今月初め、天山へ登ろうと、いつもの天川登山口へ向かうも、林道が途中から閉鎖になっていて、虚しく引き返した事があった。
ところが、後になって他のブログで知ったのだが、徒歩でなら登山口まで登って行けたらしい。
そうとなれば、早い方がいい。
「天山登られるらしかぞ。トリカブト、もう咲いとるぞ。行くか？」（私）
「行く。」（家内）
閉鎖されたバリケード前には、既に10台以上の車が駐車していた。
これは縦列駐車するしかないようだ。
んじゃ、久々にギリギリの縦列駐車をば。
グイ
一発切り替え無しである。
俺って、上手じゃね？
パチパチパチ
と、誰も褒めてくれないので、自分を自分で褒めてみる。
いと虚し。
「お、おう。」（私）
ここから登山口までは、ゆっくり歩いて1時間ほどの距離である。
靴も履いたし、ボチボチ行こうか。
ミゾソバ
以後、自分自身への記録の為に花の名を書き添えるが、例によって全く当てにならない。
間違っていれば、指摘して貰うと大変有難い。
ツリフネソウ
レイジンソウ
キバナアキギリ
予想通り、道路がだんだん荒れてきた。
アスファルトの下の土砂が流されてしまって、道路がささくれ立ってしまっているのだ。
崖崩れの痕も何か所かあり、復旧には年単位はかかるだろう。
とは言え、普段歩くことのない林道だ。
道路脇を彩る花々に出会えると思えば、寧ろ良かったと言っていいぐらいだ。
このアケボノソウもだが、
ヤマホトトギスなども、登山道に入ったら、ほとんど見られなかったからである。
ツルニンジンも、林道でしか見つけることができなかった花である。
風が強くなってきた。
写真がブレブレなのはそのせいである。
と、大きな声で言い訳しておく。
実際はヘタクソなだけだ。
天川登山口駐車場到着。
天山山頂の雲の動きが速い。
ここからが登山道である。
シロヨメナ
ヤブマメ
アキチョウジ
樹林帯が尽きると、急に視界が開けてくる。
この日は3連休最終日とあって、家族連れが大勢登ってきている。
山頂が見えてきた。
この近くにだけしか咲いていない花がある。
えーと、確かあそこら辺に・・・
あった。
シギンカラマツだ。
山頂到着。
強風に靡くススキの穂。
この時期のここでの主役の一つが、
マツムシソウだ。
有明海をバックに。
天山の稜線のあちらこちらに咲き誇っていた。
稜線歩きが実に心地いい。
天山の醍醐味と言っていい。
稜線を覆う笹原には、
サイヨウシャジンや、
ツルリンドウが賑わいを見せていた。
そして、この日のお目当て、
タンナトリカブトだ。
猛毒のトリカブトも、昆虫にはご馳走らしい。
花弁に飛び込もうとしている虻。
天空の回廊を行く。
オトギリソウ
キュウシュウコゴメグサ
そろそろ、昼飯にしようぜ。
「あ、そこ！踏んじゃいかん！」（家内）
「え？」（私）
何と、モウセンゴケである。
よく見ると、あちこちに生えている。
こんな乾いた場所に？
ケツに敷いてしまわないように、よく見て座らなくっちゃ。
狂い咲きのミヤマキリシマ
稜線を散策中、40年配の登山者から声を掛けられた。
「どちらから？ああ、天川ですか。自分は天山上宮からですが、あそこも同じように・・・」
上宮駐車場まで車の通行が出来なくて、少し下に車を置いて登ってきたとの事。
「それより七曲登山口からの道は、壊滅状態らしかですね。」
ここ数年来の異常とも言える大雨が常態化するようになったら、
そのうち、
いずこの山も、登れなくなる日が来るように思われてならない。
