「日本はもういいかな…」年収3億円の親日家が語る、中国≪超富裕層≫が訪日を“卒業”したワケ
7/14(月) 5:32配信
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奈良で会ったときに、筆者は率直に「なぜ日本に来なくなったの? あんなにファンだったのに」と聞いた。すると「日本が変わらず好きだけど、もういいかな」と彼女は素直に答えてくれた。 なぜこうした心の変化が起こるのか。それは日本以外の国、つまり「競合」の変化によるものが大きい。 コロナ期間中、中国人は海外に行けなくなったが、安全性を証明するコードさえ提示できれば、中国国内の移動は可能だった。したがって、今まで日本や海外で観光を楽しんできた中国の富裕層や若者は、中国国内を観光するようになった。
彼らのニーズに応えようと、政府や中国観光業界は力を入れ、「文化・インフラ・静謐さ」が融合した観光地を整えてきた。今まで開発しなかった辺鄙な山奥でラグジュアリーホテルを新設、昔の文化や物語を感じられる景観が整備され、わびさびを感じられる文化の再認識が進んだことで、今まで日本でしかできなかった体験を上回るほどの体験を中国国内でもできるようになった。 中華民族の文化コンテンツの再認識と再開発が進むと同時に、中国の知識層や富裕層は観光に関する目が肥えるようになった。さらに、コロナ収束後、東南アジアや中東などは中国人観光客に来てもらえるよう、ビザの緩和やブランディング活動を積極的に行った。
そうして、今までイノベーターやアーリーマジョリティたちが夢中になった日本が、この空白を経て、彼らのブームから去っていった。 ■おもてなしの質低下も また、こうした事態に陥った原因として、日本国内において観光の量と質に物足りなさが露呈してきたという点も挙げられる。 Aさんは日本でのさまざまな旅を好んでいた。京都でプライベートガイド付きの寺院観光、熊野古道の参拝、わびさびを感じるホテル、ミシュランや食べログ百名店での食事、そして素晴らしいおもてなしを受けられる買い物。
今までは、年5回以上来日し、日本の各地で楽しんできたが、2024年に5年ぶりに日本に来たらいろいろと変わっていたと語る。 「高級ホテルやラグジュアリーブランドの店員さんは業務対応で手一杯でがっかりだし、ミスをしても平気な顔をされて不愉快」 「寺院観光をしても、お土産はどこに行っても同じもので買うものがなくなっている」 「レストランはますます予約しづらくなったけど、見た目重視のところがほとんどで味は普通になったというか、わざわざ行かなくてもいいなと思った」