~窓をあけよう☆~

テッド


セス・マクファーレン監督作2012年。DVDで鑑賞。

タイトルの"e”の文字に熊さんのお耳がついているのが可愛らしい♪

ネタバレしてます。

セリフがお下劣な映画と噂に聞いてましたが、確かに下ネタが多いです。が、日本語字幕じゃわからないネタジョークもあり、後で映画のセリフの解説をネットで読んで、なるほど・・・。まあ下ネタはいいとして、病気のジョークはちょっとね・・・(和訳された人がさすがに良くないと判断して別の訳にしたのは正解だと思う)。そして、これも良くわからないで通り過ぎたけど、実在の映画俳優をチャチャ入れて小ばかにしたようなジョークもあるように見えたけど、これは後でもめないかちょっと心配もしました(^_^;)

1985年8歳のジョン・ベネットは友達がいなくて一人ぼっち。クリスマスプレゼントに両親がプレゼントしてくれたテディベア。胸を押すと”I love you"と可愛い声を出す大きな熊のぬいぐるみに「テッド」と名付けてジョン・ベネットは友達ができたと喜びます。そしてお話したいと神様にお願いし、その夜流れ星が落ちてきて小さな男の子の願いはかないます。


「雷兄弟の誓い」。とても美しいシーンです。

世間は大騒ぎ、テレビでのインタビューでも才気煥発臨機応変に言葉を返す利発な熊のぬいぐるみは時代の寵児に。
やがて時が過ぎて、2012年、ジョン・ベネットが中年になったら。テッドもスケベな中年熊のぬいぐるみに・・・

熊のぬいぐるみの無垢なイメージを星一徹のごとくちゃぶ台返しするテッドが痛快☆
実のところテッドはカリカチュアされた身近な人間だと思うのです。欠点はいっぱいあるけど憎めない、どこか懐かしい。


見始めはドラえもんを思い出し(ジョン・ベネットものび太君と重なる)、才気煥発に受け答えしている様はふなっしーを思い出し、そして中年になって惚れっぽくて情の熱い姿が寅さんを思い起こしました。
こうやって考えると日本人の好きなキャラクターがかなりだぶっていて、日本でヒットしたこともわかる気がしました。
物語はとてもシンプルで心温まる友情の物語で、泣かせようとしてるのがわかるのだけど、私もまんまと涙ぐんでしまいました。やはり姿がテディベアなのが効いているんです。
中年になってからの姿が。調子のよい言葉で明るく喋りまくるけど、胸のボアがところどころ剥げていて薄汚れてるのです。それが愛されていたことと時が過ぎてくたびれている体を感じさせて愛しさが湧き出るのです。

どうも、愛しさってその人が(ぬいぐるみも)かっこつけているときよりもちょっとくたびれたり、糸がほつれて人生の疲れが見えたりするときに湧き上がるように思えます。


いつまでも子供っぽさが抜けられず、責任をとろうとせず、他人のせいにしているモラトリアムなジョン・ベネットにはちょっと不釣り合いな美しいキャリアウーマンの恋人ロリ―がいてテッド含めて3人で同棲してます。

スケベなテッドが破廉恥な遊びをすると、その後始末はロリ―にやってもらってジョンは柱の陰から怒鳴るだけ

どこか大人になれないジョンとスケベ心は人並み以上のテッド。もう自己責任で人生を歩む年齢なのに心が追いついていない。そして現実と子供の頃に見たヒーロー番組の境目があやふや。ところが、彼らが熱中して見ていたかつてのヒーローもまた、物語と現実の境目があやふやなんです。


いまだにフラッシュゴードンの気持ちでいる俳優

いや、映画の世界自体がちょっと変です。ロリ―の上司。ジョンの上司。そして後から就職するテッドの上司。みんないかれてる。
それより前にテッドを当たり前な存在としてる世界がなんとも微笑ましい。テッドは人間の心を持っているのに自身はぬいぐるみであることに不便は感じなかったかな、感じたでしょう。きっと悲哀もあるはずだけど、そんなことをおくびに見せないパワフルさとポジティブさがあってスケベだけどだんだん好きになる。自分の欠点にいつまでもくよくよしてしまいがちな私にはテッドの前向きさが好もしい。

テッドのセリフで気に入ったのは、ジョンが恋人のロリーに指輪を買う事をテッドに話した時、テッドがふざけて言うのです。
「なら俺にもよこせ。このふわふわな指にも指輪をはめさせろよ」
いかにもぬいぐるみらしい言葉じゃないですか♪

ロリ―はいつまでもジョンがテッドとくっついていることを心配します。まあろくなことはやらないもんね。マリファナ吸ったり、仕事さぼってテレビ見たり。ロリ―の仕事先のパーティーをこっそり抜け出してテッドと乱痴気騒ぎ・・・これは怒るよ。

ジョンはテッドと絶交する。去っていく後姿にそっと胸を押してあの可愛い声を出す。
"I love you"

そしてジョンとロリ―の行く末を案じたテッドの深い愛情につい涙腺が・・・。自分の方が辛いのに・・・。

そんな普段は当たり前すぎて気づきもしないことを感じるのは、試練に合う時。だからこの二人の存在は物語の必然

満たされない気持ちを抱えて大人になれないでいる父と息子。彼らは気持を歪めて成長してしまった。考えてみればかわいそうな存在だなと思います。

試練は絆を深くします。雷がなっても一緒に怖がる相手がいなきゃ・・・
ロリ―の優しい気持ちも嬉しい。


シンプルな物語だけど、話の展開も時々都合がよかったけど、熊のぬいぐるみが物語におとぎ話の魔法をかけて心の柵を取り外して見れました。下ネタは可愛い話になりすぎないようにかけたスパイスだったのかな?

そうそう☆劇中に歌手本人役でノラ・ジョーンズが出演してました。ノラ・ジョーンズは王家衛監督作「マイ・ブルーベリーナイツ」で主演をしていましたっけ。なんと劇中ではテッドと昔深い中だったと言ってます。そのテッドとのやり取りが効いていていいですよ♪

それからテッドが隣の中国人のペットのアヒル(てっきり北京ダックになると思いきや大事な相棒だったようです)とバトルをするシーンがあるのですが、そのアヒルがもうアフ○ックのアヒルみたいで笑えました。


素敵な友情にキュン
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