歯科コラム in BKK

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社会保険2

2010年12月05日 | 保険
前回、社会保険の申請の仕方をお話しましたが、「じゃ、結局のところどれぐらいお金が返ってくるの?」という疑問があると思います。海外での治療費と日本のそれと比較して安いほうの7割ということだそうです。日本より安ければ払った費用の7割を後日指定した銀行口座に振り込まれます。しかし日本のほうが安ければ日本での治療費の7割しか返ってきません。そして残念なことに日本の治療費はとても安いのです。意外に思う方もいるかもしれません。実際、タイは世界の中でもとりわけ医療費の安い国だと思います。実際、香港やシンガポールはタイの何倍もしますし、オーストラリアやヨーロッパ、アメリカももっと高いです。カンボジアやベトナムでさえ当院より高かったと言われる患者さんもいらっしゃいました。実は日本の保険治療があまりにも安いのがその理由です。日本で歯医者に行くのに財布の中身を心配したことあります?
 具体的に日本の治療費とほとんど同じか安い治療として、抜歯、レジン充填、アマルガム充填、歯の掃除(scaling)、薬代、レントゲンなどがあります。
日本よりも高い治療は①神経の治療とか根っこの治療といわれる処置(Root Canal Treatment)、また技工所を使わなければいけないような治療②クラウン、③インレー、④ブリッジ、⑤入れ歯などです。
 金額だけのことを比較しましたが、その質はまったく違います。残念ながら日本のほうがレベルは低いです。レジン充填ひとつをとっても日本でのものは色が全然あっていなかったり、歯を削ったところと充填物の境にバリがあったりしています。クラウンでも色が隣とまったく違ったりクラウンの根元のところが隙間が開いていたりします。クラウン、ブリッジではそもそも材質が違います。奥歯であれば金属です。ほとんどの日本人の口の中に金属が見えてロボットみたいになっていても気にならないようですが、口の中に金属が見えるのは日本人だけです。周りにいるいろいろな国の人の口の中を眺めてみてください。このように処置名は同じでもやっていることがまったく違うので金銭的なことだけを比較するのはあまり意味がないように思えますが、実際タイで治療を受けてどの程度日本の保険で返ってくるかの目安にはなります。
 またこのような考え方もできます。レジン充填のように日本とそれほど変わらない費用で日本で歯医者がかける時間の何倍もかけて丁寧に治療してもらえると。使われる材料、器具、装置は日本よりずっと良いものが使われていると思われてください。この点での心配は無用です。