日常道場

現代人の道場手記

2011

2011-01-05 11:18:28 | 日記
今年の大晦日は久しぶりに家で過ごした。年が明けると近所の寺から除夜の鐘の音が聞こえてきた。近年はいつも大勢の人が集まり、カウントダウンをするような場所で年を越していた。
 年が明けいろいろな人に挨拶をして話をすると、今年は年が明けたか明けていないかよくわからない、と言う人が少なくなかった。自分の中にもその感覚があり共感した。どこかシラケていて、めでたい気分が無く、スル~っと2010年から2011年に入って来てしまったような感じがする。
 大晦日の年越し寸前まで僕は胎児の絵を描いていた。友達のお腹に子供ができ、そのお祝いのためである。特別に個人的な意味をもって描いていた訳ではないが、何となく意味深な気もする。

 人類は今まで外へ広がる方向に一生懸命進化してきた。領土を広げるために戦い、競うように宇宙にロケットを飛ばし、インターネットで世界中をつなぎ、瞬時に遠くの人ともコミニュケーションをとれるようにもなった。しかしここらでいったん自分の足下を見つめ直す時期が来たのではないだろうか、自分が暮らしている地球を、国を、土地を、文化を、家族や自分の生活を、そして自分の身体と心を、生命体である自分を見つめ直す。
 
 これまで僕はいろいろな条件や人々に守られて何不自由無く、まるで胎児のようにぬくぬくと半分夢をみて生きて来た気がする。本質的に現実と正面から対決していない。
 今年は生まれ直しと心得て、改めて自分自身を見つめ直し、現実を自覚的に体感して対決する年になればと思う。