Menton Capital's office

政府、中央銀行、そしてメディアによる我々への欺瞞

そして来る未曾有の世界規模とされる大恐慌への処方箋として

長期金利の上昇

2010年11月11日 | Weblog
おやおや、日経平均は9800円台にまで持ち上げられた。ここにきて日経平均が持ち直してきたというのにも疑問がわくところであるが、世界的なブルマーケットの恩恵を受けていると言われれば終いだ。しかし昨日の上げには、なにかしら違和感を感じられたことに間違いはない。
Fedによる米ドル毀損化により、先週中頃から世界のマーケットは活況を喫したのはもはや周知の事実だ。しかし全部が全部、その恩恵を受けたかというとそうでもない。スペインの株式市場など、先週は前週よりマイナスで引けている。ここでやはり南欧の信用不安が再び懸念されはじめている証拠なのかもしれない。ユーロ建てのLiborが右肩上がりであることにも注意しておく必要があるだろう。
また株式市場の好調とは裏腹にBDI(バルチック海運指数)が低調であることも頭に入れておくべきだろう。昨日地点で9営業日連続の下落となっており、チャートで見ても下げ圧力が強まっているとは誰の目から見ても明らかではないだろうか。

今や3大高の1つである債券市場に動きが出始めた。というのも長期の米国債の金利が高まり始めたのである。つまり債券価格は下落し始めているのだ。そういえば5月のミニショック以降、この3大市場(株式市場、債券市場、そして商品市場)において、最初に買われ始めたのは日米独といった安全性の高い国債であった。それが今日、下落し始めたというのだから注意が必要だ。一番最初にあがったものが一番最初に下がるという王道であるのだ。それゆえにその下落段階は次々へ普及してくると考えることはできるだろう。 しかし見極めるにはもう少し時間が必要だ。今日のブルはあまりにも勢いついているため、下げだした時こそ注意が必要なのである。

米国内の金融機関が先週末地点で143件破綻したようだ。これは昨年1年間で破綻した140件をすでに上回ったことになる。もちろん中小の金融機関が破綻しているわけだが、その背景にあるのは住宅市況の低迷と不動産融資の焦げ付けである。株式市場が好調なだけに、我々外国人はそれほど米国の現状を見抜けないが、こういった破綻や低下しない失業率、そして民主党の大敗からして、米国経済は相当に悪化していることが理解できる。こういった本当のアメリカを世界が知った時、どうなるかのだろうか。


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