どうでもいい四百字 第二中間貯蔵施設

どうでもいい四百字 3326

森林限界の手前で、まだ頂上は見えない。この少年Aは何をおっしゃりますやらである。五冠となった藤井棋士は、富士山の何合目かと云う陳腐な質問にこう切り返した。ならば残りのプロ棋士は全員樹海で遭難中になるのだが、AIの出現で将棋の在り方が一変した現状を考えると、あながち間違ってはいない。事前研究の深さが段違いであり、そのパターンをどれだけ網羅出来ているかが勝敗を左右する。言葉にするのは簡単だが、膨大な棋譜を記憶し状況に応じて引き出さねばならず、その時点で常人離れしている。それに加えての終盤力である。マトモにやり合ったら敵う相手ではなさそうであり、タイトル戦で精神力の消耗が積み重なった時に、背後から斬り付けるしか勝機は無さそうに思えてしまう。長考中に目の前で安来節を踊るのも有力だが、プロとして代償が大き過ぎるだろう。破竹の勢いは当面収まらないだろうし、その快進撃を裾野から眺めるしか出来ないのである。

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