南柯の夢

せつなさが、愛しい

*時々「夢/小/説」が入ります。
 御嫌な方は閲覧注意して下さい

見守る

2012年02月07日 17時52分05秒 | ワ/ン/ピ/ー/ス
関西はここ2日間雨模様です、ながつきです。

以下ワ/ン/ピ妄想小話(鷹/の/目)あり。
(御嫌な方はスルー御願い致します)

今週はあと1日でバイト終了です。
仕事的にはかなりヤバイ状態なんですが、悲しいかな午前中バイトの身では出来る事も限られていまして。
かと言って息子を義実家に預けるとなると「何の為に正社員辞めたのか分からないでしょう」とお小言が・・・。
まあ今の上司が面倒臭いおっさんなので、そこまで尽くす義理も無いんですけどね。
後輩ちゃん達に申し訳ないなあと。
10日締め切りなのに間に合うかしら。
明日はかなり頑張らないと!!

さてさて。

前から書きたいなあと思っていたんですが、
話が長くなっちゃって放置してました。
でも端折って短くしたら何だかなあというものに。
お目汚しですが短いVerです。



ヒロインちゃん:海軍中将つるさんの孫娘。小さい頃から色々教えられているので船仕事や戦闘は一通り出来る。幼い頃海軍本部にいたので、海軍幹部や七武海とも旧知の仲。ガープに連れられ、ルフィ・エースがダダンの元に居た時しばらく一緒に居た事がある。


「見守る想い」


白ひげ海賊団との決戦が終わった。
白ひげは死に、奴が助けたかったポートガス・D・エースも倒れた。
麦わらは慟哭し、マリンフォードが戦いの狂気に包まれ、赤髪が全ての幕を引いた。
俺は最後までその幕引きを見る事無く、かの地を後にした。
麦わらと同じようにエースの死に衝撃を受けた彼女を、あの場に置いておきたくなかった。

そうして。
クライガナ島に戻ると招かざる客が来ていた。

一人は過去に自分との因縁を持つ男。
一人はモリアの部下だった娘。

せっかく静かに彼女を休ませてやろうと思ったが、どうやらそうもいかないようだ。
抱きかかえた彼女に目をやった二人から、彼女が誰なのかとの疑問の色を浮かべた視線が送られる。
隠しておくほどの事ではないし、彼女が起きれば自分で話すだろう。

「この娘は海軍中将つるの孫娘にしてポートガス・D・エースの幼馴染だ」
「ええ?!」
「・・・・」

そう、死んでしまったエースと幼き日を共にした娘。
自分を籠の鳥にしようとした海軍を嫌い、家出をして我が元で過ごしていた。
海軍本部への七部海召集に俺が行く時も一瞬付いて来るのを躊躇していたが、処刑される幼馴染エースへの想いが勝ったらしい。

「先の戦いではマリンフォードに居て事の一部始終を見ていた。こちらへ戻る途中に泣いたまま眠りに入って、今日で三日目だ」

マリンフォードを離れるまでは涙一つ見せなかった。
だが船に乗った途端、堰を切ったように激しく泣き叫んだ。
そして泣き疲れたのか深い眠りに落ち、いまだ目覚めずにいる。

「じゃあ、この娘はルフィとも幼馴染なのか?」

この俺を超えると言った若者が尋ねてくる。
まだ涙の跡を頬に残す彼女に視線を移す。
彼女は麦わらの行方も心配していた。

「そうらしい」

これ以上彼女を抱きかかえた不安定な状態においておくのは本意ではない。
招かれざる者達との会話をそこで終わらせ、彼女を寝室へと運んだ------。





ベッドに彼女を横たえ、側に腰掛けて乱れた髪を梳いてやる。
涙の跡を思い出し、拭いてやろうと立ち上がった。

「う・・・ん。ジュラ・・・?」
「起きたか、三日間眠っていたのだぞ」

まだ意識のはっきりしない表情で彼女は俺を見つめる。
ゆっくりと俺の言葉を頭の中で反芻して、その内容を理解したのか大きな目を更に大きくした。

「え?!そんなに寝てた??」

慌てて彼女はベッドから身を起こす。
今まで長く眠っていた状態から、急に身体を動かした所為で眩暈をおこしたのか彼女は頭を押さえて身体を丸めた。

「大丈夫なのか?」
「うん、・・・たくさん寝たら色々とスッキリした」

大きく息を吐き、記憶の整理をしているらしい。
細められた瞳に深い陰がよぎる。

「・・・ここ何処?」
「クライガナ島だ」
「帰って来てたんだね」
「ああ、呼んでもいない客が来ていたがな」
「お客さん?」
「会うか?」

彼女の気が紛れるなら、招かざる客にも価値はあるのかもしれない。
着替える彼女を部屋の前で待ち、支度を終えて出てきた彼女を連れて奴等の居る場所へと向かう。

「こいつらが招かざる客だ」

棘のある俺の言葉に二人は顔をしかめながらも自己紹介をし、彼女もまた同じく挨拶をする。

「あなたはルフィの仲間で、こちらはモリアさんの部下さん?」
「シャボンディ島でバーソロミュー・くまに飛ばされたんだ、ここに」
「私もだ。スリラーバーグに居たのに暗くてじめじめした所でバカンスしたいって言ったらくまにここに飛ばされた~」

へえ!と彼女は驚きながらも、いつもの陽だまりのような笑顔を見せた。
年齢が近いせいか、彼女は奴等とすぐに仲良くなったようだ。
共通の知り合いを話のネタにして会話が弾んでいる。
その様子を見る限り、今までと変わらないとは思うが胸に抱えた傷を思うと虚勢ではないかと勘繰ってしまう。






「大丈夫なのか?」

先ほど彼女が目覚めた時と同じ言葉をもう一度彼女に掛ける。
目覚めたてで疲れてはいけないと頃合をみて奴等から離し、彼女の部屋へと連れて帰って来ていた。
彼女はテラスから空を眺め、視線はそのままで俺の問いに答えた。

「エースは悔いのないように生きたって思う。ルフィもきっと生きているはず。だから私も頑張って生きなきゃね」

振り返った彼女は、真っ直ぐな潔い瞳をしていた。
悲しみは悲しみとしてあるのであろうが、故人の意志を継ぐ事の方が勝るのだろう。
二人の絆という関係には正直少し嫉妬する部分はあるが、今彼女の側に居るのは自分だという自負もある。
俺は彼女を抱き寄せた。

「ジュラ、ありがとう」

俺の胸の中で彼女は呟く。

「礼を言われるような事は何もしていないぞ?」
「うん、でも何だかありがとうって言いたかったから」

ぎゅ、と彼女は俺の背に回した手に力を込めた。
胸の中の愛しい小さな存在がこれ以上傷つかぬように。
ただそれだけを願った-------。

     END

大剣豪さまが別人28号で申し訳ありません~orz
過保護過ぎでしょうかね。
しかもゾロとペローナちゃんが空気過ぎる・・・。
いろいろ二人との絡みも考えてたんですがいかんせん長くなり過ぎるので断念。
今回はヒロインちゃんが赤髪さんの所へ行かずに大剣豪さんの所に居るVerでお送り致しました。

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