さいんだし、仕事もしているし、二人の子供だって仕事から帰ってきて面倒見るのが精一杯なのに、どうやって・・・・・」

心配な気持ちはわかる。私も一緒だ。

「食事だってあんなんじゃね。食べたり食べなかったりむらがあるし、若いんじゃないんだから体しっかりさせないと妊娠なんて無理よ」

妹と同居している母が一家の食事は担当しているが、なかなか食べ方にむらがあるそうだ。

「出産まで無事たどりつけるかが心配よ。ましてや双子になってしまったらどうするのか・・・」

周りのサポート、家族全員のサポートが必要となる。その中でも母への負担はかなり大きい。

「お母さんはね、子供がいない二人の人生も自由があっていいじゃないとずっと思っていた。りこちゃんたちはそういう人生を歩んでいくのかと思っていた。こんな方法があるなんてことも夢にも思っていなかったしね。あの子がりこちゃんをどうしても助けたいっていうし、あななたち姉妹が、どうしてもしたいということをお母さんには止められない。」

「色々迷惑かけると思う」

「うまくいくといいね」

「うん。考えたら、これから長い道のりだよね。たとえうまく妊娠できたとしても体外受精の期間も入れたら、産まれるのは1年半後とかそんな感じかあ・・私の卵子で体外受精しても成功する確率はすごく低いんだって。」

「まずはどうするの?」

「あの子がこちらにきてドクターに診てもらうことからよ」

私の家族の賛成を得て、そのときから、私達の赤ちゃんに出会うまでの長い旅が始まった。これからぶち当たる多くの難関など誰が想像できただろうか。

―続く―

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代理出産体験記その3―家族の理解

2008年04月17日 | 代理出産体験記
私の妹は子どもが二人いる。いつ家に電話しても途中で子供と何か話をしたり、話が中断されてしまうこともよくある。今日もそんなんだったら「大事な話」を切り出さないほうがいいと思った。

電話の向こうは聞き耳をたてているかように静かだった。

「ドクターにあなたが産んでくれるということを伝えたら、良かったねといってくれたよ。姉妹でも大丈夫だって。お母さんが娘のかわりに産むケースもあるらしいから。」

「え~!お母さんが?そんなこともできるんだあ・・・」

「年が38歳でも大丈夫かって聞いたけど、子供二人産んでいるんだったら全然いけるって感じの言い方だったよ。もちろん色々検査はあるみたいだけどね。」

「なんか私妊娠できそうなんだよね、予感みたいなものだけどね・・・」

「なんで?」

「私は妊娠しやすい身体みたいよ」

「そんなの今度はわからないよ、私達の受精卵だもん。私のほうは体外受精をする準備をするんだって。薬を打つらしいよ。」

「私は産むだけ?」

「違うよ。自然には妊娠した体にならないので、薬でそういう体にするんだって。子宮のライニングとかってドクターは言ってたから、内膜の状態を調整するんじゃないの?」

「じゃ、私も薬を打つんだ」

私はこのときに、以前主人の友達の奥さんが代理母をやった時の話をした。

「ほら、この前Tさんの奥さんが代理母をやったときの話をしたじゃない。そのときに彼女も注射をずっと打っていたんだけど、無理に妊娠する体にするから、結構辛いって言ってた。」

「副作用とかあるのかな」

やはり心配だった。妹を苦しませるのだったらどうしよう、と思った。

「色々ドクターに聞かなきゃね。あと、体外受精って双子とか三つ子とか生まれやすいんだって。どうする、三つ子だったら!」

「ちょっと待ってよ・・・」

「その体で三つ子は無理だよね」

妹は小柄である。

「私も育てられないわ、でも双子は?」

「双子までだなー、でもちょっと考えちゃうなー。仕事行ってられないよね。ね、おねえちゃん、人の体だと思って双子だの三つ子だの好き勝手言ってなあい?」

やれやれ、ずいぶんと先のほうまで話が飛躍してしまった。

体外受精も成功するかわからないのに。私の40歳の卵子を使っての成功率は低いのはわかっている。

「私が産むってことは、私の栄養が行くってことか・・」

また不安になった。妹の食生活はだいたいわかっているが、結構偏っている。好き嫌いが多いのではないが、野菜を食べないときが続くなどあまり気をつかわないのだ。ものすごい食べるとき、極端に小食のときなどあり、母も心配していたっけ。

あまり今の段階ではぐたぐた言いたくなかった。

「ねえ、ジェフはなんて言うかな?」妹の主人である。

「今日話してみるよ、あの人は心優しい人だからきっと賛成してくれると思う」

「えーそうかなあ・・・主人の協力が必要ってドクターが言ってたけど、具体的にどういうことなんだろうね。」

「私がしたいと言えば、協力もしてくれるよ、きっと」

私もそう願った。絶対彼ならOKしてくれると。

「とりあえず彼がOKだったらまたおしえて。ドクターがあなたに会いたいからって。」

「うん、じゃ電話する」

そしてすぐに返事はあった。

彼には感謝している。「助けてあげなさい」とすぐに言ってくれたこと。そして「そんな素晴らしいことはない」とも言ってくれた。

有難う。涙があふれ出た。その日のことは忘れない。こんな夫婦二人だったら、子供たちにもうまく説明してくれるだろう。

が、難関が目の前にあった。私達の母である。母は妹家族と同居している。
こんな大事なことを勝手に決めてしまったのだ。妹の主人の賛成を聞いて舞い上がってしまったのもつかの間、私の心は次の障害物に対してまた閉ざされてしまった。

―続く―

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代理出産体験記その2―決断のとき

2008年03月30日 | 代理出産体験記
子供を自分の子宮で産むか、他人にお願いするかを瞬時に決断なんてとうていできない。そんなこと出来る人なんているはずない。

「ちょっと1週間時間ちょうだい」と主人に言った。

主人の心は、そのときにはもう決まっていた。「もうあんな姿みたくないよ」と言った。

私の子宮が前回の妊娠中、裂けてしまったとき、救急病院で痛みと苦しさのあまり、叫び声をあげていた私を忘れることができないらしく、もうそんなことは2度とあって欲しくない、主人はそういう気持ちだった。

でも私は、今度は大丈夫かもしれないよね、最後まで私の子宮は裂けないかもしれないじゃない、といいように考えようとした。やはりわが子を産みたいのだった。

女に生まれた限り、妊娠・出産を経験して母になりたかった。主人と一緒に胎動を感じたり触ったりして妊娠を二人で楽しみたかった。

多くのリスクを抱えて10ヶ月もの妊娠期間を過ごすのは精神的に耐えられないと思う自分と、少しもの可能性にかけて恐怖を打ち消す自分がいた。

そんな揺れ動く自分の気持ちをどうすることもできなくて、遠くへ住んでいる妹へ電話をした。

「私の子宮で産むことが、かなリスクがあるんだって。もしかしたら大丈夫かもしれないけど、また子宮が裂けると思うと怖い・・・」

「じゃ、私が産んであげるよ」

「え・・・ええっ?」

妹がそんなことを言うなんて夢にも思ってなかった。でも言ってから

「でも、姉妹でそんなことができるのかな?」

「わからないよ」

「もしできるんだったら、私が産んであげるから大丈夫だよ。」

私はなんて言っていいのか返す言葉に困った。

すごいことを言っているの、わかっているんだろうか?

妹は二人の子供を産んでいる。妊婦の間も結構エンジョイしていたし、自分にとって妊娠は苦では無いと言った。

代理出産は他人がするもんだと漠然と思っていた。それはドクターが代理母の候補は何人か思い当たる人がいるとか言っていたからかもしれない。そういう人に頼むときのことを自分でも気がつかないうちに考えていたのだろう。

主人に話してみた。妹が産んでくれると言っていると。他の代理母のことを考えていた主人は、妹が産んでくれるのだったら安心だけどだんなさんは反対ではないのかと聞いてきた。

そうよね・・・そんな一人の意見では決められない。いくら姉妹だって人の子供を妊娠するということは簡単なことではないものね。

そして私はなんといっても代理出産は未知の世界で、どうやって進んでいくのか知りたかった。そう、リスクなども全て知って納得した上で結論を出そう。

ドクターは妹の協力については大賛成だった。なかなかそういう姉妹はいないよ、と言った。リスクは体外受精をするので受精卵をたくさん入れれば、双子、三つ子の可能性もあるとのこと。妹は38歳だったのでそんな年でも出来るのかと聞いたが代理母は子供を産んだことがある人でなければなれない、また色々な検査があるし子宮を見た上で決めるが、それで問題なければ大丈夫でしょうと言った。ご主人の協力もいるよ、と言っていた。

身内でそういうことが出来るとわかった今、また新たに考えることがでてきた。

普通、アメリカでは代理母には謝礼金を支払う。心身ともに大変な妊娠期間を過ごさないといけないので労力と割いてくれた時間に対してだ。

私は妹だからといって、姉妹という立場を利用することだけはしたくない、と主人に話した。妹であれ全くの他人であれ、代理母の役目としてすることは一緒だし色々なことを妹に対してもフェアにしていきたいと思った。妹ができるだけ気持ちよくこのことを受け入れられるように考えていきたい、と主人に話した。

主人は「あなたの代わりになってくれる人だからあなたがどうしたいか決めたらいい。たった二人の姉妹だから一番彼女のことよくわかっているでしょ」と言った。

そう、妹のことは私が一番よく知っている。私は今になって妹が「私が産んであげるから大丈夫」と言ってくれたことに対して、彼女の優しさと寛大さをひしひしと感じていた。

私自身色々と心の中で葛藤があった。でも自分の卵子を使うということでそんなにゆっくりと考えてもいられなかった。

決断しよう。そう思い受話器をとり妹に電話した。

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代理出産体験記その1―告知

2008年03月18日 | 代理出産体験記



私はなかなか子供ができなかった。以前の2度の妊娠は簡単だったが、2度目の妊娠中に子宮がさけてしまってからは卵子の加齢も手伝い、それからは長く辛い道のりだった。

一度裂けた私の子宮はもう元通りにはなっていなかった。

そんなことをある日、ドクターから聞かされたって「うそでしょう」

一気に背中が寒くなった。帰りの車では隣で主人も言葉が少なかった。

愛する人との子供が出来ないなんて。ごめんね、私の子宮がだめなばっかりに。言葉に出すと泣き崩れてしまいそうだった。

そのとき、ドクターはすかさず言った。「あなた達には代理出産という道と養子をもらうという道がある」と。代理出産ということばは向井亜紀さんの件で知ってはいたが、まさか自分がその世界に入っていくとは夢にも思わなかった。なんか雲の上の存在の世界だった。どこかで芸能人だからできるのかな、なんて思ったこともあった。

アメリカのドクターは、ましてこの専門分野のドクターはこのような患者はたくさんいるだろうし、代理出産は特別なことではないのだろう。さらっと言ってきたので、さらっと受け止めてしまいがちだが、「先生、ちょ、ちょっと待ってください」と何度も聞きなれない英語を確認した。

子宮の問題から一気に代理出産に自分の気持ちを切り替えるなんて、そのときの私には出来なかった。ひたすらひたすら悔しかった。

その日の告知は、私の人生の中で一番辛いものとなった。

でも私達には時間がなかった。代理出産を選ぶなら、自分の卵子を使っての体外受精。一日も早く決断しないといけなかった。

次回は「決断のとき」

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