goo blog サービス終了のお知らせ 

再・工場労働体験記

再び工場労働者になりました。

お前を「真ん中」にしてやろうか――『ムカデ人間』

2011年07月31日 | Weblog
『ムカデ人間』を観てきました。

三人の人間を四つんばいにして並べます。前の人の肛門と口を縫い合わせて結合し、ムカデ人間にします。――そんなムカデ人間づくりを夢見たマッドな博士が、誘拐してきた人間で、ムカデ人間を作ってしまうというカルト・ホラー映画。



劇場はかなり混んでいて、『ムカデ人間』に対する需要がこんなにもあるのかと驚きました。

冒頭、路肩に止めた車の中で「ムカデ犬」の写真を見ながら、涙ぐむ博士。マイ・ラブリー・ドッグスは結合手術に成功したものの、命を落としてしまったのでした。このシーンだけで、もうこの映画の佇まいがわかるというものですが、直後、トラックが止まり、トイレットペーパーを抱えたドライバーが降りてきて、森の中へと入ってきます。その後をライフルを抱えた博士が追います。ファーストシーンは、「ムカデ犬」で涙ぐむ博士からの、おっさんの野グソです。

実に奇抜な発想で、イカれた映画を作りたいという製作者の意気込みがよく伺える作品です。この手の映画の定石を丁寧に抑えた堅い作り……といいたいところなのですが、正直なところ、ちょっと肩透かしをくらった部分もありました。

最初に女性二人が博士宅を訪ねてきた時から、すでに博士は不気味で怖い感じでしたが、ここは、最初は親切ないい人で~っていうのが定石のような気もします。

それよりも冷めたのが、警察ですね。警察が助けてくれる……かと思いきや、警察が助けにならなくて、絶望~ってのが定石ではないですかね?

まー些細なことかもしれませんし、全然定石でも何でもないかもしれませんが、私としては手堅いというほど手堅くもなく、手堅くないというほど手堅くなくもない、というような印象を受けました。

万人受けはまず無理ですが、奇抜な映画を許せる人なら一見の価値ありといったところでしょうか。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿