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叔父の本 2

2021-01-06 21:29:43 | 日記


一週間振りに叔父が来た。


「叔父さん これ叔父さんのだよね これって本当なの?」

「ん?ああ、、、お前はどう思ったんだ?」

「、、、まだよくわかんない でもこれって作り物だよね?」

「はは そうだな 作り物だな」

叔父は優しい笑みを浮かべ、ゆっくりと縁側へと腰をおろした。


―――第2章――――


2400~



2420年9月

w41はウランBの生殖に成功したことを受け、これまであった歴然たる計画を実行することを決めた。

earthプラス移住プログラム

これは幾度となく計画されながらも頓挫してきたファイナルリベンジと詠われたものである。

w41の声明。

これまで我々の住む星は度重なる資源構築を主体とした生命維持装置を組み上げることで死と向き合うことなく生命を紡ぐことをしてきた。が、これまでの装置ではおよそ数十年程で崩壊の途となることが予想される。そこで我々はウランB による創成星を再計画した。

これはかつて二酸化炭素が主であった氷河期前とも言われる連鎖交転換期を自ら作り出し生命環境を切り替えるというものである。これについては火星、水星、土星と渡り検証してきた。

と。


2424年4月

火星に定住する第6期定住観測隊から、磁場脂質制御シェルキーストーンペーパーに異常なしとの連絡が入る。

定住観測隊

1961年当時、各国大陸では戦争が繰り広げられていた。それは他星探索を他国よりも優勢に事を運びたい思惑があった国がそれを隠すために行ったと言われる。だが、度重なる悪条件に他星探索を断念せざるを得なくなった優勢国は、対戦国に密約を提示し継続させようとした。

地球外生命地の共同統治。そして利権の分配。

これには対戦国も怒りを表したが、度重なる交渉により暗黙の協定と相成った。

そして長らく続いた戦争が終った1969年7月。全世界に向けて発信した他星探索A-11の功績は、様々な方面から賞賛された。しかし、このA-11は既に第3期観測隊だったことは公にされていない。


※シェルキーストーンペーパー

核マントルの高濃度放射能を封鎖する目的に作られた箱(砂に圧力をかけ紙状にしたもの)であり、多種感知機能の主動探知能力を兼ね備えた制御装置。

使用年度の一定期間を過ぎると組み込まれたrt2oによる分解構築を開始し、劣化する箇所を修復する。耐久性は約3千回、200年。


2432年8月

星地球のエネルギー核マントルの異常運動により、陸地表面が約8,4㎝上昇。それはオゾンとの距離が近づくことを意味する。(何百年と討論されていた温暖化は陸地が上昇することでオゾンとの距離が縮まり、酸素濃度が低下することによるものだという一説をとる)


2489年7月

w41はウランBの移植を検討する

しかしこの計画に警鐘を鳴らしたのがe38。e 38は核に類似したウランBの持つ危険性を訴えた。

e38の声明。

それは2086年まで遡る。

全世界各国で核原発に依存したエネルギー供給が頻繁に行われていた星は、地球温暖化及び核ウラン廃棄物の問題による世界デモが頻繁に起こるようになっていた。そこでG7及びG9は再度核原発に変わるエネルギーを模索し始めた。 

そして新たなエネルギーが見つかった


2098年4月

立造船が原発に変わる水炭素メタン(水素に二酸化炭素を反応させメタン化させる)の精製に成功。これによりウランにも劣るとも言えない強大なエネルギーを作ることが出来るようになった。


2101年3月 

各国に置かれる原発の使用を完全停止とする法案を可決し、水炭素メタンを流通させる。


2138年2月。

ファンファーレ

水炭素メタンを軸に核原発を停止してから約30年後、地中海サルガッソ沖を中心に海底火山が起こり、二ヶ月かけて世界全体陸を揺るがした。(主な被害は海からの陸地掘削)。そしてそれらにスイッチが押されるように停止していた核原発が再稼働を起こし再臨界が始まる。一説によれば、土に埋まる腐敗物質の融解が壁となる多層膜を溶かし入り込んだ結果だと言われている。

そして同年6月、人類のおよそ18%が消滅するほどの地中爆発が起こる。これは後に壮絶なる地球滅亡のファンファーレとも呼ばれることになった。

これは核による再臨界によって起こされた事故たどされていたが、e 38の調べによると、ウランBの特殊性が動かしたものだと関連すると予想された。何故ならウランBは主に捨てられる核の高レベル放射性物質に植物性炭素を復元させ微生粒子を構築生成されていたからだ。つまり腐敗物質によるガス爆発。

しかし、抜本的な答えは明らかにされていないとし、w41はe38を退けるように繰り返し宣言する。



ここから何も書かれていないページが続き次の章へと切り替わる。




━━earthプラス━━


earthプラスに送られた13体のこっぴ達は七日間の順応端正細胞の結合を待ち、星全体へと散らばった。

注 42月を一年とし一日36時間システムとした。

128年27月

マザームーアによる人為高層権を発動。それにより移住空間統制が為された。

マザームーア 

こっぴ13体による集計データを蓄積する母体。

人為高層権

ヒエアルキーによる差別化を基に住み分けをする権利であり、同一化を目的とした偏見の切除と対立比較を皆無とする平等の維持に理念を置く。



138年4月

シェルキーストーンペーパーでの制御に成功。人類生存可能環境へと切り替える。

142年8月

earth プラスに降り立った人類はまず人為高層権により13の区画に住み別けられ区画毎に違う理論の基を生活することになる。それらは争いをなくす狙いと人類の尊厳を失わせる目的があった。

※選別された人類は、主に囚人である。数にして300人ほど。(希望者も含む)


158年4月

各地にマーリスを保管する建造物を建てる。

167年8月

星地球の停止を確認すると共に技術者(dic-lab 研究員)はそのままフリーズドッグに入った。

フリーズドッグ

肉体を冷凍保存し脳機能をデータ化したのちシェルキーストーンペーパーの一部に連結させ、停止活動する星地球の監視を継続させていくことができる。




次のページにはうっすらとした文字圧の線が残っている。


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―「にんげん」―


ワタシ達人類は生命体として星に降り立つ。それは列記とした配列に取り組まれたプログラムであり、記憶を膨大に繋ぐ神経のようなもの。したがって、産まれるものに大差はない。

未来の清算を余儀なく次世代に切り替えることが、ワタシ達人類の行く末。

誰かが止めなければならない。

育む糸に絡めとられる前に。


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to be...



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