柔道暴力告発:指導者側も調査へ…JOC聞き取り中間報告
毎日新聞 2013年02月26日 22時22分
柔道全日本女子の暴力問題で、告発した選手15人らへの聞き取り調査(ヒアリング)を進める日本オリンピック委員会(JOC)の緊急調査対策プロジェクトメンバーの藤原庸介、松丸喜一郎・両JOC理事が26日、東京都内で記者会見し、中間報告した。3月19日のJOC理事会に最終報告書を提出し、暴力根絶に向けた提言も盛り込むという。
プロジェクトはJOC理事4人と弁護士1人の5人で構成。選手を2~3人ずつ、選手側代理人が立ち会い、延べ17時間ヒアリングし、4分の3を終えた。暴力や暴言などの具体的事実▽選手と指導者の信頼関係▽負傷した際の処置・対応−−などについて聞いたという。
事実関係の詳細は明かされなかったが、藤原理事は「暴力だけの問題ではなく、根源的には、個人の尊厳(を損なう)という問題もあったのではないか」と指摘。松丸理事は「15人は今後の柔道界を真剣に憂えており、並々ならぬ決意も感じる。自主性が高く、将来をつぶしてはいけない」と述べた。
今後、残る選手への聴取を全て終えた後、引責辞任した園田隆二監督(当時)ら指導者側の聴取に移り、3月12日までに終える方針。
JOC加盟団体審査委員会は3月14日の会合で、全柔連の処分案を決め、19日の理事会に答申する。【藤野智成】