米にたかって卵を産み、繭を作り羽化して蛾になる。
うちの場合はどうやら米ではなく、タケノコの灰汁抜き用にストックしていたぬかに卵を産み付け増えたらしい。
その後、着々と子孫を増やし、シンク下の棚の中に大量に繭を作ったらしく、ちらほら羽化してはほぼ毎日室内を蛾が飛び回っている。
ぬかは捨ててしまい、米には虫除けを入れたので、餌に困ってそのうち減るだろうと思いつつ、飛び回る蛾に殺虫剤を吹きかけた。
殺虫剤をかけられた蛾は苦しげに飛び回り、そのうち床をはい回り、動かなくなる。
その様子を見ていたこいちゃんが突然涙をぽろぽろ流しながら「殺さないで~…」と訴えた。
泣きじゃくりながら「虫さんが苦しそうだから…」とぽつりぽつりと口にするのを聞くと、何だかこいちゃんがとても可哀想になってスプレーするのをやめてしまった。
しゃくりあげて泣いているため言葉はとぎれとぎれだが、話を聞くことでこいちゃんの気持ちが晴れるなら、と辛抱強く声を拾っていくと、どうやら捕まえて逃がしてほしいと言っている。
いつからそんな事を考えなくなったのかは覚えていないが確かに私にもそんな風に心を痛めていた時代があった。
あまりにこいちゃんの魂が真っ白すぎて、なんだかとても切なくなりこいちゃんを抱きしめたが、なかなか涙は止まらなかった。
翌日、また蛾が飛んでいるのを見つけた。
スプレーするのをためらっていると「こじゅちゃんが逃がすよ!」と言って小さな二の指で「ぷちっ」っとつまみ、ゴミ箱に「ぽいっ」……
思いっきり死んでしまってるけど、もしかして、苦しそうに飛び回るのを見るのがつらいだけで、いっそひと思いにって事だったのか??
今月でこいちゃんは4歳になるわけだが、やはり判ってそうで判ってないのだと痛感した。
生き死にって難しい……
最新の画像もっと見る
最近の「昆虫 ペット」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事