高度成長期世代は良いよな。それは一面その通りなので反駁する心算は無いが、本当に一面でしかない事は理解して欲しい。正社員で生活が安定し給料が右肩上がりだった人は、どれだけ居たか。昭和45年の国勢調査に拠れば、同年の就労者7889万人の内、933万人が農業、392万人が建設業、1368万人が製造業、1005万人が小売業である。まだスーパーが浸透する前だから、大半は個人商店だろう。現代では労働者の過半を占めるサービス業は763万人でしかない。右肩上がりとは無縁の人が6割、そう推測してもらって良いだろう。公害への規制も救済制度も無い。医療も脆弱で平均寿命は69.84歳と2020年より15年も短い。小学生の頃は同学年の一人や二人は事故や病気で死んでいる。その時代が良かったのか、自分は右肩上がりの恩恵を受けられたのかを考えるべきだろう。過去への憧憬は現在の不満の裏返しである事情も理解するが、牛丼を常食してメタボで悩む幸せも噛み締めて欲しいのである。
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事
コメントを投稿するにはgooブログのログインが必要です。