こんにちは、ロングです。
今回は後編としまして、引き続きギア駆動の見直しです。
前回はカウンターギアの背面側の出っ張りを削り、絶縁ワッシャーを挟んでみたところ、タイムが伸びる結果となりました。
(1.4Vで21.45秒)
今回はスパーギアを固定することでどのような変化があるのか、
また、前回の終わりにチラッとご紹介したのですが、カウンターギア内の摩擦抵抗0を理想とし、ギア内部を削ってベアリングのみとしたらどれくらい速くなるのか...を試してみたいと思います。
まずはスパーギアの固定からいきます。
スパーギヤの固定方法はネットで調べていくといろいろ出てくるのですが、どれが有効なのか正直わかりません。
調べていく中で、以下3つの手法が個人的に気になりました。
①ハトメを挟む
②ピニオンギアを挟む
③スパーギアを潰す
さて、どれが一番いいのでしょう。
1つずつ試していきましょう。
①ハトメを挟む
スーパー2シャーシなどでタイヤシャフトの軸受けアイテムとして登場するハトメ。
ネットで調べていくなかで、ハトメを挟む手法が一番よく目にするような気がします。おそらくお手軽にできるという点でメジャーなんだろうなと思います。
このように、前後のスパーギアの片側に1つずつはめ込みます。
はめてみてスパーギアを触ってみた感じですが、ギアのグラつきは少なく、しっかり固定されたような感じです。
回転させてみるとどうでしょうか...
おっ、スパーギアはほとんど揺れなくなりました!
これは簡単でいいですね。揺れが無くなったことで駆動効率が上がっていそうです。
全体を見ても....両方とも揺れていませんね。いい感じじゃないでしょうか。
ただ....
う~ん....音が....
.....これ、音があまり静かになっていないような....
どうなんでしょうか...?
ハトメをはめる前は、
ジャーーーーに、ジャラジャラ カラカラ
という音が含まれていました。
ハトメをはめた後は、
ジャーーーーに、ジューーーー
という新しい音が聞こえてくるのです。
おそらく、スパーギアが揺れなくなったことで ジャラジャラ カラカラ という音が無くなったのだと思うんですけど、新しい別の音が出てくることで僕が理想とするシャーーーに近づけず、なんだか微妙な感じを覚えました。
まあでも、全体的に少しは静かになったのかな。
ネットにたくさん紹介されているし...皆さんやってそうなので、きっと多少は良くなっているのでしょう。
電圧1.4Vの100m走でタイムを計測してみます....
前回の21.45秒に対し、21.58秒....あれ、遅くなった....
あっれ...?
いや、音は少し静かになったんだし...いやそんなバカな....
たまたまでしょうか?何度か測定しつづけてみます。
やっぱりタイムが伸びない...ていうか大体タイム落ちてるな....。
なんということでしょう...
何度やってもハトメを付ける前の21.45秒よりタイムは遅く、21.5~21.8秒の間でぶれていました。
ハトメ....実は微妙?
もう一度回転しているところをよく見てみます。
よくよく見てみると...
・スパーギアは完全に固定されているわけではなく、わずかに揺れている
・ギアはハトメやシャーシと当たっていて、摩擦抵抗が生まれていそう
・ハトメ自体も回りながら揺れてギアと接触し、摩擦抵抗を助長している?
...と、見れば見るほどだんだん微妙に感じてきました。
そうだ、ジャーーの音に、ジューーーって音あったんだし、多分これ摩擦の音だろうなぁ。もっと耳をすませてみると、わずかにシャラララという音も聞こえてくる。おそらくハトメが回る音でしょう。
これ、本当にいいのかな?ネットでよく見るんだけど...。
僕の手持ちのハトメが悪かったのかな?それとも付け方が違うのかな…?
僅かな隙間があったのでハトメとギアの間にワッシャー1枚追加で入れてみたのですが、結果は更に✖ 。キツくなってしまい、ギューーという音が発生してしまうのです。
う~む....
結論:ハトメは微妙のような気がする...
あくまで僕がやってみての結果です...。
ただし全体的に音は小さくなり、改造やってる感は出ます...。
②ピニオンギアを挟む
モーターにつけるピニオンギア。
これを使ってスパーギアを挟んでいきます。
どういうことかというと...
そもそもスパーギアというのは、シャフトより少し大きめの穴になっているのでスポスポ動いてしまいます。
それに対し、ピニオンギアの穴は少しキツめに加工されているので、シャフトに通して傾けてみても動くことはありません。
つまり左右に挟み込むことで、スパーギアを固定し一切の揺れを止めるというものです。
ピニオンギアのギア部分を削り、スリム化します。
シャーシへの取り付けですが...
シャーシ内の青〇部分の箇所に当たってしまうので、スパーギアを挟み込むことはできません。
豚さんは検証用のマシンなのであまりシャーシはいじりたくなかったのですが...ここはやむを得ません。少しカットしていきます。
ギア周りの部分をカットし、しっかりはさみ込むことができました。
また、シャーシ内に接触することもありません。
回転させてみると...
ジャーーーーーーーー
あっ いい これいいかも....!異音が全くありません!
一定のジャーーーーのみです!
いや、理想としていたシャーーーに近い、ジャーーーでありました。
いいぞ....
うん...ホントにいい....静かだ!駆動の軽さも感じられます。
スパーギアの固定で、ここまで静かになるのは予想外でした。
これはひょっとして...
タイムを計測してみます。
キタコレ! 1.4Vで21.28秒!記録更新!
タイムが伸びてきました!いいぞ~悪くない!
ただし何度か計測していくうちに、減速が確認できました。
カバーを開けてみると原因は一目瞭然。ピニオン部分が少し離れてしまっていたのです。
走行の衝撃でズレちゃうのか...。
それなら...
対策として、ゴムパイプを使用してみました。
これは使ったことのある方にはお分かりと思いますが、穴が小さくて締め付けのある素材ですので、滑り止めにはもってこいの素材。
ゴムの長さは適当ですがこんな感じで装着。
再度、何度か走行してみたところピニオン部分がズレることは無くなり、問題を解決することができました。
ひょっとして計測していた時もズレていたかも...。
もう一度計測してみます...。
ドンドン伸びてくる~~!!凄いぞ!!
ピニオンギアとゴムパイプを使ったスパーギアの固定...
これはアリだと思います。
駆動効率は上がり、音も静かになります!
③スパーギアを潰す
さあ、乗ってきたところで、ここでもう少し上の改造を目指します。
ご覧の通り、スパーギアの穴は六角形なんですが....
タイヤシャフトより穴の大きさが少し大きいため、遊び・ガタつきがあります。
これを解消していくため...
青色部分をプレスして少し潰し、穴を小さくしていくという手法です。
最近ネットで紹介されているものなんですが、考えた方が凄いなぁと思いました。皆さん本当にいろいろ考えていらっしゃいます。
プレスのやり方もいろいろあると思うんですけど、僕はこのような器具を使用してみました。(クランプと言うそうです)
ホームセンターで700円ほどで買えました。
グググググ.....
強くプレスするとギア部分にまで圧がかかって変形してしまうので、プレスは少しだけにしておきます。
これで....
シャフトに通すとき少しキツくなりますが、その分、ギアの揺れと遊びは全くなくなり、シャフトとギアが一体化したような感じを受けます。
これは②のピニオンギアとゴムパイプを使わなくてもいいので、一番いいかもしれませんね....!!
で、結論から言いますと....
僕はこの手法はやめました...。(あれ...)
理由は正確性に欠けること...。
実は手持ちのギヤ6個を全てプレスしてみてそれぞれ比較してみたんですけど、どれも不揃いでガタが出てしまいました。
実際にシャーシに組んで回転させてみると、どれもこれもグラグラしてしまい、キレイな回転にならなかったのです。
一見キレイに見えたギアでも、カウンターギアと合わせて回転してみるとギャギャギャギャという音が...。
要は均等に圧を加えることって結構難しいみたいで、どれも大なり小なり歪みがあり、シャフトを通してみた時にギアが垂直にならないものが多くできてしまったのです...。
(きたない絵ですみません)
また、パっと見キレイに仕上がりシャフトに対して垂直に出来上がっても、カウンターギアと噛み合わせてみるとギャギャギャギャという異音が出てしまい、ギア同士の位置出しが上手くいきませんでした。
これはおそらく、穴の六辺が均等に縮小していかないといけないんだろうなぁと推察しています...。
.....ということでスパーギア潰し(圧入)は難しいものと判断し、僕はこれを諦めました。
しかし!世の中には「偶然」という言葉があるように、数撃っていけば当たりが出来上がるかもしれません。
幸い、スパーギアはAOパーツで別売りもしています。
(1袋10個入りでだいたい200円)
根気よく潰していけばいいのかもしれませんが...興味のある方は是非ともお試し下さい。
まあ僕も気が向いた時は、暇なときにスパーギアを買い集めてコツコツ潰してみようかなと思います。
今回は在庫が尽きてしまったので、一旦諦めます。
長くなりましたが、最後にもう一つ。
今度はカウンターギアの中を削ってベアリングを圧入し、シャフトとの摩擦抵抗を限りなく減らしてみようと思います。
これは巷ではカウンターギアのフローティング化と呼ばれているそうです。
実際にカウンターギアを手で押さえてドリルで穴を拡張しようにも、ギアが揺れてしまったり、真っ直ぐ穴を開けられなかったり、途中でギアが割れてしまったりと、なかなか上手くできません...。
そこで...
普段は使うことのない、4:1ギアを抑えに使ってみました。
背面の出っ張りを適当に削り...
木の板にネジ釘で打ち付け、同じものを3つ揃えて画像のよう均等に並べます。
(青ギアは回転できないよにします)
中央に穴を開けたいカウンターギアをセットします。
これでドリルで穴を拡張する際、カウンターギアが揺れ動くことはなく、しっかり押えてくれます。
ドリルが真っ直ぐ垂直に向くよう、6mmアルミスペーサーを用意。
(ホームセンターで100円程度)
スペーサーを上にのせれば...これでセット完了。
5.9mmドリルを用意し、慎重に少しずつ少しずつ削っていきます。
(幅のある620ベアリングを圧入してみようと思ってます)
どうでしょうか...割とキレイに開けられたんじゃないかと思います。
このやり方、ギアをしっかり押えてできるので割とおススメです。
穴の中を少しずつヤスリで削り合わせ、直径6mmの620ベアリングを...圧入!
これでフローティングギアの完成です!
2mmシャフトを通し、シャーシに設置します。
位置出しに使うものとして、表には3mmアルミスペーサーを1つ...
裏側には1.5mmアルミスペーサー1つと、小ワッシャー2枚(リア側だと1枚)でしっかり固定することができます。
フローティングギア...これにはかなりの期待です...!
いざ、回転してみると.....!!
ギャギャギャギャギャ
ガーン(゚д゚;)
すみません、これだけ引っ張ってで申し訳ないのですが、上手くいきませんでした....orz
これも先ほどのスパーギア潰しと一緒の理由で、正確な加工ができていなかったようです...。
手作りで加工するのは本当に難しいなぁと痛感しました...。
やってみて分かったこと(まとめ)
・スパーギアの固定にハトメは微妙だった
・ピニオンギアとゴムパイプを使ってスパーギアを固定してみたら、静かになって速度も上がった
・スパーギア、カウンターギアの穴の加工は手作業では限界がある。
寸分狂わぬ工作機械が必要かも...
いかがでしたでしょうか。結局、半分以上が失敗談...^^;
妥協だったかもしれませんけど、
ジャーーーーー
(シャーーーー)
ピニオンギアとゴムパイプを使ってスパーギアを抑えることで、本当に随分静かになりました!
実際にタイムも100m走で1秒以上伸びました!
ベストではないかもしれませんけど、ベターなものは出来たと思いますので、どうぞご参考頂けましたら幸いです。
本当に長々すみませんでした。
ここまでお読み下さり、ありがとうございます。
いえ...まだまだ終わりませんよ....。
次回もまた、別の改造で速度アップをやっていきます。
おわり
たま~にポチっとお願いします!
改造するごとにタイムが更新されていくさまは見ていて爽快感がありますね。
スパーギアの固定ですが自分はシャフトに瞬間接着剤を薄く塗り、シャフトを太らせてスパーギアの六角と密着させてます。
どのやり方にも言えますが、シャーシとホイールの隙間の分だけスパーギアも左右に動きシャーシと接触して摩擦抵抗が大きくなります。
なのでスパーギアとシャーシが接触しないようホイールの装着もシビアになってきます。
ミニ四駆はとことん奥が深くて面白いですね。
次回作にも期待しています。
僕も同年代の通りすがりさんと似たような意見でシャフトに接着剤を塗ってみては?と思いました。
まぁ僕の場合はシャフトを太らせるのではなく、位置決めした後に接着剤で固めてしまえばと思ってみたんですが、シャフトとギアが一体化すると非常に整備性が悪くなりますね(笑)
そういえば、唯一の走らせる場所だったコジマがコース撤去しちゃって非常に困ってます(´;ω;`)
まぁこのご時世ですから仕方ないっちゃ仕方ないんですけどね〜。
給付される10万円でコース買ってしまいそうです(笑)
いろいろな検証をされていて、なるほどと思うことがいっぱいあって参考になりますよ。
私もスパーギヤにハトメを使ってましたが今回の記事と同じように作ってみました。まだ後輪だけですが明日にでも前輪を外して作り換えてみます。
これからも記事を楽しみにしています。
いつもコメントありがとうございます!お返事遅くなりすみませんでした。
シャフトを太らせる!!その手がありましたか~~!!!
いや、接着剤で固定っていうのは僕も考えたことはあったのですが、
接着剤でくっつけちゃうとスパーギヤが取れなくなるし...と思い、選択肢から除外しておりました。
ギヤのブレは、ギヤをどうにかして...とばかり思っていたので、シャフトを太くするっていうのは正直盲点でした><
すみません、そのネタ、ちょっと使わせて下さい!!次それやります!!
シャーシとホイールの隙間も気にしております。ほんの少し開けているだけ...にしているんですけど、これもテクニック?がいくつかあるようですね...。またこのことも記事にできればいいなぁと思っております。
接着剤アイディア、ありがとうございます!!
いつもコメントありがとうございます!お返事遅くなりすみませんでした。
同年代の通りすがりさんへのお返事に書かせてもらったことと重複してしまいますが、僕も接着剤は考えていたんですけど、おっしゃる通り、整備性の悪さを予想してやらなかったんですよ。でもシャフトを太らせるっていうのは、思いつきませんでした。これなら整備し易いかもしれません...!!次回検証してみようと思っております!
コジマ電機マジですか...最近行ってなかったので知りませんでした(汗)
このパオさんのコメントを見て僕も自宅近くのコジマさんを調べてみたら...本当だ!撤去になってました!まあこればっかりは仕方ありませんね><
3レーンのホームコースは何度も走らせていると物足りなく感じてしまうんですけど、改造の検証(電圧を揃えて)にはとても役に立ちます!給付金での購入いいと思いますw経済も回していかないといけませんからね。是非ともww
初めまして!コメントありがとうございます!参考になるとおっしゃって頂けて、とても嬉しいです!!!
スパーギアの固定も自信をもっておススメします!本当に静かになると思います!...が、しかし!
こちらのコメント欄、同年代の通りすがりさんよりシャフトを太らして...という新たな手法をご紹介頂きました。
どちらがいいのかまだわかっておりません><近日中に記事にしようと思っておりますので、そちらもご参考頂ければ幸いです。
もしもシャフト太らせてのほうが良かった時は、せっかくマネして頂いているのに...どうぞご容赦を!><
ロングさんに採用されたら細かいタイムとって検証してくれる!と言うこちらの思惑でもありますw
シャフトを太らせるのですが、シャフト中央に瞬着を一滴垂らしシャフトを指で回転させながパーツの袋のビニールなどで拭き取る感じでやってます。
太らせたところは軸受けも通らないので、組み立て順番が変わるので少しめんどくさいです。
うまくいけばスパーギヤの左右位置の固定だけでなく、ギヤの中心での固定ができると思います。
承知しました!同じように再現してみます!
はい、細かくタイムも取ってみます!w