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にざかな酒店

ブラッディスト二章二話

二話目ですー。あれ、以外とこれ展開早い…?
連休もあるしぱっぱか進めるでーという感じです。ではどうぞ。
「で、私を殺すオファーってのは?」
町中ではなんなので、宿屋に行って話をしよう、ということになり。
一人一部屋とったところで何故か皆俺の部屋に来て話をすることになった。
俺の部屋に、といっても皆の部屋も同じような部屋なので、まあようはどこでもいいわけだが、まあ一応俺が寝る部屋、ということで。
エルムは気が強いのか、開口一番これである。
「兄妹?」
「そうだ。」
もとから知り合いだったらしいから、このエルムの乗りにもなれてるのかあっさりとロッドが答えた。
「そうね。逆に魔獣化したら殺すような私を憎むくらいの気持ちがあれば、長く普通でいられるかもね」
軽いため息、ぐらいにしか思えない口調だった。
「ところが、断った途端に魔獣化してな。俺を狙ってどうしようもなかった」
「―――殺したの…!?」
俺も一瞬、息をのんだ。
「どうして、そんな…」
先の言えないエルムに、俺は心の中で謝った。俺は、エルムに危害が及ぶ前にそのもとが殺されてよかった、と思ったからだ。薄情だな。
疑心暗鬼にかられて、妹を憎み、殺してほしいと言って断られた。
その心情はかなりギリギリだったはずだ。
それをおもんばかることなく、目の前のエルムの無事を喜ぶなんて。
「魔獣化の問題は、もうお前だけの問題じゃない、ということだ。俺に預けられたこの弾丸、開発費はいくらだと思う。人の敵には、人は容赦しない。バックグラウンドがどうであろうとな。言っておくが、お前は甘い」
「………だからって、勝手に」
怒気をはらんだ声で、エルムは呟いた。
「俺は、それでいいと思う」
「エルス…あんたまで」
「何も、エルムが全部背負う必要なんてない。悪いのはエルムじゃないんだから。たまたま、そういう家系に産まれたってだけだろ?それに、条件的には普通にしてれば、普通の人なんだから、全員殺さなくったっていいはずだ。違うか?」
エルムは押し黙った。
やがて、重々しく、そうね、と呟いた。
「でも、マゼンダには呼ばれてるからあわないとね。今日は疲れたから、明日にしましょ。私も頭を冷やすわ。」
「あ、ああ。今日はゆっくりお茶でものんで。マゼンダの家ってのは近いのか?」
「割と近いな。二日くらいでいけるんじゃないか?」
ほんとに近いな。
「あんたたちも、今日は早く寝なさいよ。何があるかわかんないんだから」

そうして。
朝、起きてエルムを探すと、エルムはどこにもいなかった。
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