Menton Capital's office

政府、中央銀行、そしてメディアによる我々への欺瞞

そして来る未曾有の世界規模とされる大恐慌への処方箋として

世界情勢

2010年11月22日 | Weblog
 さて相変わらず日本の株式市場は堅調ぶりを見せている。今月始めの日米金融緩和以後、市場におけるムードは悲観から楽観へと一変したようだ。そんな日経平均をチャートで見ると、現在は買われすぎの水準まで上昇している。相対性指数では80ポイントを超えている今日は、今年の3,4月時と同様の水準ということになる。記憶に新しいとは思うが、その時期の日経平均はというと、年初来高値の11400円を形成した頃であり、当時も今日同様、世界中の株式市場が天井を形成していた。
 
またアイルランドにおける信用不安の影響を短期的にも受けなかった今日の日本市場は少しばかり投機に陶酔しているのかもしれない。しかし日本の個人投資家は強かにも売りこしに転じていることが明らかになっている。では相場を引っ張っているのが外国人投資家といったところだろうか。
結局アイルランドはEUに支援されるようだが、次にスペインやポルトガルといった国がゾンビのように控えている。どうせ救済するのなら、一度にやってしまえばと思うのは筆者だけではないだろう。それが出来ないのはEUとしても資金に限界があるから、その使い用途には慎重なのだろう。それゆえに財政赤字国の救済をいつまで続けるのかは非常に興味深い。付け加えて今日のアイルランドの信用不安にて、欧州における状況は全く改善していないということが実感できたのではないだろうか。
  
筆者の見解で世界を見渡すと、もはや世界の経済情勢は明るいものではない。日米欧で見ても、個人消費の減少は顕著化し、失業率は以前として高止まりである。日本国内では政局に明確さが見えず、将来における戦略もないことから、更に状況は悪化すると見て間違いないだろう。それは何も日本だけでなく、欧米もまた然りである。どちらか言えば、欧州こそ今後本格的なデフレがもたらすリセッションに突入するにちがいない。
また頼みの新興国にも不安が根付きつつある。というのも彼らもまた投機の対象となってしまっているのだ。東南アジアの株式市場は年初来高値を日々更新していた状況はチャートを見れば、成長をアピールするものでなく単なる買われすぎであることは周知の事実だろう。
最近あまり言われなくなったBricsにおいても、今日の投機マネーが縮小し始めたら、状況は悪化する。ロシアは原油や天然ガスが下落すれば、一気に赤字に転じる。とりわけ中国において、我々はあまりにも鈍感すぎる。この中国については明日のブログで取り上げるつもりだ。

余談だが、NYダウの年初来高値は今月つけた11452ドルである。今年4月につけた日経の年初来高値と数字上では非常に近いものとなっているが。これは単なる偶然だろうか、それとも然るべきしてそうなったのか。



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