みゆきな日々

チワワのチェリー女の子&私・年金暮らしのジッちゃんに絶賛親孝行活躍中

歳の差恋愛 【 END 】

2011年12月28日 | インポート

                  日曜日の午前

       奈美と両親はリビングで思い思いの時を過ごしていた

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                  " ピンポ~ン "

                 『あら?誰かしら?』

         インターホンの受話器を取ったのは母親の沙紀

                 静かな日曜日の午前

   " 不誠実 "な、あの男が奈美を訪ねてくるなどと頭の片隅にもなかった

             『堀です・・・奈美さんに会わせて下さい』

          散々、最初の言葉を捜したが思い浮かばなかった

           奈美の両親のどちらかが玄関先で対応に出たら

                  それが父親ならば?

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                  殴られて当然かもだ

     母親ならば『何しにきたの?奈美はいません、帰って下さい』

                   ・・・・・・・・・・・・。

                  これは最悪の結末

               奈美を追いかけて札幌にきた

               俺にとって奈美は人生そのもの

                  手を離したのは俺だ

                もしも許してもらえるものなら

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                     巡る頭

 

 

            インターホンの受話器を持ったまま

          母親の沙紀は目の前の奈美の顔を見て

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             『堀さんが玄関まで来てるわ』

             その瞬間、奈美は立ちあがり

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                  小さく呟いた

            " 今日という日を信じてたわ "

              父親は腰を上げなかった

          自分と沙紀も同じような事があったのだ

                   学生結婚

                出来ちゃった結婚

           就職も決まらない自分が父親になる

                   将来が不安

              しかし自分も沙紀も若かった

              若さは希望と自信がもてる

            夢中で今日まできたような気がする

          奈美が1人で育てると言った時は覚悟した

              相手が誰だろうと、自分達の孫

                世間体など気にならない

                 何しても可愛いだろう

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        自分達と同じ歳で子供を作る元気な夫婦もいる

                  孫の1人や2人

   いやいや、その前に、奈美のお腹の子の父親は絶対に迎えにくる

                何故か確信していた

              とうとう、その日がやってきた

                  どんな男だ?

   ソファーから立ち上がろうとした父親を尻目に奈美は一目散に玄関に

                   『洋介・・・・』

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                奈美の意地は吹き飛び

              洋介の将来の不安や怯えは消え

          『ごめんな、臆病風に吹かれた俺を許してくれ』

         『私こそ、洋介を信じて待ってなくてごめんなさい』

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                 ちっぽけな誤解と臆病

 

          『歳の差を気にするあまり、君を失う所だった』

            『これからは、一緒に年を重ねるのよ』

            洋介の手を取り、奈美はお腹に誘導した

           『洋介の子もパパに会えて嬉しくて踊ってる』

             ほんの数分前まで沈んだ顔してた奈美

          今は親の前で赤面するほど愛の言葉を並べてる

 

           両親の視線に気づいた洋介は、慌てて挨拶

 『どうも、お騒がせしてしまい申し訳ありません、自分がお腹の子の父です』

                  自分の娘が愛した男

                『迎えにくるのが遅かったな』

                    父、良男の嫌味

                『勝手して申し訳ありません』

                   ひたすら謝る洋介

       『お父さん、洋介さんを虐めないでよ、私も悪かったの』

          手の平返すように奈美は洋介の援護に回った

                  父、良男は笑いながら

             『ホテルの予約はとってあるのかな?』

  『奈美さんに会いたい一心でホテルの予約の事はすっかり忘れて・・・』

          『まさかいきなり奈美をさらっていかないよね』

            『いえ、ビジネスホテルに泊まりますから』

  『奈美との結婚を承諾させたいなら今日はここに泊まっていきなさい』

                  親の威厳ある言葉

                  自分には持ってない

                     深い言葉

              いつか自分も、そんな親になりたい

              奈美の父親が大きく偉大に見える

              俺って、やっぱり歳くった子供だな

             暫くぶりの奈美も、少し大人びて見える

                  母になる奈美が眩しい

      母、沙紀は、深い愛が意地っ張りの奈美にしたのだと納得

           親が思うほど、子供は子供じゃないのね

                奈美と洋介は晴れて結婚

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             洋介にソックリな男の子が生まれ

                  来年は大学4年生

            卒論やら就職活動の忙しい年になる

                   18歳の歳の差

               22年目を迎えた洋介と奈美

                 奈美が老けたのか?

                  洋介が若いのか?

        そんなに歳が離れてるなんて、大抵の人は気づかない

          『 長い間、夫婦でいると、似てくるものなのよ 』

               たまにくる電話の最近の愚痴

                息子って金食い虫なのよ~

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                           めでたし!! めでたし!!

 

       (ノ⌒∇)ノ*:・'゜☆。.:END*:・'゜★゜'・:*:.。.:*:・'゜:*♪