世情余情口端歌

近所の雪掻く人ら老い深けて
　　侘びしかな子の影も無きにけり

世情余情口端歌

浮かれしの紳士淑女は多かれど
　　まことの人は倫理まもるべし

世情余情口端歌

靴底は堅く踏む雪は柔らかに
　　一冬履けば底減りにけり

世情余情口端歌

言海に遊ぶ今たのし　我が昔
　　句会は苦会歌会は歌怪ぞ

世情余情口端歌

余暇あれば歌誌をめくりて吟じれど
　　しぞろもどろに経よむごとくに