リンパ浮腫を克服するために

リンパ浮腫治療に関する情報を発信していきます!

やっと少し書きました。

2005年06月12日 23時41分41秒 | お知らせ
リムズ徳島クリニック院長の小川です。
6月・7月と学会や講演会が多くあるため非常に忙しくなってしまいました。
しかし今日から少しずつでも内容を充実させたいと思います。
ただ、内容に少し難しい言葉が出てくるかもしれませんので、もしわかりにくければコメントを下さい。
修正を加えて、より分かりやすく充実した内容にさせたいと思います。
よろしくお願いいたします。

リンパとは?

2005年06月12日 23時38分04秒 | リンパ浮腫とは
リンパ浮腫とは?
  この病気について詳しく解説する前に、この「リンパ」とは何かについて理解していただく必要があります。
  皆さんがよく耳にする「リンパ」を含んだ言葉としては、「リンパ球」「リンパ腺がはれる」「リンパマッサージ」などいくつかあげられます。
  動脈や静脈と同じように全身にくまなく張り巡らされているリンパ管という血管があり、その中を流れている液体が「リンパ」とか「リンパ液」と呼ばれます(これから後はすべて「リンパ」で統一します)。
  心臓から送り出された血液は、動脈の中を通って全身の隅々にまで送られます。動脈の最終は毛細血管(正確には毛細動脈)になり、そこから血管の外の細胞に酸素や栄養分を送っています。
  毛細血管(正確には毛細静脈)から始まる静脈を通って血液は心臓に戻りますが、その量は動脈から送り出された量の約90%といわれています。ではその残りの約10%はどうなったのでしょうか?
  毛細動脈から一個一個の細胞のすきま(細胞間隙といいますが)にしみ出した栄養分などの血液成分は、一部毛細静脈に回収されますが、大部分はリンパ管の中に吸い込まれ、先に書いた「リンパ」になります。
  細胞のすきまには、アルブミンに代表されるタンパク成分や細胞が不要になったゴミのようなものも多く含まれていますので、リンパ管は体内の不要物をあつめて流す下水道のようなものです。
  そのほか、リンパ球・マクロファージなどの白血球も一緒に運搬されるため、体に細菌やウイルスが侵入したときには、リンパ管の中をリンパ節(いわゆるリンパ腺)に運んで処理するため、「リンパ腺が腫れた」という状態になることがあります。
  ここまでの内容をある程度理解していただくと、次のような話がわかりやすくなります。
  1. リンパ節をとるような手術をするとなぜむくみやすくなるのか?
    リンパ節を取るということは、リンパ管も切ってしまうということであり、それまで運搬していた細胞間の不要物も運搬されにくくなるということです。細胞の すきまに液状成分が多くのこったり、リンパ管の中のリンパが逆流することでむくみが始まります。これがリンパ浮腫ということになります。
  2. リンパ浮腫になった患肢は感染を起こしやすくなるのはどうしてか?
    細胞のすきまにしみ出した白血球が感染防御の役割をしているが、細菌やウイルスを殺す働きはリンパ節に運ばれてから活発になるため、リンパ管の働きが落ちている場合には感染にも弱くなります。
  今回は以上のような内容を理解してみてください。
  次回はリンパ管の構造についてお話しします。

リムズ徳島クリニック院長 小川佳宏