TVドラマ「松本喜三郎一家物語~おじいさんの台所」を鑑賞~♪♪
5月4日に関西TVで放映された2時間ドラマ「松本喜三郎一家物語~おじいさんの台所」を見ました~♪
<スタッフ>
原作 佐橋慶女「おじいさんの台所」
脚本 大石 静
企画 和田 行 中村百合子
プロデュース 土屋源次 里 雅之 斉藤あや
演出 永山耕三
<キャスト>
松本喜三郎 三國連太郎
松本夕子(三女) 安田成美
河野末子(四女) 牧瀬里穂
勝田正夫 山口智充
山田幸子 由紀さおり
松本陽子(二女) かたせ梨乃
松本暁子(長女) 高橋恵子
<あらすじ>
妻に先立たれ、4人の娘に頼ることなく余生を自らの手で生きる事を宣言した1人のおじいさんを主人公に、彼の日常生活を描いていく。
80歳にして家事などしたことがなかったおじいさんが、炊事に洗濯、掃除などを三女・夕子を中心に4人の娘達から学んで生活する。そこには頑固なおじいさんと娘達の対立もしばしばあった。
なにしろ妻に何もかも任せていたおじいさんだ。ご飯の炊き方から、掃除、洗濯まで、生活していく全てを教えなければならない。娘達の心配は尋常ではなかった。
四人姉妹それぞれの生活をオーバーラップさせながら、独身の三女・夕子を中心に、姉妹は喜三郎にいろいろ教え込む。その結果、春夏秋冬、四季を通じておじいさんの成長ぶりには笑いと涙の中に目を見張らせるものがあった。
しかし、そんな老人を見守る周りの人々は何を思い、何を感じ、考えるのか。このドラマを通し、現代の老人の置かれた環境や高齢者社会の抱えた問題点などを明るいコメディータッチで描いていく。
<ドラマの紹介>
http://www.fujitv.co.jp/ichioshi07/070504ojiisan/index.html
【感想】
「老後を1人でどう生きるか?」をテーマに描かれているだけあって、ラストは娘の問題も前向き(?)に進んで、大団円という訳でなく、喜三郎の心の寂しさとやるせなさの哀しさも私の心に残って、切ない感じのラストかも。
80歳で長年連れ添った妻を失った喜三郎---。娘からは同居を勧められたが断り、一人でずっと暮らしてきた家で生活していく事を決断する。
決めたものの、家政婦と宅配ご飯では納得がいかずに、炊事に洗濯、掃除と身の回りのことは自分ですることにする。今まで何もかもを妻に任せてきた喜三郎---三女・夕子を中心にいろいろと教えてもらうが、思ったように上手くいかずに、イライラして夕子に怒ってケンカになったり、落ち込んだりとしながら、徐々に成長していく・・・。
長女の暁子は、某石鹸会社の社長を夫に持つ。裕福な生活をしており、結婚した娘にもうすぐ子供も生まれて、順風満帆かと思いきや、息子は予備校にもいかず“ニート”となっており、悩みの種となっている。
次女の陽子は、10代に家出し、今はスペインでフラメンコダンサーとして活躍している。自由奔放に自分のやりたい事をして生きている。
三女・夕子は、未だ独身で、雑誌社に勤めるキャリアウーマン。周りの友人などが結婚して、子供が出来て・・・というのを見ながら自分の人生について考えたり。今は、今の会社よりも小さくて給料も落ちるが、やりがいのある仕事の誘いを受けるかで悩んでいる。
四女・末子は、贅沢好きな主婦。娘もいて、一見幸せそうだが、最近笑顔がない。
夫が子会社に飛ばされて、給料も少なくなり、深夜のコンビニ弁当のバイトも皆に内緒でしている。その上、夫は浮気していて、時々帰ってきたり、電話があるかの状態。マンションのローンとかがあり、金銭的にもキツイ状態。
こうした娘たちの問題もエピソードで加えながら、喜三郎の日常は進んでいく。テンポはゆっくりと進んでいく感じですが、それがまたとってもリアルで良いです。だから、心にズシッズシッとくる。
庭に桜がある---娘が生まれた時に記念として植えていたもの。嗚呼、ロマンティック(・・・って言葉はヘンかな??) 次女の陽子が生まれた時に植えた桜は、前に折れてしまっていた・・・が、陽子曰く、「私の桜は折れてしまったが、お父さんの心の中では、きっと私の桜も咲いているよ~」・・・なんて、またロマンティックな事を・・・。でも、そう思うこともいいことだよね~^^ 台風が来たときに、喜三郎と夕子の幼馴染のかっちゃんと暁子のニートの息子の3人で枝が折れないように雨の中、頑張って桜の木を守って・・・それがきっかけで、ニートの息子も植木屋というやりたい事を見つけて、進んでいく・・・ちょっと出来すぎな気もする。
四女の末子は、結局夫とは離婚して、金銭的にはタイヘンだけど、表情は豊かになっていく。
三女の夕子は、勤めていた会社を辞め、給料も少なくなり小さい会社だけど、やりがいの感じる仕事をすることになり、突き進んで行く。
娘達のとりあえずの問題は、とりあえずはなんとかおさまりつつある。
でも、喜三郎は、炊事や洗濯、掃除も何とかこなせるようになってきて、一見よさそうなんだけど、今までは妻がいてくれたが、今は一人・・・大晦日も一人。娘たちはそれぞれに家庭もあったり、仕事とかで帰ってこれないから。一人という寂しさ、悲しさが喜三郎には残る・・・。
妻の写真を前に年越し蕎麦を食べながら、「みんな一人だ。人間は自分の意思に関わりなく生まれ、自分の意思に反して死んでゆく。たった一人でねぇ・・・。母さんも怖かったかい?悲しかったかい?だけど、こうして生きてることも同じくらい悲しく、辛いよ・・・。今年は生まれて初めてたった一人の年越しだ・・・」とつぶやく喜三郎。喜三郎の寂しさ、悲しさが心に響くセリフですよね・・・ホントに心にグサッときました。
いつかは誰にでもやってくる“老い”---。このドラマで老いた時の寂しさ、悲しさがちょっぴり理解させてくれたドラマでした。
また、喜三郎と娘たちとの関係---それぞれで事情がありながら、お互いに気遣い合う・・・となんか淋しい気持ちの中にほんのり暖かさも感じさせてくれました。
また、キャストもなかなかいいですよね~♪ 喜三郎に三國連太郎氏。娘には、安田成美、牧瀬里穂、高橋恵子にかたせ梨乃。三女の幼馴染のかっチャンに山口智充となかなかグー 三國連太郎氏は、映画には出るけど、TVドラマはほとんど出ることがない。でも、こういうテーマなら出ようといってくれたそうです。
これからもこういうジーンとくるドラマをどんどん作っていって欲しいです
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