万葉集ブログ・3 まんえふしふ 巻十一~巻十四

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2593 作者未詳

2007-08-31 | 巻十一 正述心緒・2
敷細 枕動而 宿不所寝 物念此夕 急明鴨

敷栲の 枕響(とよ)みて 寐(い)ねらえず 物思(ものも)ふ今夜(こよひ) 早も明けぬかも

2592 作者未詳

2007-08-30 | 巻十一 正述心緒・2
戀死 後何為 吾命 生日社 見幕欲為礼

恋死なむ 後(のち)は何せむ 我が命 生ける日にこそ 見まく欲りすれ
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「恋に死んだとして、なんになる?“我が命”生きているときこそ、きみの顔を見たいのだ」

2589 作者未詳 女歌

2007-08-27 | 巻十一 正述心緒・2
不相思 公者在良思 黒玉 夢不見 受旱宿跡

相思はず 君はあるらし ぬばたまの 夢にも見えず うけひて寝(ぬ)れど
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「私のことをなんとも思っていないあなた。“ぬばたまの”眠りについても夢にも現れない」