若い頃がちょうど日本のバブルイケイケ期だった私、既視感を覚えます。
顕著なのはブルックリンですが、もう開発しつくされただろう!と思っていたマンハッタンでも
ブームが勃興中です。
それは、古い建物が長い間手入れもされずに残っている、チャイナタウンです。
スーパーマーケットではなくて、まだ私が子ども時代には残っていた八百屋さんや魚屋さん、
雑貨屋さん(というか荒物屋さんですね)、パン屋さん、駄菓子屋さんを彷彿とさせるお店の並び。
中華料理食材の乾物や漢方薬を量り売りしているお店とか、面白く懐かしい独特の雰囲気があります。
しかし。
最近の開発ブームは、中華系住民の結束が強いこのエリアにもどっかーんと押し寄せています。
以前♪チャ~イナタウンで飲茶、というテレビCMがありましたが、♪チャ~イナタウンで地上げ、と替え歌できそうなほど。
私がNYに初めて来た頃は、むしろ中華街が拡大中で、
リトルイタリーのエリアがドンドン小さくなり、イタリアンレストランの間にも中華系の物販が入り込むかんじに
なってきていたので、意外です。
今日、たまたま近くを通りかかりましたら、住民と思しき人たちが抗議運動をしていました。
以前、こちらのブログにも記事を書いた事が有る(ような気がする)、一部屋ずつ賃借する(SRO)下宿のような建物の前で
立ち退きと、建物の不具合放置に対する抗議のようでした。建物は民間所有です。
配られていたビラには「住民には赤ん坊や80代の老人もいる。10年から30年も住んでいる世帯もいるのに立ち退きは難しい」
というような内容が書いてあるようです。
しかし家賃はNYCの賃貸住宅の相場から考えると卒倒しそうなぐらい安いです。
法的には、テナントの過失ではない老朽化等による建物の不具合は大家に修理する義務があるので、
住宅部分の家賃収入だけでは、建物の修理維持をしてかつ利益が出るレベルではないでしょう。
でも住民側は、ここがなくなるとそんな低い住宅費で住めるところはチャイナタウンのどこにもないので、必死です。
CNNの記事を検索したら、立ち退き勧告は今回急にではなく、30年ぐらい前から何度か出されているようなのです。
LOCKED OUT AT 81 BOWERY: THE FIGHT FOR HOME CONTINUES
ここはかなり特殊な例かもしれませんが、最近はやたら「出租」(For Rent)の看板が多いチャイナタウン。
場所もウォールストリートや市役所から近い便利な場所にあり、今後、どう変わって行くのか興味深いです。
最新の画像もっと見る
最近の「NY-街のたてもの」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事