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ネタバレ注意

知らなくて良いことも世の中にはあってだねぇ・・・

ヘルタースケルター

2015年11月16日 | Weblog
岡崎京子さんの作品で、全1巻

手塚治虫文化省を受賞。
沢尻エリカさん主演で映画化にもなりました。



主人公、りりこは今を時めく売れっ子モデル。
しかし、彼女は全身を整形で作り変えられていることを隠し、笑顔を作っていた。
体はメンテナンスを常に必要とし、次第に心も病んでいくことに。
顔がキレイでスタイルが良くても、金持ちの男との結婚は身分違いと拒否され、若い後輩からは仕事を奪われるようになり、世間からも次第に忘れられそうになっていく。
整形をしていたことをマスコミに嗅ぎつけられ、記者会見を行うことになるがその会見の直前、自分の眼球を楽屋の床に捨てたまま失踪。
5年後、メキシコで見世物小屋のようなクラブでショウガールとして、りりこが座っていた。



読後感は正直よくありません。
話題作だったので読んだけど、読まなきゃよかったかも?という気持ちも正直ありました。
ちなみに、映画版は見てません。なので、マンガの原作の感想です。

りりこの数奇な人生として表現され、彼女が主役のようですが、実は検事の麻田と美容整形外科医の女医が主役なのかな?って感じがします。
女性の美を追求しすぎて、美を求める女性を自分の実験台のモルモットのように扱っていた女医。
そして、その女医が行っている不法行為を暴こうとする検事。
この二人の思いや行動に翻弄されて、人生をボロボロにされたりりこ。
りりこを作るように指導し、管理していた事務所の女性社長もまた加害者。
そして、りりこに憧れ不法クリニックの門を叩き、ボロボロになり自殺をする女性たち。

美容整形という難しいテーマが土台にあって、正直主役は誰でも良い。
りりこじゃなくても、検事でも女医でも、女性社長でも、自殺を選んだ女性たちでも。
そして、りりこのマネージャーでも。
最近よくあるスピンオフ作品のように、誰が主役でも面白い作品になるはずです。
それぞれの観点で見えるものが違うので。

面白いといえば面白いです。
ただ、重く難しすぎて娯楽としてのマンガでは決してないとだけ。

お勧めは・・・したいような、したくないような。

グロではないですが、作者の絵自体がそんな感じもあるし、リアルな描写ではないですが、結構キワドイシーンもあります。
性的な表現も激しいです。
少女マンガしか見てない人には刺激が強いかも。
私はちょっと胸焼けがする感じです。



★★☆☆☆