とっぷりと日が暮れた南京の街に俺たちを置いて、列車が走り去っていった。
南京奥体中心体育館の前に俺たちは立っている。
ファンの皆んなと楽しんだ2日間…
まさかこんな形でココに来るなんて、夢にも思わなかったな~。
「…ところで兄さん、僕たち何しにこんなとこまでやって来たの?」
「あっ、やべっ。俺話してなかったっけ?ごめん、リョウク。実はさ~、ヒチョル兄さんの忘れ物を探しにきたんだ」
「え?忘れ物??」
「そう…」
「忘れ物って何?」
今度は興味津々な顔のヘンリーが聞いてきた。
あれ?俺、ヘンリーにも話してなかった?
「マスクだよ!マスク。あのヒー様マークの入ったヤツ」
俺が説明するより先に、キュヒョンがケラケラ笑いながら話すと、ヘンリーとリョウクは “ほえ~?”って顔してた。
そうだよな…
移動から移動の毎日なのに、上海から南京に連れてこられた理由が忘れたマスクを持って帰ることなんて…
はぁ~
俺は大きなため息をついた。
「ほら、ドンヘ。ため息なんてつく暇ないぜ。すでに時計は8時を回ってるからな。タイムリミットは1時間。急ごう!」
「う…うん」
余計なこと考えてる暇無いね。
ハンギョン兄さんの言うとおり、急いで探さなきゃ。
たまたま今日は、大きなイベントも無く、開場は静まり返っていた。
ハンギョン兄さんが、すご~く無愛想な管理人のおじさんに事情を説明すると、おじさんは面倒くさそうに鍵束を渡してくれた。
「え~、おじさん。案内してくれないの?」
俺のブルゾンの裾を掴みながら、おじさんに聞こえないようにリョウクが話し掛ける。
「いや…案外その方が都合がいいかも」
何か考えがありそうなキュヒョン。
そうか~?
俺、楽屋とかもどこだか忘れちゃったんですけど。
まぁ、これだけの人数いればすぐに探し出せるよな~。
“ドンヘ、やっぱりお前頼りになるわ”
って、ヒチョル兄さんに言われてる自分を想像してニマニマしてたら、ハンギョン兄さんに、
「ほら、行くぞ」
って、頭を軽く小突かれた。
「待てよ~、主役を置いていくなんてひどいじゃないか」
「誰が主役だって?」
キュヒョンのその言葉に皆んなケタケタ笑いだした。
「じゃあ、主役のドンヘくん。まずは楽屋へ向かおうか」
ぶうたれた俺の手を取ると、重い俺の体を引っ張るようにハンギョン兄さんが前を歩く。
「ここだよな?」
「…たぶん…」
ハンギョン兄さんとチョウミが確認するように頷きあう。
ガチャリ
ドアの向こうは、たしかにあの時バタバタと行き交った場所。
「ココ!ココ!間違いないよっ。掃除のおばちゃんも見つけられないんだから~、皆んな気合い入れてよ」
超無愛想な管理人のおじさんに、俺はもちろん、
「ねぇ、1週間前くらいに黒いマスクの落し物なかった?」
って聞いたんだ。
「無いね」
そのおじさん、調べることも無く即答で俺にそう告げたんだ。
「黒いマスクなんです。真ん中に“希”って書いてあるものなんですが…メンバーがとても大切にしているもので、どうしても見つけたいんです。調べていただけませんか?」
いや…チョウミ、今俺も同じこと聞いたじゃん。
おじさん探す気ないって。
「…そうだね…ちょっと待ってろ」
管理人のおじさんはそう言ってそそくさとキャビネットを開け始めた。
なんだよ…おじさん。
「残念だがココには届いてないよ」
「そうですか…探していただいてありがとうございました」
得意の乙男スマイルをぶちかますチョウミ。
そうかよ…俺もそのスマイルを習えばいいって訳ね…
作業開始20分経過…
あらゆる所を探しまわったけどまったくマスクの気配なんて無い。
ホントにあるのかよ~って顔のキュヒョンに俺は、
「悪いな…いつもさ、キュヒョンには感謝してるんだ」
って、チョウミばりのスマイルをくれてやった。
「兄さん…キモイ…」
「な…なんだとぉ~~~」
「兄さん~、やめて~~~」
俺を抑えるリョウクとヘンリー。
ケラケラ笑うキュヒョンをコラって叱るチョウミ。
「ドンヘ、遊ぶなよっ。どう考えてもここじゃなさそうだから、ヒチョルに電話してどの部屋を歩いたのか聞くんだ」
「…うん。兄さん」
ハンギョン兄さんの肩越しにキュヒョンにベーっと舌を出すと、そのまま向き直っておもむろに携帯を取り出した。
「…あっ、ヒチョル兄さん。今さ南京に来てるんだけど、あの時の楽屋の中を隅々まで探したんだけど、マスクが無いんだ。兄さんさ~、どこか他に心当たりとかない?」
「おお。ドンヘ頑張ってくれてるんだな。ありがと~CHU」
うわっ、電話越しにKISSされちゃった。
「いや…それより兄さん、あの時楽屋以外に行ったとことかない?」
「うん………どこか……あっ、思い出した!楽屋の隣にトイレがあるだろ。そこを右に行くとまた小さな楽屋があるんだ。そこに行った」
「うんと…トイレを過ぎて右ね」
「そう。そこにさ~俺連れ込まれたんだよね~」
「えっ?つ…連れ込まれた????」
何それ?だ…誰が兄さんを!
そんな勇気があるヤツの顔を拝みたいよ。
「そう~。ハンギョンがさ~。あの時、コンサートではファンの手前KISSした振りしたじゃん。でも振りだけじゃ満足しなかったんだよね。コンサート終わってすぐにそこに連れていかれて、ぶちゅーって。舌絡めてたら止まんなくなって、ハンギョンの手がゆっくりと俺の服ん中入ってきて…」
「わぁぁぁぁぁぁっ、わぁぁぁぁっ、もうイイ。わかったから~~」
兄さんたちが仲イイの知ってたけど、やっぱリアルにそんなこと聞くと俺までドキドキしちゃって変な気分になる…
俺ってやっぱりお子ちゃまなのかな…
「何だって?」
俺たちの会話を聞こうとハンギョン兄さんが俺の顔に頬を寄せてきた。
「あっ、えっと大体わかったから次探そうよ」
急いで俺は携帯を折りたたむとジーンズに突っ込んで楽屋を出ようとした。
「ドンヘ、待てよ」
ハンギョン兄さんは俺の手を掴むと振りはらわれないようにしっかりと握りしめた。
「ドンヘ、ヒチョルはどこに行ったって?」
「あっ、うん。トイレの右の楽屋だって」
「よし。じゃあ、まだステージの辺りもあるからさ、これから手分けして探そう。俺とドンヘがもう一つの楽屋を探すから、チョウミたちはステージを探してほしい」
「ラジャっ」
さっすがリーダーだよな…
って、つい俺見とれちゃった。
「ドンヘ、行こう~」
廊下へと歩き出したハンギョン兄さんとしっかりと繋がれたままの手が、なぜだかこそばゆい気がして戸惑っている俺。
タイムリミットまで残り35分。
出て来ても、出てこなくても、半ばどうでもいい気になっていた俺だった。
南京奥体中心体育館の前に俺たちは立っている。
ファンの皆んなと楽しんだ2日間…
まさかこんな形でココに来るなんて、夢にも思わなかったな~。
「…ところで兄さん、僕たち何しにこんなとこまでやって来たの?」
「あっ、やべっ。俺話してなかったっけ?ごめん、リョウク。実はさ~、ヒチョル兄さんの忘れ物を探しにきたんだ」
「え?忘れ物??」
「そう…」
「忘れ物って何?」
今度は興味津々な顔のヘンリーが聞いてきた。
あれ?俺、ヘンリーにも話してなかった?
「マスクだよ!マスク。あのヒー様マークの入ったヤツ」
俺が説明するより先に、キュヒョンがケラケラ笑いながら話すと、ヘンリーとリョウクは “ほえ~?”って顔してた。
そうだよな…
移動から移動の毎日なのに、上海から南京に連れてこられた理由が忘れたマスクを持って帰ることなんて…
はぁ~
俺は大きなため息をついた。
「ほら、ドンヘ。ため息なんてつく暇ないぜ。すでに時計は8時を回ってるからな。タイムリミットは1時間。急ごう!」
「う…うん」
余計なこと考えてる暇無いね。
ハンギョン兄さんの言うとおり、急いで探さなきゃ。
たまたま今日は、大きなイベントも無く、開場は静まり返っていた。
ハンギョン兄さんが、すご~く無愛想な管理人のおじさんに事情を説明すると、おじさんは面倒くさそうに鍵束を渡してくれた。
「え~、おじさん。案内してくれないの?」
俺のブルゾンの裾を掴みながら、おじさんに聞こえないようにリョウクが話し掛ける。
「いや…案外その方が都合がいいかも」
何か考えがありそうなキュヒョン。
そうか~?
俺、楽屋とかもどこだか忘れちゃったんですけど。
まぁ、これだけの人数いればすぐに探し出せるよな~。
“ドンヘ、やっぱりお前頼りになるわ”
って、ヒチョル兄さんに言われてる自分を想像してニマニマしてたら、ハンギョン兄さんに、
「ほら、行くぞ」
って、頭を軽く小突かれた。
「待てよ~、主役を置いていくなんてひどいじゃないか」
「誰が主役だって?」
キュヒョンのその言葉に皆んなケタケタ笑いだした。
「じゃあ、主役のドンヘくん。まずは楽屋へ向かおうか」
ぶうたれた俺の手を取ると、重い俺の体を引っ張るようにハンギョン兄さんが前を歩く。
「ここだよな?」
「…たぶん…」
ハンギョン兄さんとチョウミが確認するように頷きあう。
ガチャリ
ドアの向こうは、たしかにあの時バタバタと行き交った場所。
「ココ!ココ!間違いないよっ。掃除のおばちゃんも見つけられないんだから~、皆んな気合い入れてよ」
超無愛想な管理人のおじさんに、俺はもちろん、
「ねぇ、1週間前くらいに黒いマスクの落し物なかった?」
って聞いたんだ。
「無いね」
そのおじさん、調べることも無く即答で俺にそう告げたんだ。
「黒いマスクなんです。真ん中に“希”って書いてあるものなんですが…メンバーがとても大切にしているもので、どうしても見つけたいんです。調べていただけませんか?」
いや…チョウミ、今俺も同じこと聞いたじゃん。
おじさん探す気ないって。
「…そうだね…ちょっと待ってろ」
管理人のおじさんはそう言ってそそくさとキャビネットを開け始めた。
なんだよ…おじさん。
「残念だがココには届いてないよ」
「そうですか…探していただいてありがとうございました」
得意の乙男スマイルをぶちかますチョウミ。
そうかよ…俺もそのスマイルを習えばいいって訳ね…
作業開始20分経過…
あらゆる所を探しまわったけどまったくマスクの気配なんて無い。
ホントにあるのかよ~って顔のキュヒョンに俺は、
「悪いな…いつもさ、キュヒョンには感謝してるんだ」
って、チョウミばりのスマイルをくれてやった。
「兄さん…キモイ…」
「な…なんだとぉ~~~」
「兄さん~、やめて~~~」
俺を抑えるリョウクとヘンリー。
ケラケラ笑うキュヒョンをコラって叱るチョウミ。
「ドンヘ、遊ぶなよっ。どう考えてもここじゃなさそうだから、ヒチョルに電話してどの部屋を歩いたのか聞くんだ」
「…うん。兄さん」
ハンギョン兄さんの肩越しにキュヒョンにベーっと舌を出すと、そのまま向き直っておもむろに携帯を取り出した。
「…あっ、ヒチョル兄さん。今さ南京に来てるんだけど、あの時の楽屋の中を隅々まで探したんだけど、マスクが無いんだ。兄さんさ~、どこか他に心当たりとかない?」
「おお。ドンヘ頑張ってくれてるんだな。ありがと~CHU」
うわっ、電話越しにKISSされちゃった。
「いや…それより兄さん、あの時楽屋以外に行ったとことかない?」
「うん………どこか……あっ、思い出した!楽屋の隣にトイレがあるだろ。そこを右に行くとまた小さな楽屋があるんだ。そこに行った」
「うんと…トイレを過ぎて右ね」
「そう。そこにさ~俺連れ込まれたんだよね~」
「えっ?つ…連れ込まれた????」
何それ?だ…誰が兄さんを!
そんな勇気があるヤツの顔を拝みたいよ。
「そう~。ハンギョンがさ~。あの時、コンサートではファンの手前KISSした振りしたじゃん。でも振りだけじゃ満足しなかったんだよね。コンサート終わってすぐにそこに連れていかれて、ぶちゅーって。舌絡めてたら止まんなくなって、ハンギョンの手がゆっくりと俺の服ん中入ってきて…」
「わぁぁぁぁぁぁっ、わぁぁぁぁっ、もうイイ。わかったから~~」
兄さんたちが仲イイの知ってたけど、やっぱリアルにそんなこと聞くと俺までドキドキしちゃって変な気分になる…
俺ってやっぱりお子ちゃまなのかな…
「何だって?」
俺たちの会話を聞こうとハンギョン兄さんが俺の顔に頬を寄せてきた。
「あっ、えっと大体わかったから次探そうよ」
急いで俺は携帯を折りたたむとジーンズに突っ込んで楽屋を出ようとした。
「ドンヘ、待てよ」
ハンギョン兄さんは俺の手を掴むと振りはらわれないようにしっかりと握りしめた。
「ドンヘ、ヒチョルはどこに行ったって?」
「あっ、うん。トイレの右の楽屋だって」
「よし。じゃあ、まだステージの辺りもあるからさ、これから手分けして探そう。俺とドンヘがもう一つの楽屋を探すから、チョウミたちはステージを探してほしい」
「ラジャっ」
さっすがリーダーだよな…
って、つい俺見とれちゃった。
「ドンヘ、行こう~」
廊下へと歩き出したハンギョン兄さんとしっかりと繋がれたままの手が、なぜだかこそばゆい気がして戸惑っている俺。
タイムリミットまで残り35分。
出て来ても、出てこなくても、半ばどうでもいい気になっていた俺だった。
返信とても嬉しかったです^^迷惑なんてとんでもないです!
スジュのこと話せる人がいないので楽しかったです♪
Mっ子ちゃんたちものすごくかわいい(>▽<)
もう萌えの固まりです(笑
ドンへあまえんぼさんでかわいすぎます…^^*
こんな弟欲しいです(-ω-*
お話の続きがすごく気になるので、いつか続きを書いていただければ嬉しいです^^
二回もコメントすみません><
お話の続きがすごく気になるので、いつか続きを書いていただければ嬉しいです^^
と一番伝えたかったことが切れていたので…^^;
Mっこの話しおもしろかったですか~?
ハンチョルの話しだとどーしても恋愛に偏ってしまうので、Mっこはついコメディ路線を狙ってしまいます(笑
そして。。。海ちゃんが激カワキャラだという。
続き頑張りますねww
またよかったら読んでくださいねー