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本田「グループリーグ敗退も16強も一緒」

2010年06月30日 | 日記
 日本のサッカーファンの多くが、南アフリカ大会を「本田のW杯」として記憶に刻み込むのではないか。

 4試合ともフル出場した金髪のレフティーは、豪快な30メートルFKを決めたデンマーク戦を含む3試合で、国際サッカー連盟から「マン・オブ・ザ・マッチ」の表彰を受けた。

 パラグアイ戦も、本田は黄金の左足でゴールに迫った。40分には松井のパスを1タッチで狙い、延長前半には得意と反対の左サイドからのFKで強烈なシュートを放った。最前線で120分間、攻守に体を張り続け、体力をすり減らした末のPK戦でも4人目で難なく決めた。

 従来のMFではなく、不慣れな1トップのFWとして起用されたが、その位置でも十分に世界に通用することを示した。

 だが、チームは初の8強入りに届かず。そのことを人一倍悔しがった。サポーターへの一礼を済ませ、うつむき加減で足早にピッチを去ってゆく。その肩は、小刻みにふるえているように見えた。数十分後、こう言った。

 「オレの中では、グループリーグ敗退も16強も一緒という感じ。きょうは何がなんでも勝ちたかった。もっと攻めに行く姿勢を世界に見せるべきだったとも思う。オレが日本人かパラグアイ人じゃなければ、この試合は見ていない」。向上心と本音を、悪ぶった言葉で巧みに隠した。

 アクの強い個性を備えたスターは、日本サッカー界にあって、2006年に引退した中田英寿氏以来と言っていいだろう。4年後のブラジル大会の頃には、28歳。果たしてどれほどの大物になっていることか。(込山駿)



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