国立随想録

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そこで彼女が選択したのは

2005年04月11日 | 国立駅舎
日曜日の朝6時。
苦しい土曜日が明けたばかりだった。
私はこの翌日に、
苦しくなった恋愛を引っ提げて、
心の恋人に対して、実に五カ月も溜め込んだわだかまりをぶちまけた。

だが、益々苦しくなるほど、
私の怒りや激情を、彼女は黙って聞いていた。

タイトな論理を並べて、
私は確かに責め立てた。
なぜ、徹底的に終わりを告げないのか、
くにたちから遠い場所で暮らす心の恋人よ。

そこで彼女が選択したのは、
私と同じレベルにならずに、
黙って、聞くということだった。
そして、わかったという意味の言葉を述べて、
私に対しては、たったひとつ、決して無理では無い注文を告げて、
話はそこで終わった。

私ごときを十分受け止める大きな器が、
耐えたり悲しんだりしていると、
苦しさ以上の耐え難い心境となる。

もう、今日は、メールを出せない。
嫌いになることはできないのだな、ということだけは、
みぞおちを抉られるような心地で実感し尽くした4月国立の夜。