ぬばたまの夢をたのみて月影の君にふれなむそのかかとだに
あをさぎの水にたたずむその影の何をねみてぞしづかなりける
嵐の風景の中の原住民野営地
わぎもことかけておもひしくはしめの露と消えぬるあしたなるかな
さくら花散りかひくもれ老いらくの来むといふなる道まがふがに
天離る鄙の埴生の宿にすみとほき都のうれひをぞ見る
かなしみはあをきさうびのおもひやみわれにさかふる色をおひてき
黄昏の帰還
おほぞらをゆする幻くらみては土をつかみてわがみたりけり
名にめでて折れるばかりぞをみなへしわれ落ちにきと人に語るな
かはたれに見る幻は早瀬川越えて去りぬる君のさ小舟
夜に鳴くくだらぬ蝉をかき落としなにせむと鳴く蝉を飛ばさむ
月の光の風景
蝉時雨降る真昼間の木の闇にしじまこそ鳴け空蝉の骨
無駄骨をよろづ折りてもまだ知らぬ鯨の骨に打たれて果てよ
七夕にかしつる糸のうちはへて年の緒ながく恋ひやわたらむ
我が妹にさからふ魚の心をぞしめしし文の手は枯れにけり
ぬばたまの闇にオメガを認めては影に見捨てて朝鳥を鳴く
在野の無名歌人です。当ブログの管理人は幽霊です。ばかなことをしたら、たたりますよ。
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