「……光、か?」
「景吾…」
「お前が此処に来るなんてめずらしいじゃねぇか」
「そうだな…景吾は未だこの街によく?」
「あ~?俺様のテリトリーだぞ?」
「そうだった…」
氷帝学園男子テニス部部長・跡部景吾。
青春学園男子テニス部部長・手塚国光。
そして。
「何、アンタ達って実は名前で呼び合う様な仲なの」
「越前!?」
青春学園男子テニス部一年レギュラー・越前リョーマ。
九月といっても未だ残暑厳しいこの時期に三人は偶然街で出逢った。
「………へぇ~幼稚園が一緒ってまたベタな」
「この近くにある私立の…保育所だ」
「光は小学校に上がった時に公立へ行ったからな」
「景吾は同系列の私学の初等科に進んだんだ」
薄く微笑する手塚は、向かいに座る跡部に「久しぶりだな」と話しかける。
対する跡部も常に無い穏やかさで話しかけているものだからリョーマは目をむいて二人を注意深く観察していた。
「懐かしいな…お前は保育園にリムジンで乗り付けていたんだったな」
「小市民が口煩くて仕方なかった」
「それはそうだろう?普通の子どもはリムジンなんて知らない」
(なにこれ、面白くない…)
眉間に皺の寄っていない手塚。
どこか偉そうでも口調が和らいで表情もやや優しい跡部。
(部長はオレのだっての…っ!)
所有権を主張しているものの実際には違う。
今はリョーマの告白に手塚の返事待ちという実に微妙な関係なのだから。
「光、お前予定は?」
「いや特にないが…この街の新しい大型書店に行く位か」
「じゃあ付き合え」
「どこへ行くんだ?」
「飯でも食おう。丁度昼時だ」
(実はこの男部長狙い…?)
「オレも行っていいっスか?」
「あ~ん?………お前、まさか」
薄い嘲笑を浮かべる跡部にリョーマは「やっぱり!」と思うが…。
「お前、光狙いなんだな」
顔を寄せてそう言う声には笑いが滲んでいた。
「ガンバレ小僧。こいつは一筋縄ではいかねーからよ」
面白そうに笑う跡部に敵ではないと悟る。
「………絶対堕とすんで」
「いい覚悟だ。光、こいつも連れて行くぞ」
「構わないが…越前、予定は?」
「無いっス。何食うんすか?」
「景気づけだ、お前何食いたい?」
「………和食」
「いいだろう。………あぁ俺だ。三人で今から行く。離れ用意しといてくれ」
手早く携帯で予約した跡部は二人を自分の車に乗せた。
「………今日は国産車か」
「こいつは結構気に入ってるんだ」
「……アンタ、応援する気ないんじゃないっスか?」
自分と手塚を後部に。
リョーマは助手席だ。
「こーゆう場合はオレを後ろにしてくれるもんじゃぁ…」
ぶつくさ文句を言うリョーマに笑って「そうかもな」と言う。
「ま、一応応援してやるよ。一応…な」
意味深な言葉に「やっぱり敵なんじゃぁ」と思い始めたリョーマだった。
「景吾…」
「お前が此処に来るなんてめずらしいじゃねぇか」
「そうだな…景吾は未だこの街によく?」
「あ~?俺様のテリトリーだぞ?」
「そうだった…」
氷帝学園男子テニス部部長・跡部景吾。
青春学園男子テニス部部長・手塚国光。
そして。
「何、アンタ達って実は名前で呼び合う様な仲なの」
「越前!?」
青春学園男子テニス部一年レギュラー・越前リョーマ。
九月といっても未だ残暑厳しいこの時期に三人は偶然街で出逢った。
「………へぇ~幼稚園が一緒ってまたベタな」
「この近くにある私立の…保育所だ」
「光は小学校に上がった時に公立へ行ったからな」
「景吾は同系列の私学の初等科に進んだんだ」
薄く微笑する手塚は、向かいに座る跡部に「久しぶりだな」と話しかける。
対する跡部も常に無い穏やかさで話しかけているものだからリョーマは目をむいて二人を注意深く観察していた。
「懐かしいな…お前は保育園にリムジンで乗り付けていたんだったな」
「小市民が口煩くて仕方なかった」
「それはそうだろう?普通の子どもはリムジンなんて知らない」
(なにこれ、面白くない…)
眉間に皺の寄っていない手塚。
どこか偉そうでも口調が和らいで表情もやや優しい跡部。
(部長はオレのだっての…っ!)
所有権を主張しているものの実際には違う。
今はリョーマの告白に手塚の返事待ちという実に微妙な関係なのだから。
「光、お前予定は?」
「いや特にないが…この街の新しい大型書店に行く位か」
「じゃあ付き合え」
「どこへ行くんだ?」
「飯でも食おう。丁度昼時だ」
(実はこの男部長狙い…?)
「オレも行っていいっスか?」
「あ~ん?………お前、まさか」
薄い嘲笑を浮かべる跡部にリョーマは「やっぱり!」と思うが…。
「お前、光狙いなんだな」
顔を寄せてそう言う声には笑いが滲んでいた。
「ガンバレ小僧。こいつは一筋縄ではいかねーからよ」
面白そうに笑う跡部に敵ではないと悟る。
「………絶対堕とすんで」
「いい覚悟だ。光、こいつも連れて行くぞ」
「構わないが…越前、予定は?」
「無いっス。何食うんすか?」
「景気づけだ、お前何食いたい?」
「………和食」
「いいだろう。………あぁ俺だ。三人で今から行く。離れ用意しといてくれ」
手早く携帯で予約した跡部は二人を自分の車に乗せた。
「………今日は国産車か」
「こいつは結構気に入ってるんだ」
「……アンタ、応援する気ないんじゃないっスか?」
自分と手塚を後部に。
リョーマは助手席だ。
「こーゆう場合はオレを後ろにしてくれるもんじゃぁ…」
ぶつくさ文句を言うリョーマに笑って「そうかもな」と言う。
「ま、一応応援してやるよ。一応…な」
意味深な言葉に「やっぱり敵なんじゃぁ」と思い始めたリョーマだった。