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西風~年がら年中真っ黒け~!

1546/~”膝猫(ひざねこ)”~(´艸`*) (Evening)

👉前奏曲 作品28の15「雨だれ」 ショパン 約6分20秒

”きゃ!お父さん!お父さん!これ!これ!これなんなの??これみて!!”
と、興奮しながら私を呼ぶ娘,明子の声がして後ろを振り返ると、なんとそこには彼女の膝の上に猫が鎮座してる・・

”ねぇ!お父さん!本当これなんなの?猫って知らない人の膝に飛び乗って来る事有るの?”
 ”さぁ~あんまり聞いた事ないな・・あっ!いや・・まっ・・あった・・かも・・”

墓参りの帰りの出来事だった。娘が境内にある休憩所の御影石のベンチに腰掛けてると、何処からか一匹の野良が彼女の膝の上に突然乗って来たという。

思わず娘に ”明子、オマエなんか持ってんのか?ネコが欲しがるような食べものとか・・それにしても汚い猫だな~(苦笑)・・”

”持ってる訳ないじゃない。でも、どうしたんだろう?・・カワイイ~♪ それと、お父さん!汚い猫じゃないから!!” と、私に少しムキに言いながら、猫の体を優しく撫でてる。

"う、うん・・そうか・・そうだな・・" と、猫に顏を近づけてマジマジ見ると確かに可愛い。そんな 鎮座する"膝猫" をみて一つ思い出した事がある。あれは・・・

   ・・・・・・・・・・・・・・・


   ・・・・・・・・・・・・・・・

 "キャッ!ヒロシ!これ見て!見て!見て!ヒロシ見て!"

そうオレを呼びながら歓喜する妻を振り返ると、なんと驚いた事に、公園のベンチに座る彼女の膝の上に一匹の猫が鎮座してる。
"あれ?なんだぁ?どうしたの?その汚い猫?"

”しらないけど・・突然何処からか現れてほらこの通り。あっ!それからね!汚い猫ちゃんじゃ無いからね!!"
"わかった!わかった!へぇ~・・よく見ると可愛いな。それにしても猫って知らない人の膝の上に飛び乗るのか?"

彼女は猫を優しく撫でながら "うん。良くわからないけど私も初めて。突然で驚いてる・・ねぇ~此のまま家に連れて帰ろうか?ねっ!そうしよう!良いよね?"

"馬鹿な事言うなよ!ウチみたいな二間しかない木造ボロアパートの何処に猫飼えるんだよ?無理!第一大家さんにバレてみろ、追い出されるのが関の山だ・・連れて帰れない・・ダメだぞ!"

”わかった。やっぱりそうよね・・" と、少し悲し気な表情の妻がとても印象的だった。 
” あら!この子いつの間にか寝てるよ・・じゃさ、起きるまでもう少しこのまま此処に居ようよ。ねっ、それなら良いでしょう?"
"うん・・それなら良いよ・・(笑)・・”

・・・・・・・・・・・・・・・・

【あれは私も彼女も学校卒業して、社会人に成りたての一年にも満たない安サラリーマン時代。親の反対を押し切って家出同然で結婚したようなものだった。】


・・・・・・・・・・・・・・・・

”ねっ!お父さん~この子いつの間にか寝ちゃたよ。起きるまでもう少し此処に居ようよ♫・・”
 ”うん・・良いよ。”
”あのね、お父さん・・お母さんの事で思い出した事が有るの。母さんが入院してる時の話しなんだけど・・
”なにを?・・・”
”うん・・「あの猫ちゃん~あれからどうしたのかなぁ・・」って、何処か少し寂しそうに小さな声で、誰に言うのでもなくそう一言呟いたの。あれ何だったんだろう?・・お父さんなんか心当たり有る?”
”・・いや・・初耳だ・・知らない、何だろう?・・”

”そう、なら良いけど。お母さんネコ好きだったのかな?・・”
”かもしれないな。しかし、母さん猫が好きだなんて一言もオレに言わなかったけど・・本当は猫派だったのかも知れないな・・”
”あら!起きた!~おはよう猫ちゃん~♪~あっ!猫ちゃん何処行くの?もう帰るの?”
なんて、娘が猫にそう呼びかけたが、猫はそのまま境内奥に走り去っていた。


”さて、雨も小降りになって陽も照って来たな。そろそろ帰るぞ・・”

帰路につく車の助手席から、娘がCDを操作しながら "楽しみが一つ増えた。今度お墓参りに来る度にあの子(猫)に会えるかもしれないと思うと、なんかウキウキして凄く楽しみ~♪・・(笑)”

”そうだな。勿論タイミングもあるけど、オマエの日頃の行い次第だな・・(笑)”
”お父さん!それって私に対して失礼よ!!(笑)ねぇ~お昼は久し振りに ”更科のお蕎麦” でも食べて帰ろうよ~♪”
”そうだな。オレも腹減って来た。それでオマエ、新幹線の時間大丈夫なのか?”
”うん、大丈夫。きょうは夕方の便で帰るから。”
”そうか・・じゃ蕎麦でも食って帰ろ。あれ?このCD。オマエが持って行ってたのか?道理で探しても見当たらない筈だ・・(笑)”


【・・そうか・・妻は知ってたんだ・・内緒にしてたのに、ワタシが猫アレルギーであることを・・そうだな・・今度、墓参りで娘が帰って来た時にでも話そうか・・そう妻の「膝猫」の話(笑)】

エアコンの効いた車内には妻の好きだった懐かしい 松任谷由実のアルバム「流線形80」の“埠頭を渡る風” が静かに流れてた・・

     ちゃんちゃん~♪

今夜はこれで〆ね♬👉”埠頭を渡る風 ” 稲垣潤 & EPO 約5分30秒

皆さん!お疲れ様でした~其れじゃまたね~♪~Good night see you again~!!!(@^^)/~~~

コメント一覧(10/1 コメント投稿終了予定)

西風
ra9gaki_doさん~♪
おはようございます~♪
いつもありがとうございます~^^

今朝は蒸し暑く正に梅雨の真っただ中。
其方は天気図を見ると傘マークが開いて
おり、お天気は雨のようですね。
やはり北の大地は、夏とは言え、雨空は
寒いでしょうねえ・・ご自愛くださいね。

あっははは~いつもオチャラケUpですか
ら、偶にはこうして真面目に創作しない
とですね~うへへ~( ̄▽ ̄)

はい!本日は御訪問コメントに感謝です!
それでは!本日もよろしくです~(´艸`*)
Unknown
西風さま、こんばんは(^-^)
今日も大変お疲れ様でした。
いつも温かいリアクション
ありがとうございます。

膝猫の思い出〜しみじみ読ませて
頂きました。
私もアレルギー持ちですが薬を飲みながら
娘の好きな猫と暮らして居ます。

お嬢様との仲良しな様子にも
心が和みました(^-^)
今日もどうぞゆっくりお過ごし下さい。

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