まちるだ File

JAZZライブ、映画、お酒を愛し、そしてなぜかキャラではない”あみあみ”にはまっている私の気楽で呑気な日々の記録。

「さよなら渓谷」吉田修一

2008年09月30日 | 読書メモ
9/29

一気読みしました↓



とある団地で起こった母による幼児殺害事件をきっかけに、
隣に住む夫婦の夫に向けられた疑惑の目。
それをきっかけに浮き彫りになったのは、
その夫が学生時代に起こしたとある事件と、
この夫婦の辛く重い生き様だった。


前半は事件をひも解くミステリーみたいな雰囲気。
出てくる事件も実際話題になった最近の事件と重なる部分もあり
真相が知りたくてどんどん読み進められます。
でも本当の意味でそこに描かれているのは、事件の後の人々。
「罪と罰」や「被害者と加害者」の実情、
そして人間の業みたいなものを描いているのかと。。。

一気に読めたけど、読後感はとても重苦しかったです。
でもとてもウマいと思う。やっぱり。この人。

多分これ、そのうち映画とかドラマになるんだろうな。
そんな感じ。



といいつつこれは単純な個人の好みの問題ですが、
ミステリーちっくなものって
いくら評判良かったり話題になってたりしても、
その時は面白くて引き込まれるけど、結局何も残らない。
やっぱり大量消費型エンターテイメントなんだな、と。

こういうの読んだ後って自分でもよくわからないけど
「何かちゃんとした物を読みたい!」と思ってしまいます。
そういう意味では、吉田作品でちゃんと文学と言えるのは
コレコレみたいな、
初期の作品だけなのかも?

この路線、ずっと続くなら、どうしようかなー。
ミステリーを読むために、好きになったわけじゃないしなー。

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