genki

現在、姉歯氏の事件よりも

話題になっているのが

シモだくんの

「ラーメン屋追い出されたよ事件　～先に高菜を食べたから～」

です

昨日、元気一杯に並びました

最初のひとくちなんてとてもうますぎなラーメン屋です

サラリーメンの人たちも寒い中

コートに身を包み、談笑し白い息を吐きつつ耐え忍んでいます

僕たちもその一員でした


20～30分並んだでしょう

ようやく席に座ることが出来ました

う～さむさむ

そういって座りました

えーラーメンかた3つ

注文しました

店のつくりはシンプルで

唯一置いてあるのは

からし高菜のみです

それだけです



シモは高菜が好きです

いつも先に高菜に手を出します


かわいい女の子よりも

高菜を選びます


もうシモにとって









高菜はたからです















いえこんなこと言いたいんじゃありません


なにも考えずに

高菜を食べるシモを見ていました


水を得た魚

遊び道具を与えられた子供

仲直りをしたカップル

バイブを与えられたAV男優

高菜を食べるシモ


無邪気に食べていました



「それからかろ？」


「いや俺高菜好きやけん」


いま思えばこれが僕らの最後の会話でした






不意でした


後ろから伸びてくる手がシモの水のはいったコップを取りました



ん？

なんだ？　　ぼくらは困惑しました


すると



「高菜を先に食べられるような方にお出しするラーメンはありません」






ああなるほど







えぇ！？


高菜よね？

たかなよね？

田中！？

いや高菜よね！？


頭の中は「た」「か」「な」

いろんな組み合わせをしました



けどやっぱあの店員が言った三文字は

たかな

でした

ラーメンくえんと！？

ならんだのに！？

ぼくらには意味が分かりませんでした


確実に僕らの顔は引きつっていました

どうする、どうする

そんなこんなしているうちに


全員出ていかされました

全員いかされました

声のキーが普通のよりワンオクターブ高く出て行かされました




店を出るときにすれ違った

サラリー麺たちの顔が

懐かしい感じがしました




その後、別のラーメン屋で

おなかを満たし、次の授業にでました


でもよくよく

考えると

高菜をラーメンより先に食べるってことは


裏切りや略奪や侵略


こんなことよりも残酷なことだなって

今では思えます。