◇強者を攻撃、弱者には優しく
若者言葉で「ハンパない」(ものすごい)らしい。コラムニストでタレントのマツコ・デラックスさん(42)の人気だ。この春からテレビのレギュラー番組が週に9本、CMは9本(3月時点)。「おいしい!」と発言した商品が完売となるなど今や社会現象だ。なぜ、今「マツコ」なのか。【小林祥晃】
【マツコ語録】「あの人(安倍首相)いっぺん腹が痛いかなんかで国を売り飛ばしたみたいな人よ」
「テレビで紹介されれば売れ行きは伸びますが、約1万7000の全店平均で3倍にもなるのは珍しい。ワインやサンドイッチも同2倍です。10倍以上伸びた店もある。要因はあの番組以外考えられない。マツコさんの影響力に圧倒されました」。広報担当者がそう舌を巻く。
先月25日、日本各地のセブン-イレブンで、ハンバーグやワインなど特定の商品が品切れになる店舗が続出した。そのいきさつはこうだ。
前夜の24日、TBS系のバラエティー番組「マツコの知らない世界」で、セブン-イレブンの弁当や総菜など13品をマツコさんが試食するコーナーが放送された。インターネットの投稿サイトには直後から続々「誘惑に負けてお買い上げ」などと書き込まれ、客足が伸びた。
同社は放送翌日から「マツコさんの番組で紹介されました」と書かれた札をつけた。セブン&アイ・ホールディングス(HD)によると、放送以前の1週間(3月4~10日)と放送直後の1週間を比べると、全13品の売り上げが急伸。3倍になったのは、マツコさんが「肉汁がすごい」とコメントした総菜のハンバーグだ。
歯に衣(きぬ)着せぬ発言が人気の彼女。この番組でもただ商品をヨイショしていたようには見えない。それなのになぜ?
「日本ほめる達人協会」理事長で、企業や官庁の人事研修講師も務める西村貴好さんは「自分の意見を示しながら相手の価値を認めるのは、心に響く上手な褒め方。マツコさんはそれを実践している」と絶賛し、オムライスの紹介場面を例に挙げた。卵が半熟状態なのが特徴のオムライスを前に、いきなり「実は私、トロトロ派じゃないの」と、卵を硬めに焼いた昔ながらのオムライスが好きだと宣言する。でも、ほおばりながら「これ、好きな人は好きかもね」と一言。
「決して迎合せず、でも良いところは認めるという姿勢は、信頼性を高めてくれる。我々も学べるところです」(西村さん)
マツコさんは専門学校を卒業後、ゲイ雑誌の編集者を経て、コラムやエッセーを発表するように。2005年から東京ローカルテレビ局の生放送情報番組にレギュラー出演するようになった。その後、一度見たら忘れられぬ大きな体と女装、トークの面白さに業界関係者が注目し、バラエティーでは欠かせぬ存在に。今春からレギュラー番組は3本増え、日曜以外は毎日、登場することになった。
「毒舌タレント」と呼ばれるが、単に攻撃的で皮肉たっぷりの物言いとは違う。政治家の演説を分析した著書もあるコピーライターの川上徹也さんは「マツコさんの発言をよく見ると、多くの人が何となく感じていることだったり、ものすごい正論だったりする。『毒舌』と言われるのは、世間の価値観が狭まっているからではないか」とみる。
「価値観が多様化している」と言われる現代だが、川上さんは東日本大震災以降、違った価値観でモノを言いにくくなっているという。「『この話に感動しないのはおかしい』とか『非常時にこういう行動をするのはおかしい』と強制されるような息苦しさを感じる場面が増えてきた。違う考えを表明するとバッシングされることさえある。そんな中で、思ったことを言えるマツコさんは、アンデルセン童話で『王様は裸だ!』と叫ぶ少年のような存在なのかもしれない」
マツコさんが攻撃するのは強い者や「ブランド化」されていて、ちょっとやそっとでは傷つかないものが多い。例えば「嫌いよ」と公言した東京・二子玉川は「セレブが集まる」イメージの街。一方、子供や高齢者など弱者には優しい視線を向ける。出演するイベント会場で高齢者を見かけ「誰か椅子を持ってきなさいよ」と声をかける光景は、多くの人が目にしている。
「そういう古風な価値観があるのよね」と話すのは、作家の中村うさぎさんだ。マツコさんの才能を見いだして文筆活動を勧め、「サンデー毎日」にマツコさんとの往復書簡や対談を連載する仲。中村さんは「みんなマツコに甘えているのよ」と話す。甘え?
「昔から社会には、お母さんに叱ってもらいたい、という願望がある。だから芸能界にも数々の『お母さんキャラ』が登場したよね。叱られたい気持ちの裏には『許されたい』願望もある。『ありのまま、自然体のままの私を認めてほしい』という願望。それをかなえてくれる『夢の母親』の幻想を、マツコに求めているんじゃないかな。彼女はありのまま生きてるように見えるし、見た目も肝っ玉母さんみたいだから」
なるほど。周囲との人間関係に悩んで自己嫌悪になったり、他人に合わせて自分を作ったり飾ったりして疲れている人は多い。「マツコお母さんなら私を受け入れてくれそう」と思うのも分かる気がする。彼女が「いい」と言った商品は安心できるから、みんなが飛びつく。「でも、それは甘ったれてるんだよ」と中村さんは繰り返した。
そういえば川上さんも「みんなの言いにくいことを、マツコさんが言ってくれている」と語っていた。「王様は裸だ」と少年が言い出した途端、大人たちは「そうだそうだ」と騒ぎ出す。周りの空気を読み、自分からは何も言わない大人たち……少年、マツコに甘えていないか。
社会を覆う息苦しさは変わる気配がない。マツコさんの活躍の場は、まだまだありそうだ。
<レギュラー9本>人気の秘密「マツコは夢の母親」説
引用:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150408-00000000-maiall-soci
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