どうでもいい四百字 第二中間貯蔵施設

どうでもいい四百字 2644

涸轍鮒魚と云う故事成語がある。ある日荘子が用事で出掛けていると、轍で出来た水溜まりに取り残された鮒に呼び止められ、水を貰えないかと懇願された。用事を済ませた後でなら川に放してあげようと荘子は提案したが、今すぐに水が無ければ死ぬだろうがボケ、と鮒に逆ギレされたのが由来である。これは荘子お得意の例え話で、地元の権力家に米を借りに行ったら「年貢を取り立てた後でなら幾らでも貸そう」と体よく断られた際に語ったとされる。彼が首尾よく米を借りられたのかは、遠い昔の話なので分かってはいない。ともあれそのお陰で「今や庶民は轍鮒の急ですぞ」と政府に迫って現金とマスクを給付させる事が出来たのである。減収を証明する書類と共に申告しないと貰えないと云うのはケチ臭いやり方であるが、生き長らえる人が多少なりとも増える事を祈っている。そして感染拡大前から干上がりっぱなしの私にも、多少のトリクルダウンが求められるのである。

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