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叔父の本

2021-01-05 16:58:42 | 日記
私には叔父がいる。叔父はいつも何かを思い詰めてるように空を眺めている。

叔父が何をしている人なのか、何処に住んでるのかは誰も知らない。それは私だけではなく、父も母も誰も知らない。

叔父は度々家に来る。皆の顔を見たいからだとなにもすることなく側にいる。

決して物事を茶化すことをしない叔父は度々嘘つき呼ばわりされることもあった。

ある時ある人の話をしていたら、4年後その人は大いなる人物になると叔父は言った。皆は腹を抱えて笑いだした。何故ならその人は二年前に亡くなっていたから。

叔父はその事実に言い返す事もなく笑っていたが、寂しそうな目をしていたのを私は知っている。

そして4年後、大いなる人物にという言葉は少なからず当たった。故人が書いた生前の書物が世間を賑わしたからだ。

私はその事を伝えたが叔父はそうかと呟き空を眺めていた。

他の人達はそんな叔父を変わり者だと言って離れていくが、私には良い叔父だった。不思議さと不気味さを併せ持つ叔父が大好きだった。

そんな叔父からある日こんなことを聞かれた。

「未来ってなんだと思う?」

私はその言葉に一瞬怖さを覚えた。聞いてきた時の叔父の目がいつもと違かったから。

私は一度唾を飲み込み言い返した。

「未来って"先"でしょ?」

叔父はその言葉に笑みを浮かべ「"先"か」と呟いた。

翌日叔父は居なくなり、一冊の本が私の鞄に入っていた。

赤茶色に焼けた古そうな本は所々カビがはえてて、表紙には題名も何も書いてなかった。私はその本をペラペラとめくると一枚の紙が落ちてきた。

叔父の字だ。





―――――叔父のメモ―――――


数ある書物や文献、絵画や図式に残されるありとあらゆる過去に目を通した男は、一冊の本を書き残していた。

「全ては作られたものであり、オリジンはどこにも存在しない。唯一残されたものは曖昧な仮説だけだ。まさに、、そう         

―オリジンはパロディだ― 」

そして こうも書き綴られていた。

全ての始まりが"1"であるとするならば、それを証明するための"2"が存在しなければならない。そしてその"2"を証明するために"3"を存在させていかなければならない。そう、限りなく続く数には理由がある。

我々がいるという現実が過去の存在を証明しているのと同じに。

だが、そもそも始まりの"1"が消えてしまったら"2"は消えてしまうのだろうか。

"2"は消えることはない。

"2"がその時点で点在しているのであれば、"1"が無くても"1"は存在していたと断定できる。これは前頭で述べたのと一緒だ。

それなら"1"そのものが初めから存在していないとすれば、"2"も"3"も存在しないということになるのだろうか。


かの歴史科学文明において必ずどこかしらで合わさるがごとく一定の時期、時代にてそれ以前の情報が出てこなくなる。それはまるで"1"そのものを否定しているかのように全てを混ぜ合わせているかのように。

しかし我々には想像をするという術を持っている。

仮にそのあやふやな"1"が何かしらの理由でそうせざるを得なく隠している、もしくわやむを得ず残すことができなかったと考えることもできる。

そして我々が知る"1"は、"1"ではなく"2"もしくわ"3"であったとしたら、、、。

―省略―

そもそも"1"がなくても"常に1"は存在しているということは少なからず立証されている。

我々が見ているこの物理的原理に統合された物質は、(ここでは人体と言うが)我々が勝手にそのまま"1"と捉えているだけであり、そのものの構造は"2"や"3"の集合体でしかない。即ち物質を含む人体レベルを原始レベル、いやゲノムレベルまで下げた場合、より小さい"1"が存在していることが解っている。そしてその数は数億種にものぼる塊であり産物なのだ。そしてその中の一つが我々が思う"1"なのかもしれない。

ならばその内なる数億種のいずれかを"1"とし、その"1"を"1"のままの形で時間経過させた場合、"1"は"1"のまま留めていることができるのだろうか。

微粒子の進化経過によるものと同じに、形状を固着固定させる力はない。したがって、"1"同士の癒着もしくわ"1"同士の死滅により"1"そのものは"1"ではなくなっていく。

ならば"1"とはなんなんだ。

"1"とは"1"であるとしか言うことが出来ない。しかしその"1"は"1"であるのかという問題に対しこれが"1"だと特定することも出来ない。即ち"1"は"1"であると同時に"2"や"3"かもしれないということだ。

少なからず今の我々には確固たる"1"を立証しなおかつ"2"や"3"を証明させる術を持ち合わせてはいない。だが、それを知る方法を知らないわけではない。

―一部抜粋―

「0≧1」



――――第1章―――――
2240~ 2340

星地球で使用する言語を用いる。




――進行期――


2248年8月、アインシュタインの統一場理論が解明され、人類の夢とされていた時間軸調合交互変換システム、通称タイムトックが発表され製品化にすることに成功。

注 タイムトックとは過去に行けるタイムマシーンではなく時間軸間の並行移動を可能にした乗り物。(タイムマシーンを上下移動とするならタイムトックは横移動となる)

これに伴い人々は時間軸という概念を振り払うことになった。

w41(世界統一政治)はタイムトックの利用途に起こりえる様々な犯罪行為を取り締まるため、sss企業(シークレット システム & セキュリティ)とグルカ社(守り人)を、タイムトック使用の違法犯罪取り締まり特殊警備隊として配置した。通称S&G。

そして発売を前に議論されていたタイムトックで起こりえる経済面への対策に、wcl (world common league =世界共立連盟会)は経済及び生活面において、全統一24時間チャージを構築し、タイムトックによる経済面での低下を抑えることにした。それは時間軸間内による経済面への損害損傷を24時間以内であれば保証するというもの。即ち、何らかの理由で第三者の手により損害を被ることになった企業及び傘下または個人にたいし、そこで被むったマイナス的価値や資産は損なうことはないものとすると言うことだった。

他人のものに手を出した企業及び個人は、故意であろうとなかろうと厳密な調査のもと厳重な処罰に充てられる。時間軸間に生じるブラックテック(人工的ブラックホール)に幽閉される。

そしてこれらを含めたタイムトック利用規約は約数百にもおよび、それに一つ一つ誓約を誓い署名したものだけが利用可能となる。


2249年5月、wtl(world technology league =国際技術連盟)は、かつてのAI 技術で培った処理機脳制御盤を脳内伝達機能とipst細胞を合わせた、第三者ドール"コッピ"を発表した。(Ips細胞➕stap細胞=ipst細胞 (造語) )

コッピの説明は以下の通り

コッピとは、先天性障害の者、難病の者に用途を合わせた人型ドールであり、利用者本人の人生を作り出す目的のもと製作された。

使用方法は、脳内の中枢神経と海馬など、数ヶ所の細胞を抜き取りコッピ内にあるipst と融合させ利用者本人として活用させる。

利用中、本来味わう視覚や聴覚、味覚という五感はコッピ内にあるipst 副交換制御盤に一度蓄えられる。そして後に蓄えられたデータを使用人へと渡し返すことで当人の記憶として認識出来るようになる。

注、利用時は経験する行為のみデータとして採取する。

コッピから蓄えられた副交換制御盤と脳神経系を戻す時、利用者の混乱を抑えるため、利用時中利用者の体はほぼ仮死状態となり、利用中の生命時間は失われる。


この発表により、人生を取り戻せると期待した者達は手放しで喜んでいたが、発表から二年後生産中止となり、回収処分とされた。

その理由は、差別と偏見によるコッピへの見識もあるが、当人への負担が著しくも影響をもたらしたからだ。


2268年7月 wtl は wms(world medicine society=世界医学会)と連携し、コッピにかわるヘビを発表。

このヘビはコッピのような第三者ドールではなく、当人の内部に着床させ人工的に細胞を甦らせるという菌種細胞。主に神経系と五感認識記憶を回復させ、刺激的痛覚の誤認識を無くす働きをする。

これによりコッピでの致命的欠陥とされたデータ移送による精神及び身体へのダメージをより和らげることに成功。被験体での調査によると、98.99992%の割合で克服された。

2273年10月
wms は独自にipst をrnA(RNA=リボ核酸)とDna(DNA =デオキシリボ核酸)に原子レベルから取り組み、これまであったprp aps療法による自然治癒能力の限界値を無くすことに成功。

これにより人類学最終目標であった無病をより近づけることになった。

2290年6月

wms は美容系企業と医療系企業が提携するDrBs(Doctor × Beauty ,s)と連携し、簡易型へびを発売。

簡易型の特徴は以下の通り

簡易型へび、商品名マーリス(マーラ➕リリス)

各種部位に(仮)ジェルを塗り込むことで細胞を活性化させ、老化老廃物の撤去を目的とする美容医療薬。

塗り込まれたジェルは皮膚上皮菌から内部細胞へと菌糸をたらし、細胞因子との結合により筋肉組織体を活発化させる。そして収縮力を高めるさせることで老化する老廃物を撤去し、組織体の若返りを図った。(この時皮膚上皮菌から内部へと足らされた菌糸は蜘蛛の巣状に細胞因子に張り巡らされ、筋肉組織体へと繋がる)これにより内部はもちろん外見さえも若返ることになった。


かの天文学ターレスが言った「万物の基は水」から「細胞、細菌」のレーウェンフックにロバートフック、そして「天体回転」のコペルニクスにその後のニュートン。人類学にとって様々な偉大なる偉人達が作り出した天文学的知識と採算なる遺物は、今まさに絶頂期を迎えることになる。

しかし産み出す者がいれば死滅させる者もいる。それは人類として例外ではない。それが語り継がれなくても。


――フリーズストップ期――

2200年代は進化過程がより活発化した状態が続いていた。それは科学や医学などによる発展が著しく、コッピやヘビのような人体への功績が統一国家の未来に光を指した。そしてタイムトック。時間軸間への進行により統一時間の構築を余儀なくされたが、過去にあるタイムマシーンの時間移動とは異なったシステムには脅威を覚えたほど。それ故に人類はより高みのものとなるに違いなかった。

しかしこの進行期がより広大なものに、続けば続くほど後に停滞する過度も大きくなる。それは今まで活性化していた物事が一斉に退化するかごとく止まってしまうのだ。

それがフリーズストップ期。


2308年
タイムトックにより人類は時間さえも支配するようになったが、懸念されていた問題が浮き彫りになった。

「エメリー症候群」(人体におけるプトレマイオスの歪み=体内時間:概日リズムのズレ)=筋ジストロフィン

発症が発見されたのは2148年当時。タイムマシーンを利用した者が発症した病で、時空間磁場の影響を受けた体が数日間硬直化してしまう強直性痙攣症状(てんかん)の一つ。

そして今回発見されたのはエメリー症候群と同じ症状だが、より深刻なものだった。

「エメリー症候群―rtr B型―」はエメリー症候群とほぼ同じだが、時間軸間の磁場波動により蓄積されるG(重力)が体内細胞の壊死再生力の低下を、治癒加速度の停止を起こさせた。そしてそれにより人体骨肉の細胞は再生死を繰り返すようになり数ヵ月にわたり植物状態に近い状態になる。細胞だけが生まれ変わっていく。

この症状は、かの昔難病指定一級相当だった400万分の1で発症するhgps (ハッチソン ギルフォード プロジエリア症候群)やウェルナー症候群と類似すると議論された。

この状況を重く捉えたw41は即座にwms に依頼し病状の経緯を調べさせ、wtlには時空間磁場の調査へと向かわせた。

wms は病状の進行経緯を調べると同時に、創薬としてマーリスに着目しDrBsに協力を仰いだ。

そして出来たのが r―2(resuscitation &recovery=蘇生、再生) だ。


2312年7月

wmsはDrBsと共にマーリスの再生能力に目をつけ改良に取り組み、新たな飲薬として r ― 2を創薬。(マーリスは通常2.5gのジェル原料に対し0.0023gの菌種量を使用していたが、飲薬には約1.2倍の菌種量が使われた)

それにともないエレミー症候群―rtr B型―の病状は柔げることに成功した。

この件についてwmsはこう述べている。

塗料薬マーリスと飲薬 r―2の常用時における副作用と作用の概要。

簡易型ヘビの再生力に菌種細胞因子の強化を仰ぎ、塗料薬となるジェルをカプセル型ワクチン溶液包に変え、より体内に浸透するよう改良した。

カプセル型ワクチン溶液包で体内に取り込まれたr ―2は、血液と混じり筋組織体へと渡る。そして弱体化したrnA及びDnaに結び付くと新たなゲノム(螺旋構造)を設計し生存データを再整備し受け継いでいく。その時弱体化したrnA及び Dna はデータをr ― 2に渡すと死滅する。そしてr ― 2は新たにrnA及びDna が再生するまで代用ゲノムとして活動をしていく。

そして再生するまでの間、個人差はあるものの副作用が発症する場合も希にある。

r ― 2を投与した数日間は生存活動は著しく低下する。そのため感覚的人体認識は誤作動をおこし、幻覚を覚えることがあり、無いものを有るかのように記憶してしまう。

その理由として、0.00000492%の確率で分離型ゲノムを構築してしまうためで、これは本来一つであるはずのゲノムの隣に新しくゲノムを構築してしまうことを意味する。それは結合双生児の組織体にも似ている。

そしてwms はwtlに協力を仰ぎ、2318年
時間軸間の再調査を試み、エレミー症候群―rtr B 型―の予防策として二つの創物質を試した。

それが H➕2o と K だ。

この二種実験を含む結果は、2420年になっても発表されていない。

しかしこのH+2oとKについて独自に調査を始めたのがdic-lab(dictator labo=独裁者 研究会)だった。


2313年4月

H+2oとKを調べていくと過去に類似する病があることに行き着いたdic-lab研究員数名はタイムマシーンで年代を遡りタイムトックで流行した特定地域に降り立つことを計画した。

それは2006年アフリカ。

当時w41はまだ存在しなく、42ヶ国なる国と四つの大陸と海によって作られていた。そしてその大陸の一つであるアフリカでそれは発見された。

ザイールエヴラウィルス。俗称エヴラ

この感染症を調べていくと1976年と2006年に流行していたことが解った。そして感染経路は両方共にコウモリからの媒介であり、コウモリ―猿―人と感染していく。致死率は1976年で60%、2006年には90%前後まで上昇。特効薬となる薬は存在していない。そしてこの感染症の特異性として挙げられるのは、異様なまでの発症地域の限定だった。

これは明らかにH+2oとkに酷似しているとみた研究員らは、H+2oのサンプルを基にエヴラの試験体を調査するべく数名が別れて調査に向かった。だが、その後誰一人として戻ってくることはなかった。後に研究施設に戻ってきたのはカプセル型シャーレ一つだけだった。


2314年8月

w 41はタイムマシーンとタイムトックの個人使用を禁止することを発表。その理由として挙げられたのがdic-labによるw 41を脅かす犯罪的思惑によるものであり、個人生存権を無為に破棄にしたことだと述べ、そこで新たにe38という組織を発足し人類監視案を可決させた。それは人権保護システムを導入し全人類の人権行動管理をするためだった。(人権保護システムとは人体に組み込んだID細胞によるGPS管理)これは1968年から始まった個人ナンバー制度と同じだった。

しかし、2314年10月から2315年7月までの約一年間、e38の独善的政策に異を唱えた者達によるタイムトック籠城作戦が始まり、無造作に行き来しながら時間軸への歪みを増強していった。これに焦りを感じたw41は直ぐ様wclと協力しグルカとsssに収束させるべく武力交渉を始めさせた。何故ならブラックテックの収束圧縮を助長する恐れがあったからだ。その時kが使われたと言う。

もしそのままブラックテックを助長していたのなら、時間軸間の歪みにブラックテックそのものが無次元の入り口に次元を作り出し全てが粗削りに一つの固体として癒着していただろう。


2318年10月

e38はタイムトックの誓約にコッピ+one の使用を付け加えた。そして保護システムの暖和にも言及した。

それはあくまでも人体への影響を考えてのことだと言う。


2320年4月

兼ねてから交流を続ける地球外生命体とのコンタクトをよりスムーズ化させるべく通信機能ksc(調和器)をwtl が発案した。

wtlによるとこのkscは一つの言語プログラムの一種で、かのAR の改良型だと言う。

仕様と使用

ベルが作った耳型補聴器から姿形を変え
2153年に完成したAR(感情認識Air Read )。そのAR の改良型がkscである。

注、AR 使用時には相手とのコンタクトに数十秒のラグが発生していた。

このksc は従来の耳ではなく脳と舌に装着し互いの言語を統一させる。

これらは言葉を発する口からでる空気圧の波とそれに伴う破裂する微粒の音(周波数)の揺れを脳が感知し、その音(揺れ)を舌で表現させることで言葉として作りだせる仕組みだ。

注※人類は本来言葉を出す機能が無く音だけで会話をしていた。そのためこれは原点回帰の調でもある。

しかし難点なのは一度感知できた音を自分で発しなければ言葉として認識出来ないこと。だが、今までのロジックを組み上げる労力を鑑みればよりスムーズになったことは事実であった。

注、これは人類が言語を失った時代まで使われていた感覚過敏の特異性と絶対音感の感知脳による思考型テレパシーの一種だと言えよう。

そして対外生命体とのコンタクトとして製作されたkscは一般的ツールコンダクションとして民間活用され始めた。


2328年8月

動く化石AIシステム 「にんげん」の発掘に成功。

これは2058年にある科学者が残した本人の記録ベースをAIプログラムに取り入れた試作品であり、その当時の全ての記憶を記録化し本人の言語癖から思考癖までも残されていた。

姿形は人そのもので、皮膚や目、口といったアクセサリーも本物と比べることができないほど再現されていた。


2330年12月

ある一つのデータが取り上げられた。それは2252年のこと。

ドールコッピの回収を余儀なくされたwtl は下請け傘下のwtf(waste treatment factory =廃棄物処理)に依頼。

当時wtf は各地に出回るコッピを回収するためタイムトックを駆使し移送を行っていた。そしてあるコッピを移送していた時不自然な音を聞いたという。

何時ものように箱に入れ運んでいるとある場所で何かを発するように音が聞こえてきた。wtfの作業員は何かに触った音かと気にも止めなていかったが、それ以来何人もの作業員がその音を聞いたと話が上がった。そのためwtlは真相を確かめるため何も持たずにコッピが動きだすという場所に向かった。

しかし時空間磁場波から脳内へのアタッキングミュージックを遮断させるpiミュージック(protect intimation =安眠保護 )以外聞くことはなかった。

wtlはそのままwtfに回収の継続を求め、動きだしたと言われるコッピ数体を解析に回した。

その結果コッピ内にデータが埋め込まれていることがわかった。しかしそれは今の時代のものではなく数万年前の記録だったいう。


2332年4月

pioneer 1 (宇宙開拓士官交渉局第一支部)はマントル制御種ウランBの生殖に成功。これにより地球外星への環境をスムーズに作り替えることが出来るようになった。

2335年

「にんげん」から取り出した生殖器から生命体を発見。これにたいしwms はこう見解を述べた。

生きた生命体として発見されたのは初であり、これでゲノム出産、ゲノム出生児の歴史が覆るかもしれない。

と。


そしてここから数ページ切り取られた痕跡があり、代わりに新聞の一部が挟まっていた。何かしらのインタビュー記事ののうだった。


この歴史的文献が見つかったのは1970
年。当時ナイル川の調査に赴いた学者達が発見した。そしてこれが紀元前3000年代、古代エジプト期のものだと発表した。

これを発見した学者はこう述べている。

発見したときは驚いた。誰かが悪戯で置いたのかと思ったほどだ。なぜなら書かれていた紙が綺麗すぎたからだ。しかし何故か私は気になりその一部を切り取り調査班に年代を求めた。その結果紀元前3000から3500年代のものだいうことが解った。私はすぐに文字を解読することにしたよ。

―中略―

文字を解読するのには苦労した。何故なら今までの文字とは異なり複雑なトラップが仕掛けられていたからだ。しかし我々は難解に次ぐ難解をクリアすることができた。今後も調査は進めていくよ。


そう述べた学者達はたった一人を除いて三年後全員病死した。生き残った一人の男性は診療施設に入寮しリハビリに励んでいたが精神錯乱状態に陥り面会謝絶になった。

そして後に看護師に聞いた話だが、一度だけはっきりとした口調で話してきたという。

これが未来のことだとしたら我々がすることは一つだ。しかしこれが過去のことだとしたら私達は何をすればいいのだろう。と。


to be ....