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あさもよし

雑記ノオト。
日々のごはんと好きなものごとを徒然に。

茂木健一郎「「みんなちがってみんないい」という覚悟」

2006年10月06日 | 読書記録。
『ちくま』4月号に掲載のエッセイ。
金子みすゞの「わたしと小鳥と鈴と」という童謡を軸とした現代社会プチ批判。
一読したときから爽快感を覚えた文章。

差別は上下という関係に写像される」という世界観の下では、できるだけその際を隠蔽して、均質なものとみなそうという動機づけが生まれる。そこに立ち現れるのは、世界がお互い比較などできない多様なものによって構成されているという豊潤さへの感謝ではなく、むしろすべてを中央集権的に価値付けようとする「神の視点」につながる野望である。

金子みすゞのこの詩が、どこかすんなり受け入れられなかったのは、茂木さんのいうような「平等さの裏にある差別意識」の存在が見え隠れするからだったのだ。「みんないい」といわなけりゃならない裏側に、裏側の無意識な差別心の存在に気づいている人は、どれくらいいるのだろう。

ちなみに。本エッセイで紹介されているアメリカの言い回し。「背が低い」というのも差別語だという観点から、背の低い人のことを「垂直方向に挑戦されている」と言い直すらしい。滑稽すぎる。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
あははは・・ (さゆ)
2006-10-06 02:28:11
わたし、「水平方向へ広がる力に反抗」してます
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Unknown (さゆ)
2006-10-06 02:40:20
「みんなちがってみんないい」



この言い回し、単純な誤解を生みやすくないですか?



「みんなちがっていていいんだよ」みたいな。どこかで聞いた陳腐な台詞と混同してしまってませんかね。



この場合の「いい」は「可以」オーケの意味だけど、



この詩は違うよね。



みんな十人十色。

みんな素敵。



意味はこれだけだから。



枕草子の精神連想するのだけど。



○月はこれこれだからいい ○月もこれこれだからいい、・・・結局「ひととせながらをかし」で締められる。読んで「をかし」かったよ。好きだけど、全肯定精神。



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