中々二 君二不戀者 枚浦乃 白水郎有申尾 玉藻苅管
なかなかに 君に恋ひずは 比良の浦の 海人ならましを 玉藻刈りつつ
或本歌曰
中々尓 君尓不戀波 留牛馬浦之 海部尓有益男 珠藻苅々
或本歌曰 なかなかに 君に恋ひずは 縄の浦の 海人にあらましを 玉藻刈る刈る
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「なまじっか、あなたに恋をするくらいなら、比良の浦の、海女になって、玉藻を刈るでしょう」
或る本の歌に曰く
「なまじっか、あなたに恋をするくらいなら、縄の浦の、海女になって、玉藻を刈りつつあるでしょう」
・比良の浦:琵琶湖湖畔。滋賀県大津市(旧・滋賀県滋賀郡志賀町)
・縄の浦:兵庫県相生市金ヶ崎