自宅は読売新聞を購読しているが、会社では地元紙の北日本新聞。地元のニュースであればぴか一である。
たいがい毎日ながめることにしているのだが昨日はなんでだか見なかった。昨日の新聞を読むことはあまりないのだけれど、そういえば昨日読まなかったな
と思ってざっくりとながめていると、、訃報が目に入りました。
水橋の奥田釣り具のオヤジさんです。昨年の暮れに亡くなられたようです。お店は3年ほど前、急にやめられたのでどうされたのかと気にはしておりました。
でもご本人から高血圧で救急車で運ばれたという話をきいたこともあり、ひょっとしたらとは思ってましたが、、残念です。
ワタクシにとって結構敷居の高い釣り具やさんでした。釣りをはじめたころはあまり行ったことがなかったのですが、なんとなく奥田釣り具の常連さんには
かなり腕前の釣り人達が集まると聞いておりました。落とし込みをまだはじめたころの話(おそらく20年ほど前)、たまたま同行した釣り仲間が40センチ後半
の自己記録のクロダイを釣った。彼は奥田には家も近いのでたまに行っていたようだが、魚拓を頼みに行ったら ”もうちょっと大きいの釣れたらもってこられ”
と断られたそうだ。年無し(50オーバー)は毎年何枚も釣ってる様な輩の集まる釣り具屋さんなのである。よくその釣り具屋さんの魚拓が新聞に掲載されて
いた。記事にもかかれておりましたが、奥田の魚拓はやはりうまい! 最近魚拓とってくれる釣り具やさんはあまりなくなったが、結構以前はとってくれると
こはありました。自分もよそでとってもらったこともあったけど、、やっぱりイマイチやなあと内心思っておりました。それに比べると奥田の魚拓はやはり釣り
師にとっての勲章みたいなものだと思います。自分の魚拓もとってほしいなあと思ったのが、ネットを通じて知り合ったAさんからたまたま60の魚拓取って
るから来ない?と奥田へ誘われた時かもしれません。お店の2階で彼の仲間と魚拓、そしてこぶしが入りそうなロクマルの実物、、隣の50センチがチンタ
に見えた(笑) ロクマルの魚拓、、なんて思いませんが、なんとか1枚だけでも魚拓が欲しいと思いました。ただここは一見さんに魚拓をとることはありま
せん。実際にお店にいたときに魚拓をとってほしいと電話が入ったことがありますが、魚拓だけのお客はお断りされてました。
そういうのも知っていたのでこれは常連になって顔を覚えてもらっていつか年無しの魚拓をとってもらうぞってそれから通うようになりました。
奥田のシステムでかわっているっていうか独特なのがカニを選んで買えること。透明のケースに100匹以上のカニを入れてありそのなかから自分の欲し
いのを自己申告で買えるってこと。普通のお店では選ばせてくれません。どれくらいのサイズって聞いてくれるところはありますがあくまでもお店任せ。
中にはおもったのと全然違ったの入れてきたり、最悪ではよれよれのヤツを数にいれてきたりっていうところもありました。それから比べるとまあ自分は
気にしませんでしたが雄雌だったりカニの種類だったりもちろん大きさにこだわってる人には最適だったと思います。
ワタクシ自身結構長いことカニ派だったし、エサは十分にもっていないと安心できない派でしたのでついつい余計に買ってしまいます。で40とか50とか
もらったよっていうと ”おおっ!”というリアクションしてくれました。まあそれを見たくて買ってたわけじゃないけど、いつも余計に買ったような気がします。
なんといってもよそがやってない時間帯から開店している、しかも年中無休。これもウリでしたね。聞いたような覚えがあるのは夜明けからっていうこと。
自分自身朝まず目っていうのが原則でしたからやはりアサイチの釣行。で結構仕事帰りが遅くて開いてる時間にエサ買えない、といって自販機はあまり
信用できないし~ そう考えるとやはり夜明けといいながらもまだ暗いうちから営業している奥田さんはありがたかった。商売だけじゃあないですよね
それだけで毎日毎日やれないと思います。商売を超えて人とつながりを考えられていたんだろうとそう思います。
そしてなんといっても奥田釣り具といえば春、秋に行われる黒鯛釣り大会ですよね。
それこそツワモノが集まる大会です。大会全盛の時にはおそらくひっかかりもしなかったでしょうが、後年にこんなものをいただきました。
まあ自分の身の丈は知ってるつもりなのでこれでも十分うれしかった。なので捨てきれずにいまだに大事に持ってます。
そしてもうひとつ大事に持っているのがそう、、魚拓です。
結構通いだして顔もすっかり覚えてもらって、ワタクシ平日休みが多いのでわりとお客さんがいないときがある。
話好きのオヤジさんについつい捕まって小一時間話しこんだりすることもありました、そんな時になんと年無しをゲットすることができました。
早速店に出向くとたまたまその日が土曜日、魚拓をお願いすると奥さんと女のパートさんが今日は忙しいからダメ!と拒否される。
そのとき申し訳なさそうなオヤジさん、、、とりあえず置いてかれ、、
仕事合間なのか、終わってからなのかわかりませんがワタクシを不憫に思ってくれたんでしょう なんと魚拓をとってくださいました。
うれしかったな~ あとにもさきにも奥田さんの魚拓はこれ一枚です。
その後自己記録のサイズも釣れましたが、コレ1枚記念にあればもう満足でしたから、、
いつもはタンスの上に置いてあるので、今日ひさびさにこの魚拓をながめました。これを釣った時の思いよりもオヤジさんとのことが思い出されます。
それほどお付き合いの長くないワタクシがこんな話をするのは大変恐縮ではありますが突然知った訃報についどうしても思いを伝えたいと思いました。
オヤジさん
心よりお悔やみ申し上げます