世羅のぼやき

競馬を中心に、日常の出来事の感想を載せていきます

ドバイの回想

2006年03月29日 20時02分42秒 | 日々の出来事・感想
さぁ、だいぶ遅れてしまいましたがJRAのビデオ情報も充実してきましたので、ドバイで行われたレースの回想をしていきたいと思います。
ドバイは最高峰のレースのひとつで、日本馬が望むビッグタイトルのひとつです。
実現が難しい欧州の大レース、英・愛ダービー・キングジョージ・凱旋門賞や、米国の三冠レース・BCに比べると挑戦馬が多く、どうしても期待させられます。
今年は手薄だった昨年のリベンジとばかり2勝を挙げられました。本当にすばらしいと思います。

ゴドルフィンマイル
理想郷の名をもらった4年連続G1勝ち馬
終わってみればそんなすばらしい馬だったんだなぁと思えてくるユートピア
ハナを切っていけば最後の直線でたれるだろうと誰もが思うところですが、ぐんぐん差をつけ圧勝。4角から直線に向かう手ごたえだと、どうかな?と思わせるんですが、残り300mくらいからは横綱相撲。盛岡のコースだと別馬のように走りますが、ドバイでも同様だったようです。
GⅡだったので5年連続GⅠ勝利とはいきませんでしたが、それに匹敵する快挙。橋口調教師もご満悦でしょう。
フォーティナイナーはダートの一線級馬をたくさん輩出した名種牡馬ですが、最近後継種牡馬に恵まれません。
後継の一番手エンドスウィープが早世し、最近期待されたコロナドズクエストも逝きました。孫であるアドマイヤムーンが最右翼かな?と思っていたところだったので、古豪が名乗りを上げたのは喜ばしいです。
母父サンデーサイレンスアドマイヤムーンより、母父ノーザンテーストのこの馬のほうが、血統的に有利でしょう。生産界からのラヴコールが起こるかどうか?
ここまで来たら、また日本のGⅠを勝ちにいってほしいですね。
狙うはかしわ記念かな?

シーマクラシック
ディープインパクトの敵役というイメージがついてしまったハーツクライ
井崎さんじゃないですが、有馬記念前の日本レコードのJCを駆け抜けたダメージは三冠馬に優るとも劣らないと考えていました。
それだけに2番どころか3番まで続いたこの快走は説明できません。
このレースでハーツクライが見せた戦法は「逃げ」
有馬で見せた「先行」よりも先を走りました。
ゆったりとしたペースをすんなりと逃げ切り、力の差を見せ付ける格好、本当に強くなっています。
この勝利で04年クラシック世代最強の名を確立するとともに、現在まで同期のダービー馬キングカメハメハが走っていたら、その差はどうなっていたんだろう?とまで思える勝利でした。
今後はキングジョージに挑戦したいとの発言も飛び出るほど。陣営の意気があがります。
ちょっと気が早いですが、この馬が種牡馬入りすることになったらどうか?
海外を含めてGⅠは2勝ながら、そう思えない実績を誇ります。
サンデーサイレンス産駒は残念ながら飽和状態で、あまり目新しさは感じられません。
しかしながら、母父トニービンという組み合わせはアドマイヤベガと同じで、同馬の産駒が活躍しているところを見ても、将来有望と言えるでしょう。
今後は海外でのディープインパクトとの再戦も考えられ、ファンにとってよだれの出るような対戦が見られるかもしれません。
そのときは見に行きたいな…

UAEダービー
3年前…
多くの人たちが夢に見たであろうクロフネによるドバイ制覇。
私にとってもそれがドバイを生で見たいと思った原点です。
残念ながら屈腱炎という病に阻まれ実現されませんでしたが、それを可能にしてくれそうな産駒が生まれました。
皮肉なものです。
ドバイ遠征が実現していたら決して生まれなかったであろう初年度産駒から大物が出るんですから。
そのフラムドパシオンですが、一級品の能力は見せられたものの、勝ち馬との現在の差は絶望的でした。世界との差を見せ付けられた格好です。
もしかて挑戦していたらクロフネも…
野暮なことは言うもんじゃないですね。でも、そう思ってしまうくらいフラムドパシオンの日本での成績はすばらしかったものですから。
その答えをしるためにも、ぜひ米国でも戦ってきて欲しいです。
米三冠へ挑戦する権利はあるはずです。是非ケンタッキーダービーだけでも見てみたいものです。
もう1頭の日本馬、南半球産の異色派ガブリンですが、先行して伸び切れませんでした。これがスピードの差でしょうか。
フサイチペガサス・母父デインヒルと血統的にはかなりトレンディ。どこで走ってもおかしくない良血です。
これからに期待したいですね。

ゴールデンシャヒーン
参加メンバー中、もっとも心配された1頭がアグネスジェダイです。
日本での戦績は悪くはないものの、世界に出すには少し引いてしまうのは確か。
それだけにこの馬の活躍如何では、国際化が一気に進むといっても過言ではありません。日本には同レベルの馬がごろごろしているわけですから。
結果は…
6着
悪くないですよ。頑張ったと思います。
しかし力の差はありありでした。
最初に鞭が入りましたし、一杯いっぱいの競馬。ごまかしのきかない電撃戦ではよほど展開が向かないと勝ち負けは苦しかったでしょう。
続く馬が来年でるかどうか?まだクエスチョンマーク?です。

デューティフリー
馬は一流ですが、もっとも不安だったレースです。
中山記念の内容から一変が期待できないハットトリックと、長期休養明けのアサクサデンエン
この馬たちが活躍したら日本の力はたいしたものです。
現実は甘くありませんでしたね。
下位を独占してしまいました。直線の長さを考えれば、もう少し頑張れたのではないかと思ってしまいます。
両馬ともに距離不適とも考えられます。お互いの適距離マイル戦で、次回の雄姿を見たいですね。

ワールドカップ
もっとも注目されたレースだと思います。
カネヒキリは近年まれに見る順調さでこのレースを迎えました。
按上も手ごたえをかんじていたのではないでしょうか。
レース展開は最高だったと思います。
武豊ジョッキーの乗り方は実に丁寧で、折り合っているように見えました。
しかし直線で置いていかれるあたり、スピードが不足していたのだろうなと思います。
日本で敵なしのスターホースが一敗地にまみれる。
何度も見てきたシーンですがショックは隠せませんね。
勝ち馬が芝レースのGⅠ馬というのもダートのスペシャリストカネヒキリ陣営としては悔しいでしょう。
でも、違った意見もあるようです。
ドバイワールドカップは、かつてJC馬シングスピールや、00年勝ち馬ドバイミレニアムのように、芝で大活躍した後、ダートで成功した例が多いというのです。
思えば今年の勝ち馬エレクトロキューショニストや03年勝ち馬ムーンバラッドはドバイで行われた前哨戦でコース適正を見せ付けています。(いずれも5馬身上の快勝)
これからは日本馬も、「ダートコースはダート馬」という常識を覆し、芝の一線級を送り出すことと、腰を落ち着けて前哨戦をドバイで行うのも一策でしょうか。
とはいえ、カネヒキリのとったローテーションも理想的だったと思います。
このローテーションでいつかワールドカップを勝てる馬が出てくれば、日本人としてこれほど嬉しいことはないですね。


長々と書いてきましたが、結果だけいえば「大健闘」の遠征だったと思います。
特に勝ち馬2頭は、正直種牡馬として微妙と思っていただけに、この勝利で自分の未来を切り開いた感があります。
負けた馬も理由があるていどはっきりしましたし、今後のレース選択に幅が出てくるでしょう。
日本の競馬界にとっても有意義な遠征だと思いました。

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