空では雲が恐い顔。まるで、歯をむき出しにした鬼のよう。
今月最後の日曜日。
これから一週間は休みなし。
映画を観に行く予定がことごとく変更になり、昨夜検索すると5月中で終了との事。
現状で6月も上映している東京へ行くのは不可能。
という事で、本日行ってきました。
『ラストターン 福山健二71歳、二度目の青春』岩城滉一主演
認知症の妻を看取った後、ひとり暮らしの家に息子家族が訪ねて来た事がきっかけとなり日常に変化が訪れる。
コミュニティセンター知り合った橋本勤(田山涼成)と福山健二(岩城滉一)
正反対にみえる2人は絶対に合わないだろうなと思える展開なのに、健二の日記では橋本の良い所が表現され、健二にとっての受け入れ方はそうなのかと納得させられた。
水泳選手引退後、水泳教室のインストラクター高月彩良(岸本香里)は、まわりの助言を受け入れ、健二と関わることでスイマーとしても人間的にも成長を見せる。
一日の終わり、認知症の妻に向けて書かれる日記。
この日記は、いつの日か息子も目にするんだろうな。その時、父親がどう過ごし何を考えていたのかを理解するんだろうな。...などと考えていました。
出だしは、真面目だけれど、しょぼくれた老人。
途中で、橋本が突然倒れた事を知り、現実から逃げ出す健二。
最後は、かっこいい岩城滉一になっていました。
私のよく目かもしれませんが(笑)
既に亡くなった父がダブって見え、この映画を観た人の感想も、お祖父ちゃんに会いに行こうと思います等、似たような方が多い事に気付かされました。
特別な事ではなく、ごく普通の事なのでしょう。
インストラクターの高月の様に、年齢に関係なく誰にでも悩みや分岐点はある。
小さな一歩を踏み出す事が、前に進む勇気をくれる。
いつか、母さんに会えたら伝えたい―
人生はいつからでも輝けることを
心に残るセリフです。
輝けるとは、自分基準でいいんだな。気負わなくてもいいんだな。と思えるセリフです。
岩城さんの声がセリフにマッチして、スーッと溶け込んできました。
そして、宮崎美子さんの声がラストを飾ってくれました。
私的には、色々吹っ切れた健二が橋本の家を訪ねた時に、お茶を出しに来た嫁役の貫地谷しほりさんのセリフと大笑いが「その通り」と拍手を送りたい気分でした。
9時15分上映に遅れないよう、7時台に家を出て鈍行で往復2時間。
以前なら考えられない行動です。
一歩を踏み出す為の勇気はいりませんでしたが、結城アンナさんのインスタに「映画観に行きます」とコメントした事を反故にしたくないという思いが行動を後押ししてくれました。(友達でも知り合いでも無い、ただのフォロアーですが)
一歩踏み出すのに時間はかかりましたが、踏み出して良かった。

曇りでも、気分は爽快。
この作品を観た後、『普通の人々』と『黄昏』を観たくなりました。
「何故?」と聞かれても「なんとなく」としか答えられないのですが(笑)
本日もお立ち寄り頂きありがとうございました。