家を建て替える際に道路側の擁壁を新しく造り変えることになったので、官民境界証明書をとって欲しいという依頼がありました。
この現場は道路と宅地の高低差が2メートル以上あるので、擁壁の工事をするには宅地造成等規正法により許可を受けなければいけません。その添付書類として官民境界証明書が必要ということです。
今回のように『官民境界だけ決めたい』とか『特定の隣地との境界だけ決めて欲しい』いう依頼はよくあるのですが、実際の作業としては、境界は一部分ではなく筆全体について検討していきます。ですから依頼された土地についても、団地の角地で、道路との境界以外の境界点は奥の角1点だけということもあって「この際全体を確定しませんか?」と言うと「いい機会なのでよろしくお願いします」となりました。
法務局にあった地積測量図には、昭和52年作製の街区の分筆図面と、さらに1年くらいおいて角地を2筆に分筆した図面があり、依頼地は分筆後の角地のほうです。
現地を見ると整然とした(と思われる)団地なので、心の中で『楽勝かも…』とつぶやきつつ街区の周囲を測っていくと、ほとんどの宅地の道路との境に鋲やコンクリート杭があったので、とりあえず目に付いたものは全て測って帰りました。
いつものことながら、測量の結果と地積測量図がぴったり合いますように…と願っているのですが、これがなかなかうまくいきません。
三斜による求積(三角形に分けてその底辺と高さで求積)の測量図で辺長が記載してあるところを比べていくと、宅地の間口はどこも大体合っているようですが奥行きがはっきりわかりません。やはり限界があります。
できたら依頼地を分筆する前の筆の境界を確認したいのですが、そこは今では隣地とその向こうの土地との境界です。そのうえ、どうやらその境界線に問題がありそうな話が出てきました。
隣地は1年ほど前に売買されたのですが、その時境界確定をやりかけて中途で立ち消えになったらしいのです。
団地などで宅地に高低差がある場合、下の宅地で盛土をすると石積の下端の線がずれてしまいます。一般的に高低差のある土地の境界は『石積の下端』としているところが多いのですが、長年の間には盛土をすることもあるので、石積の下を掘って確認したりします。
どうやらそれが原因かと思われるので、できたら掘ってみたいのですが、『寝た子を起こすようなまねをして隣地の所有者に迷惑がかかっては困る』と言われては、今あるデータを使って図上で検討するしかなさそうです。
依頼者は『せっかく家を建て替えて住み続けるのだから、ずっと安心して暮らせるようにしておきたい』と思って境界確定することにしたので、できるだけのことはしようと思います。
ところで、いよいよ京都で開催される『国際地籍シンポジウム』の日程が近づいてきました。
私と友人のMさんは、14日のメインシンポジウム終了後に開かれる『女性会員の交換会』に出席する予定なので、来週はそのお土産話があるかもしれません。
まだ女性会員はとても少ないのでしょうね。たくさんの女性が調査士として活躍できる日がくればいいなと思います。
まだまだ女性調査士は少ないですが、来週は『華麗なる女性調査士の会』で誘い合わせて京都の交換会に参加することにしています。
全国の女性調査士さんに会うチャンスなので、とても楽しみです。
いつも、楽しく、ブログ拝見しています。
地籍シンポジウムには、参加しますので、楽しみにしています。『女性会員の交換会』は、欠席しますが、シンポジウムには参加します。(^_^;)
実は時間の関係で、シンポジウムには参加できなくて『女性会員の交換会』だけ出ることにしています。
面白い話があったら教えてくださいね。