8.音響
去年の学科試験で、一番悔しかった箇所は、ココです。
解答は、2番のカクテルパーティー効果でした。間違えました。
「マスキング効果」の事が頭に浮かびましたが・・・。
(カクテルパーティー効果とは、聞き取りにくい音環境中でも、本人
が興味のある人や事柄の話であれば、聞き取る事ができると言う
事・・・多分。)
間違った理由は、4番の枝に×を付けた事。コンサートホールの
形状は、商業建築でも勉強していて、オープンステージの形態も
一通り覚えていた筈・・・筈でしたが・・・。
スラストステージとエンドステージ(シューBOX)を、どうやら逆に
覚えてました。ドジ!
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■音の性質と単位
人の可聴範囲は20Hzから2万Hzまで。
ちなみに、お犬様は5万Hz、イルカ様は15万Hz!!
(間違え易いので。可視範囲は0.1lxから10万lxまで)
周波数の公式(余裕があれば覚えましょう)
f=C/λ f 周波数(Hz)
C 音速(m/s)(331.5+0.6t)ミサイッテ、コトワッテロッテ。
t 気温(℃)
λ 波長(m)
なお、音速は同じ気温でも、湿度により速度は変わります。
(湿度が高いほうが、音速は早くなります。何でかと言うと・・・)
音の特徴として、短波長(高音)は直進性が大であり、長波長
(低音)は回折性が大です。だから、回折は長波長(低音)ほど
起りやすいのです。
屈折とは、風下で音を聞くのに比べ、風上聞く方が音が小さく
聞こえます。これは音が風により屈折されるからなんだそうです。
(音波から風速を差し引いて云々・・)
簡単にいえば、光のレンズ効果に似たようなもの・・と日建の
先生は言ってました(笑
干渉は、2以上の音が重なって、うなる現象。ケミ☆トリー の
ハモリも干渉なんでしょうか?なんじゃそりゃ!!
マスキングとは、バックグラウンドノイズにより、聞くべき音が
聞きにくくなる・・・いわゆる前述の問題文のとおりです。
音の単位は、レベル表示でdB(デシベル)とされます(無次元)。
ベル(bel)の1/10だからデシベルだそうです。
音の強さレベルと音圧レベルは是非覚えましょう。
あと、音の強さとレベルの関係。
音の強さ(音源台数) 音の強さのレベル
2倍 + 3dB
4倍 + 6dB
10倍 +10dB
100倍 +20dB
1/2倍 - 3dB
1/4倍 - 6dB
伝播距離2倍 - 6dB
あと、音は周囲に反射体がない空間では、音源の出力に
比例し、音源の距離の2乗に反比例する。
通常 P/L2=L 距離倍 P/22=P/4=-6dB
(すみません、二乗がうまく表現できなくて・・)
騒音伝播における距離の減衰
点音源 L=P/l2
線音源 L=P/l
面音源 L=P
■音の大きさと騒音
心理的音の三要素として、
音の大きさ(ラウドネス)、音の高さ(周波数)、音色(音の波形)
があります。
音の大きさは、感覚的なものであり、音圧レベルが高いほど、周波数が低いほど音は聞き取りにくくなります。
なお、2000~4000Hzの中高音域が人間の耳にはよく聞こえるそうです。
騒音には、A特性音圧レベルとC特性音圧レベルがあり、A特性は40Phonの等ラウドネス曲線に相当し、C特性は音圧レベルに等しいとされます。
A特性とC特性の音圧レベルは、1000HzまではC特性が大で、それ以降はA特性が大きくなり、逆転します。
騒音の評価方法には、等価騒音レベルとNC値があり、前者は屋外の騒音レベルで、道路交通騒音などの測定に、後者は室内の騒音に採用されます。
ちなみに概算の場合、NC値+10で騒音レベル(dB)になります。
屋外の騒音について、AAの地域には道路に面する場合の緩和はありません。
室内騒音の許容値は、主要なものは覚えたほうがよいかと。(スタジオ、寝室、普通教室、一般事務室等)
■遮音と吸音
透過率(τ)=透過音のエネルギー/入射音のエネルギーで、透過損失はその透過率の逆数に対数をかけたものです。(当たり前か・・)
だから、透過損失がおおきくなるほど、遮音性が良くなるということです。(透過損失を1/τで表した式もありましたよね)
ちなみに、入射音=反射音+吸収音+透過音です。
質量則とは、「熱エネルギーは質量が大きいほど伝わり易く、音は伝わりにくい」とされてます。そういえば、RCの室内と、木造の室内とを
比較すれば、RCは声がよく反響し、木造はそれ程でもないといったあたりで、何となく判るような気が・・・。
単層壁での、遮音性の低下をまねく現象で「コインシデンス効果」というのがあります。これは、投射音と単層壁のそれぞれの波長が一致して
山と谷、谷と山、要するにデコボコ同士が一体になって、抵抗がなくなるからだとワシは解釈しましたが、違ってますか?。(違っていたら御免なさい)
だから、壁が厚く固くなれば、波は非常に緩やかになる為、合致する長波長(低音)域に透過音の領域が移行するのだと。(逆にペラペラの壁は短波長に一致して、透過音は高音域に)
「中空二重壁の低音域共鳴透過」については、中空層がバネの役割を果たし、双方の壁の振動が一致した周波数(一般に低音域)で共鳴透過を起こす現象です。
だから、違う材質の壁を使って二重壁を作れば、遮音性が向上するんだとか。例えば、合板と石膏ボードのように。(多分)
遮音等級で、D60とかL30とかありますが、Dはディッファレンス(音の差)の事、Lはレベル(音のレベル)の事を言います。
だから、D60とD50では、音の差が大きいD60が遮音性大となり、L30とL40とでは、音のレベルの小さいL30が遮音性大となります。
ちなみに、Dは室間音圧レベル差、Lは床衝撃音レベルといいます。
吸音率(α)=吸収音+透過音(各エネルギー)/入射音のエネルギーで入射音に対する反射音以外の失われたエネルギーの割合の事です。だから、吸音率と反射率の合計が入射音(1)となるそうです。
吸音の効果に付いては、吸収される音波の腹の部分に、グラスウールなどの吸音材を設けると効果があるんだそうです。
吸音力は、吸音率に室内表面積を乗じたもので、単位は㎡と書いてメートルセービンと読みます。
完全拡散音場内(反射音の影響が殆ど無い状態)での音源がある場合の室内騒音レベルLpは
Lp=PWL-10log10A+6(dB)※Aは室内の吸音力の事
界壁の透過損失TL=Lo-Lr-10logA/S(dB)※Loは外部騒音レベル、Lrは許容レベル、Sは界壁の面積。
■音響計画
残響時間(T)=0.161V/A・・・セービンの残響式。※Vは室容積、Aは吸音力。
残響時間の定義として、音源停止後に60dB(10-60、100万分の1、101/60)減衰するのに必要な時間とされています。(指数がうまく表現できなくて・・・)
最適残響時間と室容積の関係については、室容積の増大に伴い、右肩上がりに直線的に最適残響時間が大きくなるのがわかるかと思います。でも、単に残響時間と室容積との関係を考えた際は、物理的残響時間なので、せービンの残響式により、室容積が倍になっても、残響時間は倍にはならないという所が重要かと・・・。(ちなみにH16年は残響式を使った残響時間の問題が出ました・・・間違ってしまいました~)
エコーの原理は、音速340m/sec×1/20sec=17mであり、それを超えた部分に残響現象が発生しますので、吸音をバッチリにしておくという事です。
悪条件対策(反響)としては、ホールの一番奥の壁天井に吸音材を設けること、一時反射音を利用して、演奏者にも戻すような仕組みが必要です。
以上、音響でした。・・・・ふう・・やっと終わった~。ではまた。。。
カクテルパーティー効果。
人間は様々の音が混在して聞こえる場合でも、着目する音だけを選択的に聴取する能力を有している。
後、サウンドスケープデザイン。
(良好な音関係の形成を目的とした総合的な計画)
も新たに付け加えられていますよ。
そうですか、やはり今年からテキストに。
サウンドスケープデザインは、ネットで調べても、なんだか抽象的な表現ばっかで・・・。サウンドデザインとか、音の風景とか・・・???でした。
ありがとうございます。ホント、助かります。。