先週金曜日、同級生のオバサン、、、
いけねえ。また言ってしまった。
同級生女子と九重に登る予定であったが、天候不順の為、中止した事は既に書いた。
「水曜日は予定がとれるけど、江島君の予定はどう?」
ふ、
それを、暇人に聞くか?
予定も何もある訳なかろう。
暇に決まっとるわい。
そんな訳で、
快晴の昨日、牧ノ戸登山口から出発である。
メンバーは私、家内、そして同級生の3人だ。
タニウツギ
彼女は、このブログを読んで、山登りに興味を持ったとの事。
たまたま、話す機会があり、その時、
「山の事を色々教えて。道具は何を揃えたらいい?」
そりゃ、光栄な事だが、私自身、初心者の域を一歩も出ていないのだ。
山の事なんか何も知らないし、歩き方ひとつ教えられないが、登った山の道案内ぐらいは出来るだろう。
それでいいなら、一緒に登ろうか。
てな次第だ
ドウダンツツジ
と言って彼女は、完全な未経験者という訳でもない。
10年前ぐらい前までは、生徒の引率で、久住山まで登った経験があると言う。
「でも、昔の事だし、今は体力無いし、全然自信ない。」
ま、ゆっくり行くさ。
ツクシドウダン
この日九重は、目の覚めるような青空が広がった。
シロバナニガナ
「あ、コケモモやん。可愛かー。」(家内)
家内のテンションが上がってきたようだ。
ヤツにとって山登りの主題は、あくまでも草花なのだ。
普通、頂上に着いたら、そこから見える眺望を楽しむものではなかろうか。
ところがヤツに至っては、事もあろうに頂上で、下を向いて草花の写真を撮る始末。
全く持って、不謹慎なヤツなのである。
星生山が見えてきた。
星生山もピンクのベールを被っている。
今回は、体力に自信が無いと言う同級生を考慮して、傾斜が緩い扇ヶ鼻でミヤマキリシマを堪能。
その後行けそうだったら、九州本土最高峰の中岳を目指す予定である。
扇ヶ鼻分岐。
おお!
美しいぜ。
ピークは過ぎたとは言え、まだまだ十分なボリュームである。
平日とは言え、九重はどの山も、たくさんの登山客で賑わっていた。
正面のとんがりが、山頂だ。
ピンクの海の中を、なだらかな傾斜が続く。
「うわー、綺麗か。私、ピンクに染まったこの景色、初めて見た!」(同級生)
そうかい。そりゃ、よかった。
山頂が見えてきた。
見晴るかすパノラマ。
遠く阿蘇五岳や、祖母山系まで見渡せた。
分岐まで戻ってきた。
同級生に、中岳まで行けそうか尋ねてみた。
「うーん、わかんない。」
そりゃそうだ。
中岳に登った経験が無い人間に、こんな質問する方がおかしい。
彼女の返事は、全く理にかなっている。
「でも行きたい!」
よし、話は決まった。
前へ進めだ。
西千里を行く。
左は星生山。右に見えるのは久住山。
星生山頂上には数人の人影が見える。
星生山岩尾根。
久住別れまで来た。
前方に、ピンクに染まる三俣山と、平治岳が見える。
彼方には由布岳の姿も。
マイヅルソウ
フデリンドウ
天狗ヶ城が迫ってきた。
ガレた坂を登り、天狗ヶ城手前の分岐を右折。
一旦、御池(みいけ)を目指す。
御池。
ここまで来てやっと、一旦視界から消えた中岳を拝む事ができる。
この風景こそ、坊がつるとともに、九重の一つの象徴ともいえるのではなかろうか。
御池を半周程周回し、天狗ヶ城と中岳の鞍部まで登り、進路を中岳方向にとる。
溶岩ドームの名残りの岩場をよじ登ると、、、
目的地、中岳頂上だ。
360度の絶景を楽しみながら、昼飯を頬張る。
「やっと登れた。でも、来てよかったー。」(同級生)
「よう登ったよ。俺なんか初めての九重は・・・」(私)
「そう、このオッチャンなんか、久住山手前で、『もう登りきらん。お前だけ行け』って弱音ば吐いたとよ。」(家内)
・・・そこまで言うか。
大船山
先週はあそこに居たんだよな。
さて、そろそろ下山しよう。
登山靴のソール発見。
ソールの方向は、中岳を目指していた。
ここにソールが残された後、壮絶なドラマがあったに違いない。
来た道と同じ道を、ピストンで引き返す。
快晴に恵まれ、ミヤマキリシマのシーズンの終わりに、相応しい山登りとなった。
それにしても、今年はミヤマキリシマを、ゲップが出るほど楽しめた。
ほころび始めの由布岳に始まり、満開の平治岳、疲労困憊の大船山、それに今回の扇ヶ鼻から中岳。
どれもこれも全て、天候に恵まれ、気持ちの良い山登りであった。
どうやらここらで、ミヤマキリシマは来年までのお預けのようだ。