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事業承継コンサルタント 佐原啓泰のブログ

経営コンサルタント㈱経営支援パートナー 代表取締役の佐原啓泰が徒然と綴る

親の過保護は、後継者の不幸

2019-08-10 16:09:55 | 事業承継コンサル


「過保護」という言葉がある。

多くは、「親の過保護」という言葉で使われることが多い。

この言葉から受けるイメージは、子が何か困ったことにさらされているときに、親がしゃしゃり出てきて保護し過ぎる、というものだ。

佐原が小学校に入る前や低学年のときには、近所の同年代の悪ガキ友と塀によじ登ったり、野球をしたり、鬼ごっこをしたり、とそれこそ日が暮れて真っ暗になるまで外を駆けずり回って遊んでいた。

当然、転んで足を擦りむいてヒザから流血したり、塀の上から落ちてタンコブをつくったり、蜂の巣をつついて目の上を刺されたり・・・とみんな傷だらけになって遊んだものだ。

しかしある日、我が家の数軒隣に転校生が引っ越してきた。

近所の子たちもすぐに馴染んで遊んでいたが、時々子供ながらに違和感を感じることがあった。

例えば、石を投げあって戦争ごっこをしていた時などは、その子の母親がでてきてこう言ったのだ。

「まあ危ない! 石を人に向かってなげるなんて! 当たってケガでもしたらどうするの!」

その子は、自分たちを申し訳なさそうに後ろ目に見ながら、手を引かれて家に連れて帰られていた。

子供の目ながらに、「あれが過保護か・・・」と思った。 

そしてその後、みんなその子とは自然と距離を置くようになった。 

後で知ったことだが、どこかの大手銀行か大手保険会社のお偉いさんの家だったらしい・・・ 育ちの良いお子様だったのだろう。


子供の遊びの話だが、今になって当時のことを思い出すと、過保護ではなく自由に遊べたからこそ学べたことも多かったと実感している。

塀の上に上るとき、古そうで朽ち果てそうな塀は、最上部に手をかけてもそれが外れて落ちたこともあった。

蜂の巣をからかって突いていると、しまいには怒った蜂が襲撃してくる。 それも大体刺されるのは頭か目だ。 後年に知ったが黒い部分を襲うらしい。自然の知恵だ。

しかし、こういう痛手を全て自分一人が負担していたらたまったものではない。体ももたない。

みんなで遊んでいて、それそれが順番に痛い目を見ているから、近くで見ていても「あれをやるとヤバイことになるな・・・」と自然に学んでいたのだと思う。

そして、致命傷にならないような小さな失敗をするための経験の場でもあった。

人はいろいろなことから知識を得、実体験から知恵を得るが、最も大きな学びは「実体験の失敗から学ぶ」ことだ。

しかし、親の過保護は、その学びの機会である失敗経験を奪い取ることになってしまう

このことは、佐原もこの場で偉そうに書いているが、自分の息子に対する接し方の反省でもある。

どうやら自分は息子にこれまでに口を出し過ぎた。

だから、息子はあまり自分では物事を深く考えていないように見えたし、人付き合いや行動も消極的な人間に育った。

だから、大学に入ったときには、通学ができない距離ではなかったがアパートに下宿させた。

その方が、本人も自由気ままに伸び伸びとやるだろう。

銀行口座の残高が足りずに電気を止められたり、大学をサボって留年するかもしれない。

まあ、それらの失敗も佐原自身もしてきたし、それから学んだことも多い。

実際、大学に行ってからの息子は、自由に楽しくやっていそうだ。

有り余るほどの時間があれば、好きなことをやり尽した後に、「自分はこの有り余る時間を遊びだけにつかっていてもよいものだろうか?」と考え出したりするものだ。 するかな? してほしいな・・・(苦笑) 


こうしたことは、会社経営を行う社長とその子である後継者との関係性においても相通ずるのではないだろうか。

「あれはするな。」「これをしておけ。」 これらが過保護であり過干渉なのだろう。

親が先回りして、あれするな、これするな、と規制をかけることは、子であり後継者の大事な成長の機会である「失敗する経験」を奪い取ってしまうことになる。

会社の致命傷にならない限りは、小さな失敗経験を積ませることが大事なのだ。

「大事な息子・娘であるからこそ、失敗はさせたくない。」という親心もわかるが、そのお節介が、息子と娘のためになっていないことを十分に理解したいものだ。

「可愛い子には旅をさせよ。」とか昔から言われていることを、今一度よく噛みしめてみたい。



佐原が代表を務める → ㈱経営支援パートナー


磨いて継ぐ! 経営リファイン承継Ⓡ


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