水戸華之介&3-10Chain
「溢れる人々2018」
名古屋 ell.SIZE 2018.6.23
アンジーのメジャーデビューアルバム、
「溢れる人々」を30年後に丸ごと再現。
何その楽しそうな試み。
見に行くしかないじゃない。つうか、
どうせ試みなくても見に行くんですけどね!
問題は、「溢れる人々」を
前もって聴き込んで来るかって話なんですけど、
聴いてきちゃうよね。
そんなクソ真面目な自分を
ちょっぴり嫌になりながら会場へ向かいました。
朝は土砂降りでしたが、
日頃の行いが無なので雨も無になりました。
「縁~ジョニーは鼻毛がヒッピースタイル」からのスタート。
よかった。
アルバムの11曲だけやって終わりだったら
どうしようかと思った。
続いて「知恵の輪」「ハーイここまで」
「芋虫ロック」「生きる」と、
先月の「不死鳥~十五夜~」の興奮を思い出す。嬉しい。
MC。
30周年という記念の年だけれども、
普段から記念日とか誕生日を意に介さない水戸ちゃん。
もともと母親が誕生日にプレゼントでなく、
現金をくれるような家庭で育ったからだそう。
水戸ちゃんのお母さんの色んなエピソードを聞くけど、面白い。
さらに出張のお土産も現金。
「どうせ食わんもん貰うより」ってことらしい。
それは…お土産の意味がないのでは?
デビュー20周年の時には
まわりから「産まれた子が二十歳ですよ?」と
言われるのを聞いても「ふーん」ぐらいにしか思わなかったけど、
産まれた子が三十歳、となると
「おじさんにさしかかっている!」という事実にいよいよ驚きが。
そしてここから「溢れる人々」へ突入。
「ほぼアレンジそのままやります。
バラードにしたりとかの
アレンジしたのはウタノコリでやるので。」
「サーカス」は詩がちょこっと変わったバージョンでした。
不死鳥DVDの八段に入ってるほう。
水戸ちゃんの歌詞はちょいちょい変わってく。
銀の腕時計とかも変わってる。
これは研究の余地がある。
「ジュージュー」は
うっちーと澄ちゃんのコーラスの再現が聴きどころ。
驚くほどしっくり。
思えば3-10自体がもう長いものね。
再来年で20周年じゃん。そりゃしっくりするわな。
「アストロボーイ、アストロガール」で、もう大盛り上がり。
この時の水戸ちゃんのお客ちゃんを見る目が
まるで孫の運動会を見てるおじいちゃんみたいに嬉しそうだった。
その結果、鶴のポーズを決めてしまう水戸ちゃん。
演ってるうちに昔のライブを思い出してのポーズだったそう。
客席が「おおぉ……!」って息を呑む感じになってて、
「目にしたら幸運に恵まれると噂の鶴様が!」感がバカ素敵だった。
ご利益のありそうな仕上がりにしてみた。
財布に入れると金運が上がりそう。
しかし当時普通に出来てた鶴のポーズの
片足立ちが辛くなってきていた水戸ちゃん。
「恭一も『胡蝶の夢』で足を上げるとこ、
もう出来んばい、と言ってたが、
それは、やらなければいいだけでは?
だって曲とは一切関係ないのだから。」
とか言いつつ、水戸ちゃんのジャンプは健在でしたよ。
ライブで聴くのは初めての曲もあって、
この試みはセカンド以降もやって欲しいな。
「溢れる人々」作るとき、
それまでの持ち歌はたくさんあったのに、
「ほとんど新曲で録って、唯一昔の曲が『笑い者』。
音源化してる中では自分史上二番めに古い曲で
19歳くらいの時に作った曲。」
「一番古い曲は18歳で書いた『星を数えて』だけど、
あれは詩を書き直してるから。」
あのYouTubeで見かけるやつですね。
「ピアノマン」。
「十代で、行けないのに酒場が舞台の詩で、
成年になったって酒飲まないくせに(笑)」
そんな理由で書き直したそうです。
「おやすみ」で泣かしたところで本編終了。
ああ!試み良かった!
曲順もまんまやって、ダレどころ無いってすごくね?
もともとの曲の並びが秀逸なのだなあ。
途中のMCでも、
「セットリストの組み方が
自分でも上手いと思っているが、
それを褒めてくれるのは澄ちゃんだけ(笑)。」
さらにMC「40周年は出来るかどうか微妙なとこで(客席「えええ…」)
平均寿命で言ったら80いくつだけど、
ロックミュージシャンの平均寿命は短いからね(笑)。」
そうだけどもー。長生きしてー。
私の居る老人介護施設に歌いに来てー。
「君らも年を重ねて、そろそろ人生が
永遠じゃ無いって事に気づき始めたろ?」
なんてせつない事を言って、
こうやって水戸ちゃんの歌を聴けるのが
残り少なくなってるという気配を出してくる。
「浅い傷」の歌詞とかもう…。
でもこれは心の準備をさせて、
私達を路頭に迷わせまいとする
水戸ちゃんの優しさ。
だけど正々堂々と路頭に迷いたいところだよ。
取り乱しまくらせてくれ。
アンコール。
「臭い事を言うよ。」と前置きして
「罪よ歌となれ」のあのフレーズを。
ああ、あの詩の君とは
我々ファンの事でもあるのだと、
もともと初めて聴いたときから好きな詩だったけど、
もっと好きになるなあ。
最近の水戸ちゃんはファンに優し過ぎ。
甘やかさないで、もっと口汚く罵ったりもしてくれ。
そして「素晴らしい僕ら」。
若い頃と違う角度で歌詞が沁みてくる。
ただそれだけで。
二度目のアンコールは「でくのぼう」。
ここでも大盛り上がり。
曲が終わりメンバーがハケて、
唯一残ったゲンショウさんが、
ドラム周辺を片付け出したので、
(Youtubeの「罪よ歌となれ」の最後みたいに)
ああもう終わりか…と
思った所でゲンショウさんが
叩き出して再びのでくのぼう。
いよいよ全員ハケたのに、舞台袖からゲンショウさんが
忍者のように走り出て叩き出してのでくのぼう。
それに他のメンバーがアワアワ出てくるところ、
すごく面白かった。
多分本当に「アワアワ」って言ってた。
うっちーは一番距離を移動しなければいけないので大変。
三度目アンコールの拍手が鳴り止まず、
客電も点かないので結構長いこと待ってたのに、
後ろから物販サイン書きスタイル(パンダメイク落とし済み)の
水戸ちゃん登場。
「ええーーーーーーーー?!(悲)」の声が上がった。
こうゆうとこは甘やかしてーーー。
大阪では3度目のアンコールがあったと聞き、
キィーとなる名古屋勢。
次は覚えてろよ!
縁~ジョニーは鼻毛がヒッピースタイル
知恵の輪
ハーイここまで
芋虫ロック
生きる
天井裏から愛を込めて
幽霊
カナリア
サーカス
ジュージュー
アストロボーイ、アストロガール
夜の行進
霧の中
わいわいわい
笑い者
おやすみ
罪よ歌となれ
素晴らしい僕ら
でくのぼう