Infiltrate report（潜入レポート）Pattern １

私は今や普通のおばちゃんだが、実は様々な仕事に携わって来ている。

今から書くいくつかの仕事に於いて、警察のお世話になるようなことは
「たぶん恐らく」して来てはいないはずだが、ある意味ボーダーライン上の事くらいなら超えて来ているため、書いていいのかどうかを考えたのだが、私の人格を否定しないでいてくれるのなら是非読んで頂きたい。

信じてくれなくてもぜーんぜん構わないのだが、かつて私が体験した表だって取り沙汰されることのない世界の体験談。
バックボーンが存在し、諸事情により依頼された事なので、潜入先や請け負った企業についてはもちろん書けないのだが、今も存在している、一か八かなお仕事（笑）


ＳＭショー倶楽部へ潜入


もう１５～２０年も前になるが、お金になるなら多少のリスクがあってもダチョウ倶楽部のように身体を張っていた時代があった。
「法に引っかかること」以外ならだいたいは請け負っていた。

マニアが好む雑誌の中に素人が体験したレポートをリアルに書いて参加→高報酬がもらえるとゆう企画がいくつかあり、

「エーコちゃんなら対応できるでしょ」

と推薦されたアルバイトがキッカケとなった。

その店は現在も営業していて＜その世界＞では有名なショー倶楽部だと聞いている。

私は週末の０時過ぎに正装で入店し、だだっ広いホールの出入口近くのテーブルに上司と一緒に座った。

特に目を引く特徴などないアンティーク調の上品なメインホールだ。
２５時を回ったくらいだろうか、急に暗転になり、店内は一瞬ザワついた。
誰もが聞いた事があるだろう


「Ladies and Gentlemen !」

で始まるオープニングコールが響く。

客席の真ん中はダンススペースになっている。
正面には大きなステージもあるのだが、ホール真ん中で何かが始まる予感がし

ていた。
店中の壁に面して長～いフカフカのソファが配置されており、客は男女交互に座っている。
客である男性を全員挟むような形で、間にホステスが座っているのだが、その内の二人が立ち上がり、剥ぎ取るように自分の服を脱ぎ始めた。

二人が脱いだ身体には、女王様御用達のボンテージが付けられ、暗転時に配られたムチと仮面を手に取り、先ほど迄とは別人格に変わる。

ビッターーーンと鞭で床を叩く音に、私は思わず声が出てしまい、観客に振り返られたタイミングで音楽が変わった。

聞いた事のない甘くセクシーな曲。
徐々にボリュウムが大きくなる。

何が始まるんだろうと固まっていたら、客らしき紳士たちも一人一人服を脱ぎ始めた。

なんと！ その上半身には女性用のブラジャーを着用している。



マジか…、きぃもぉ～ 😫



６～７組いるカップルの男性は、派手目のブラジャーにビッチビチのスパッツ、今でゆうショートレギンスを履いている。

連れている女性は誰もニヤついてなどおらず平常心のままその場にとけ込んでいる。
とても妙な光景だ。

二人の女王様はスタイルが良く、小顔で背が高い。
私の席からは今いち表情まではよく見えない。
一人が突然、男性に暴言を浴びせ始めた。


「鬼畜きちく野郎～　あんたはいつも汚いんだよ、あたしの言うことを聞く前に、まずは靴からお舐め」


ひと昔前にいた芸人 にしおかすみこ さながらに抑揚をつけて命令をする。
一人は低音ボイスで髪が長い。
キツ目な美人だ。
まるで三流こ芝居を見ているかのようだった。
お決まり事なのか、次は、変態ブラジャー男が懇願をするのだ。


「マチルダさま、シーラさま、どうか私の頭を御おみ足で踏みつけて下さい」


おいおい、おーーーーい😮


なんだよ、それ。
棒読みだな、事前に打合せてるのか…。


照明が全体的にうす紫に変わった。
マチルダさまは再び罵声を浴びせながら 髭ブラジャー男をバンバン叩きのめす。
フロアの床に倒れこんだＭ男は赤ちゃんのように仰向けのまま悲鳴をあげながら喜ぶ。
その場で失禁するおっさんもいるそうだ。


きぃぃぃっしょ...😱


そんなことが、ホールの真ん中で真剣に行なわれている。
女王様は本気なのか、仕事なのか、けっこうな力で男性客を踏みつけたり、シバいたりを繰り返す。
変態男どもはだんだんと肌の色が変わってゆくので、絶対に痛いはずなのだが、本意気で喜んでいる顔がすごーく怖い...｡

四つん這いになるおっさんたちの中には女性用のパンティを付けている超ドＭ女装客もいる。
網タイツのおっさんもいるし、Ｔバックのおっさん、女王様にお尻をバンバン蹴られてムチで打たれ、オムツをしたまま気を失うおっさんもいる。

生まれて初めて見るＳＭショーに私は自然と口が開いていた。

２０分ほど、Ｍ客たちの悲鳴と女王様の罵声、ムチの音のみのショータイム。
ＢＧＭがボブ・マーリーに変わりトリップ感が極まる。
慣れない私だけが、瞬きも出来ないままずーっと固まっていた。


「んな、すげ～だろ？ お前も女王様で参加すれば？」


その場の雰囲気に触発されて、上司が半笑いで問いかける。


「な、い、い、嫌に決まってます」　


状況が飲み込めず、脳も舌も回らない。
途中から、このまま無事に帰れるのだろうかとか、あの変態ブラジャー男たちが近づいて来たらどうしようとか、回避策と、いざとなった時の殴り方の手順を考え始めていた。

いや〜でも殴ったら余計に喜ぶじゃんか…｡
痛いのが好きな ド変態集団だ。
私の力なんぞ通じないんじゃねーか　

どうすっかな…。

何度か見学している、連れの上司はニヤニヤと同調して見ているため、まったく信用できない。
怖いのか、驚いているのか自分で自分がよく分からない。
その異常な光景に陶酔・心酔する方々の気持ちを聞いてみたいのだが、潜入しているのでインタビューなどは一切出来ない。

１時間弱そんなショーを見せられたのだが、ショータイムが終わると誰も何もなかったかのように元の服を着て歓談し始める。


何なんだ、この世界は...😭


後で聞いたのだが、変態ブラジャー・ドＭ男たちは、有名企業の会長やら政治家やら大病院の院長やら...｡
別に私が知らなくてもいい世界じゃないのよぉぉぉと、
脳と目と心が汚れたような気がした。

もうもう二度と見たくない...｡
そして参加していたおっさんたちの誰にも一生会いたくない。

出会い系アプリで騙された件

去年から凝りもせずに、出会い系のアプリを利用し、気が合いそうな相手を探しているのですが、日本人はちょっと...と考え始めたので、海外のイケメンに的を絞り、ラブコールしてみたところ、な、なんと



「ワタシハ、イゼン、アナタニ、イイネ、シマシタヨ」



と、逆アプローチが届いた。
身長、年齢、年収、容姿と申し分がないのだが、職業は米軍兵士の指揮官だと言う。


「て、敵国じゃねーか、貴様...。」


うちのじーちゃんなら、きっとそう言うだろう。

多少なら会話が出来るので、英語で簡単な挨拶をしてみた。
相手はとゆうと、翻訳機を使うから日本語でも、英語でもどっちでもいいが、出来ればＬＩＮＥで会話を出来ないものかと言う。

おっと、警戒心の強い私が、会ったこともないおっさんに、やすやすと個人情報を教える訳がない。
このご時世にゃ、チャットアプリがたくさんあるんだから、それでいいじゃんか、と半ば強引に導いてみた。
チャットがつながった瞬間にその米軍兵士から、自分のプライベート写真が山のように送られて来た

なんか怖い...。

写真を異常に送ってくる行為に不信感を抱いたので、きっと存在を信用させたいんだな～ と感じた。

日々、私の写真を欲しがり、毎日毎日　「君は素敵だ、美しい、Ｉ ＬＯＶＥ ＹＯＵ」 と送って来る。

じゃかあしいわ、嘘くさいんだって、エセ軍人！！　
分かってはいるのだが、日本人にはない、そのストレートな感情表現にだんだん絆（ほだ）され始めて来た…。



それでも、まだ１０％も信用できない私は、

「アナタみたいに写真を送って来る詐欺グループに引っかかりそうになった経験があるから、ちゃんと会うまで信用できない、無理無理」


キッパリ書いて送った。
愛してるなんて簡単に言うな、安い言葉になっちまうだろうと、気持ちは嬉しいが、簡単に信じる訳ないでしょぉー
日本人をなめんなよ。
そしたらそしたら


「そうだよね、その気持ちはすごく分かるね」　

その日の米軍兵士は一旦私の言葉を引き受けてみせた。
日によって、とても強引な言い方でアプローチして来る時と、間逆なほど紳士な時との二面性を感じるようになったので、
おそらく数人が当番制で書き込みをしているのだろう。


「私は正直、あんたを何十人格にも感じている。こないだの○時に会話したアナタは好きだけどね」


そう返してみた。
マイナスな気持ちを書くと全文英語でバンバン返してくるスピードがすごくて、ちょっとビビっていたのだが、
分かった分かった、信じるよ、と返すと急に優しくなる態度が極端でちょっと面白い。

そんなこんなで約２ヶ月、私はこの、なんちゃって米兵士と毎日ありもしない私たちの将来について会話をし続けた。


「Ｏｈ～ハニーと住むために、都内に家を買うから好きな場所を選んでおいてほしい」


その言葉には正直クラっとしてしまった。
だって、広めの戸建てを恵比寿か中目黒に買いたいじゃないか。
私の半分がぴらぴら揺らぎ始めた。


それでもあんたニセモノだろ、あたしゃ結婚なんかする気はねーし 安い人間だなと送っても、まったく響かない。
何度も何度もかなり失礼な言葉を投げたのだが…。
普通、そんな女を面倒くさいとか思うものだろう。しかもお金を一度でも要求されたら完全に終わりだし、私は警察関係の仕事をしてるので、詐欺のカモになんかした日にゃあ、おお事になるぞと脅かしまくったのにぜんぜん怯まない。

相当に頭が悪いか、ものすごく強い魂で私を徹底的に引っ掛けようとしているか、実は本物かのどれかだ。

もしかしたら…このおっさん本物だったらどうしよう…とまで考え始めていた。


「今年の９月に日本に行きます。老後を是非日本で過ごしたい。１５歳の娘も後から行きます、羽田まで迎えに来て欲しい」


なんだか詳細設定が妙に生生しいのだ。
私が非常にポンコツなのは、「好きだ」とか「付き合ってほしい」を言われ慣れていないところ。
気が付けば男女の関係が仕上がっていて、その後、誰も一度も「僕と君は付き合ってるからね」とは絶対に口にしない。


「ジュッテーム」はおろか「好きです」ともなーんとも言ってもらえない
私からも気持ちを聞くわっきゃない。
なんせ、あたしは江戸っ子なんですもの。



その、愛の言葉がもらえない症候群の中年の女に、異国の兵士が毎日毎日Ｉ ＬＯＶＥ ＹＯＵと送って来る。
麻痺くらいしちゃうだろ、仕方ねーのだ
あたしもたぶん乙女なのだから (`･ω･´;)  


そこから毎日、
やっぱり信じられない、前向きに考えてみるを繰返しながらも、だんだんその青い目のおっさんと仲良くなって行った。
ちょっと気持ちが傾きかけたくらいだったか、スマホ英会話を始めた矢先に、いきなり


「パトロール中のフィールドでテロリストに膝を撃たれた！！　私の仕事は死と隣り合わせの仕事なので死んでしまうかもしれない」
「でも君に会うまで僕は絶対に死ねない、そうだ！！もう仕事を辞めて明日、日本に向かう。でも脚を撃たれてケガをしているから日本行きのチケットが買えない...」


ところが、この兵士、ここから先の肝心な文章を私に送れなくなってしまった。
私のリアクションがあまりにも早すぎて、お金の要求をする予定の英語が間に合わなかったようだ


「てめー、やっぱり正体を現したじゃねーか、詐欺野郎！！！」

「てめーのメールアドレスを辿ってアメリカ大使館に訴えてやんぞ！！！」

「脚を撃たれた～？ ストーリー設定が安すぎるんだよ、三流芸人」

「あたしは、最初からあんたなんか信じちゃあいねーんだ」「クソじじい」「偽米兵」「手口が甘めーんだよ、詐欺集団」

「てめーら何人いんだ、あ"？ どこに事務所があるんだ？ 他人の写真を勝手に使ってイカサマしやがって、このおっさんの写真からだって調べられるんだぞ、低脳ビッチ野郎、ふぁーーーーーっく」


上記の文章を日本語と英語で交互に織り交ぜバンバン止まることなく送り付けた。
何が悔しいって、ちょっとだけ喜んじゃってた恋心と、すでに英会話を始めていたマヌケな自分に、ちょー腹が立ったのだ。


別のアプリで知り合って仲良くなった男性にも、『聞いてよぉ～！！こぉんなことがあったんだから、怖いよねー 』
とメールをしたら、
逆にゲラゲラ笑われてしまった

君はさ、ＮＨＫの主役みたいなキャラだよね（笑）何かと事件が起きて、そのトラブルを楽しんでるように見えるよ。


そう言われた。
なーんだよぉぉ (TωT) 慰めの言葉をかけてよぉぉ
大真面目に大富豪と恋をしようとしているのに、なぜか毎回オチが付いて来る。
しかもニセモノだと分かっているのに、そのニセモノの、何人かいる内の誰かがちょっといい奴だと気づいてしまった。
何十行にも及ぶ罵詈雑言をゴミ袋いっぱいくらい投げつけたのに、米軍兵士のおっさんの最後の文章は、


「あなたがそんな言葉を使うとは思わなかった、私も残念だ。でもあなたがそう望むなら、私はあなたを諦める、素敵な時間をありがとう、大好きでした」と締めくくって来た。


チっ　えらく大人じゃねーか。
当然、そのアプリの管理者とチャットの管理者に速攻で通報し、警察にも行く予定だった。


が、


すっごい大変なミスに気づいてしまった！！！
私はお金を一切請求されていなーい 顔顔顔
あらま、し、し、しまったぁー！！


「チケット代をこの口座に振り込んで下さい」　
そこまで書かせないと、詐欺が成立しないじゃん かぁぁぁ


なんだよ、あたし…。
キレるの早すぎだよぉぉぉ


でも言いたいことを３０分間狂ったように投げつけたので、もう怒ってないわ。
実際に、詐欺サイト英語圏の奴らだったら、これは本当に日本の女性なのかと驚いたに違いない。
私はキレると、発する言葉が非常に汚く、下品この上ない...。
徹底的に相手の弱点に塩を擦込み続け、一生トラウマとなるような言葉を堂々と口にする。


３歳上のやたらとデカい米兵指揮官だった。
写真では、真面目なイケメンだし、話してる姿勢はジェントルマンだったぞ。
イカサマ集団に創られた詐欺じじいだったが、会話をしていた中に、会話力のある奴が、確かに一人だけいた。


「いい加減、懲りなさいよ」　← 元旦那。


そう言われても、止められな～い。
だってやっぱりなんか楽しいのよ。
たった今、サイト管理者から謝りの文章がビッチリと送られて来たぞ。


「オタクのアプリ、詐欺が多すぎ、信用失いますよ」


警察と大使館に報告するからと、辛らつに書いたので 弁明に必死なのだろう。

実は私はアプリを２社潰している。
とゆうか勝手に潰れたのだが、管理があまりに酷かったのでＴｗｉｔｔｅｒに丸ごと上げてやった。

そんなことをしても自分が情けなくなるだけなのだが、どこかで、相手とのやり取りを楽しんでいたのも事実だ。
もう一度、探すか、アメリカ人🇺🇸

このおっさんは一体誰なのだろうか…。

はじめまして。

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日々遭遇する出来事や実際に体験して来た事を小説っぽく書いています。

よかったら読んで下さいまし(^^)