この日の待ち合わせは京都市上京区にある神社「北野天満宮」である。
気温は約6度で、分厚い上着でも寒さを感じる程である。
さすが京都。
学問のご利益…といっても、いっくんはピンと来ていないような…。
子供にはキツそう。
いっくんの大吉をうらやみ、一気に不機嫌になるこいちゃんに「吉なら今から上がる一方だよ!?良かったじゃん!」と必死の説得。
なんでここまで対抗意識が強いんだか…。
いっくんはキーホルダーやら、中古の玩具やら、屋台に並ぶさまざまな玩具を見つけては「買ってー!!」と足を止める。
こいちゃんは美味しそうな色の付いた飴等を見つけては「これは!?」「こっちは!?」と財布を持ってキョロキョロし通しである。
子供たちのドライフルーツや、私のミニチュアに使えそうな雑品などを購入。
次に向かったのは、生八橋の工場見学。
「おたべ道場」(京都市南区国道十条)では、見学に加えて実際に作らせてくれる参加型なのが子供向きである。
出来るだけ大人は手を出さずに、二人の作業を見守るのだ。
材料をしっかり混ぜたら、蒸し器にかける容器に流しいれていく。
こんな作業の一つ一つが楽しそう。
さて、蒸し器にかけた生地が蒸しあがるまでの間は、工場見学に向かい「ニッキ」や「水」、「米」についての説明を受ける。
お姉さんが「ニッキ」のビンの匂いを嗅がせてくれると、「シナモンの匂いがする!」とこいちゃんも興味津々である。
生地を切るのも、餡を入れるのも、たたむのも機械の作業なのだ。
案内のお姉さんが工場内にいる係りの人に見えるように「40」(この日の人数であろう)と書かれた札を振ると、しばらくして小さな小窓から次々に出来たてのショコラ八橋が渡されてきた。
子供に大うけの味「ショコラ」で、しかもできたてと来れば、喜ばないわけがない。
尻尾があったら千切れんばかりに振っているだろう、と思うほど子供たちは興奮しつつ、八橋にかぶりついた。
この工程は、ちょっと大人なしでは難しいかもしれない…。
生地は3つにわけてお団子状に丸めニッキを混ぜる。
カットしたときに出た切れ端をつまみ食いしながら作業するのが楽しい。
3種類の中から好きな餡を選んで(ゴマ・桜・小豆)中央に乗せ、三角になるようにたたんだら出来上がりである。
こいちゃんは生地に抹茶を混ぜ、緑色の八橋を作成。
中に餡子も入れずにひたすら米の味を楽しむ。
作ったのは大好きな漫画「ペンギンの問題」に出てくる「ベッカム」と言うペンギンらしい。
ほぼ作り終わった頃、抹茶を煎れていただける。
茶せんで点てる様子に、子供たちも早く自分でやりたくてウズウズしている。
いっくんなどは沢山こぼしてしまった…。
普通に作った八橋のほかに、生地を型抜きで抜いたりと、こいちゃん、大満足である。
苦いのだからやめておけばいいのに、茶せんを使いたくて何度もお抹茶にチャレンジするいっくん。
こぼしながら、顔をゆがめながら、何度もお代わりをしていたのだから、へんな話である。
京都はいいなぁ…。
狭い通りの両側に様々な商品を扱う商店が軒を連ねており、京都の旬の食材や京野菜、京漬物などが手に入り、試食できる店舗が沢山あるのだ。
そのままお店で食べて帰ることもできる気軽さが良い。
何しろ大きい、そして美味しい!
練り物、モツ煮などなど、次から次に目にとまる美味しそうな物を買っては食べる。
いっくんはと言うと、味噌味のおにぎりを2個食べて、それ以外の食品には見向きもせず、玩具を探してきょろきょろするばかり。
市場に玩具があるわけないのに…。
そんないっくんも、食べるの大好きこいちゃんも満足する「ブロックラムネ」なるものを購入し、何とか落ち着いた様子。
「お城」で、しかも「中に入れる」と思っていた二人は、それが「寺」で「中に入れない」と知ってがっくり。
こいちゃんががっかりした様子だったので、金閣寺がいかに古い建物か、等と話しながら歩いたが、HOちゃんすらも「こんなに歩いたのに…」と疲れが一気にでた様子である。
いっくんも「ねぇ、レキシはどこなの!?」と何やら不可解な物を探し回っていた。(結局何を探していたのかいまだに不明)
車中では私といっくんがぐったりと眠ってしまった。
沢山歩いて本当にクタクタになった。
帰宅したいっくんがイヤにサッパリ目を覚ましたのはもしかしたら「ブロックラムネ」のせいかもしれない。
晩御飯を食べた後、二人は楽しそうにブロックラムネで遊んだ。
また、いろんな工場見学を見つけて行ってみたいものである。