別館 兄弟仁義

超常現象ドラマの兄弟愛と家族愛をうっとおしくつつくブログ

スーパーナチュラル シーズン10 つれづれ感想7

2017-11-12 14:46:49 | シーズン10
第13話 呪われたデバイス

12話でスパナチュ・童話ホラーバージョンを久々に見れたけど、今回も『悪霊を狩って人を救うんだ』の退治物。後半に行くにつれシーズンのメインテーマで重くなるので、こういう回は楽しめる。当然兄の問題も匂わせるけど。
冒頭の振り返りシーン、初期シーズンの少年めいたサム、ディーンの美しさにおののく。内田さんの声かわいいな! 東地さんの当時の声は聞けなかったけど、彼の声もどんどんも渋くなった。あの伝説のシーズン1,2の吹き替えに代わりすでに10年超え! このS10では8年目、声も変わるよね。

前2回の教訓を踏まえ、兄貴はすでに正しい食生活をやめました

スマホとフェイスブックやってる分、ガラケー、SNS皆無の私よりマシな兄。大学内で女子大生に目が浮きまくるも、どんな美形でも彼女らにはおじさん(^-^;
学食ではしゃぐ兄貴。もはやスィーツと化しているヨーグルトも入れて、ライザップ派が泡を吹きそうなチョイス。サム曰く「死にたい」メニュー。
中華と言ってるのでパスタじゃなくて焼きそばか。すごい大盛。食い方(笑) あとピザとフリッターか何か。
サムは大学で学食を利用してたはず。天下のスタンフォードだからきっと上等。健康志向でチキンと野菜ばっかり選んでたかもしれないが。
でもディーンはあの年まで知らなかったんだね。ハイスクールは購買部か、サムにも自分にもピーナッツバターサンドを適当に作って持ってったくらいだろう。
食い意地張った少年より、もはやバイキングで全種類を載せたいおばちゃんと化してるが、かわゆいじゃないですか。細かいところで不遇な少年時代を想像してホロリとするのが兄贔屓オバの心意気です(こころいき?)
カフェテリアではマフィンにパイもつけてたような。ディーンは食い過ぎだが、サムは飲み物だけで何も食わないのか。

悪霊も時代と共にバージョンアップ。Wi-Fiに憑りついてると判明。
デライラは良心もあるし良い子だけど、なんであんな奴らと友達してたんだ。人が死んでもなんの呵責も感じてなかった3人。
事故後も付き合ってたけれど、彼女は友人たちより自分を責めてたわけで、そこは真面目。そんな彼女に同調する兄貴…。
つぐないの仕方は人それぞれなれど、逃げてはいられない。

調査と未亡人の説得はサム、女子大生を守り霊と対決するのはディーン。分業が板についてます。
悪霊になってしまっても夫は夫。二度と失いたくない。夫人の言葉はサムには身に染みてる。
殺しを続けたら、自分じゃない怪物に変わっちまう。アンドリューへのディーンの言葉は、自分自身への言葉。

消す方法は探さないというディーン。自分自身と戦うと宣言するが…。



第14話 死刑執行人の呪歌

突如やさぐれた人類最初の息子
強烈なグレっぷりです。幸い(?)どこぞの最初の堕天使と違い彼は大人なのでガキの論理は振りかざさないが。人類最初の兄貴でもある。
大人が開き直ると怖いの最大例。でも長髪カイン様えろいv

サムの趣味はシリアルキラーの研究か…。それは非モテ要素(笑) しかし兄の言う「趣味ってのは手芸や魚釣りだ」、自分はエロアニメ見ることでしょうが。
カインのシルエットを見るだけで、刻印がうずくディーン。

地獄ではロウィーナがかき乱してる。縫物とか似合わない。拷問スキーは親子でか。策略、操りも似てます。クラウリー、ママに思うところあるのは続いてる。
キャスはカインと対峙。ほぼ相手にされない(^-^; ディーンを殺すと聞いた途端、剣を取り出すキャスv
カインとの対決に、恐怖をサムに伝えるディーン。本当素直になったね。
悪魔なんだねえカインさん。忘れてたけど。悪魔封じが一応有効。キャスでは全然かなわないのは格の違いか生きた年数か。
そのカインに勝ってしまったディーン。剣を持った際の落ち着いた表情も、カインと会った時の顔も、どちらも美しかった…。
カインの衝撃的な言葉にショックを受けても、最後まであきらめないのがディーン。ボロボロになった兄を抱きかかえるサム…!

私は弟を殺すところから始まった。つまりお前の人生はどうあがいてもそこで終わる。

カインは殺しの欲求を堪えられなくなったというけれど。言ってることすべては鵜呑みにできないな。きっかけはディーンに会い悪魔を殺したことにあるだろうが、カインは結局、孤独に耐えられなくなったんだと思う。一人きりで遥かな年月を身を潜めてきた。彼を信じてアバドンに殺された亡き妻のためにも。どんな人間も、悪魔も、天使も一人きりで永遠には生きられない。子孫を殺すことは本気でも、自分を殺せる唯一の相手、ディーンと剣を待ってたんだと思う。

またも振られたクラウリー。もともと原始の剣は、カインが隠していたのをはぐれ賢人マグナスの手に渡りコレクションになっていたもの。
アバドンをディーンが倒した後、サムにすり寄ろうとして黙殺されてたクラが、本領を発揮してかっさらった。アバドン以上の敵が表れた場合、ディーンにこれでぶっ殺されないよう、兄弟との取引材料として~諸々の利のためにキープしておいた。自分の墓の中に(まさにデッドストック)

騙し騙されの仲で、今更文句も何もない。むしろあの際、剣でクラウリーをグッサリやらないだけ、ディーンは抑制が効いてたし温情もあった。まあクラウリーどころじゃないショックを受けてたせいもある。それだけでも御の字のはず。キャスならディーン自身のために、彼から剣を遠ざけておくのもわかってるしね。
だからロウィーナに言うほどには、頭に来てないはず。でも母の「連中の犬になり下がった」にはちょっとキタようだ。
しかしクラウリーがカインの殺しのリストに入ってないって、なんでわかるよ兄。リスト見たんか。悪魔の王を見逃すわけはないと思うね。ただ後回しっぽいが。

ロウィーナは知らないが、初期のクラウリーだったら、今頃は母親でもあっさり殺すか拷問の一つもしてたはず。S9で息子ギャビンに情をかけたけど、S6でギャビンの霊が初登場した時は、毛ほどに気にかけなかった。
サムの血による悪魔の浄化が寸前までいったとはいえ、すでにそれから数年。その影響よりも、“兄弟は、家族は、だいじ!!”で天界地界をひっくり返しても生き延びる兄弟と付き合い続け、その影響の方にすっかり染まってる。


今回見てて思ったのは、「言葉の威力」。カインの予言はディーンに深い衝撃を与えた。そんなことするわけないと思っても、刻み込まれた。メタトロンの言った「川はその源で終わる」ともリンクしてる。そう思っただろう。
けれど、それはあくまでカインの考え。「刻印とはそういうものだ」と言うけれど、刻印はカインが開発したものじゃない。
弟を守るために弟を殺したカインと、弟を守るために何があっても生きようとするディーン。生き方が違ってる。
けれどカインとメタトロンの予言は、ディーンのこれからに大きな影響を与えた。
それを察して、「キャス、ディーンは苦しんでる」と自分も苦しむサム。

クラウリーもロウィーナの言葉に惑わされる。クラウリーも絆を求めてる。命を張って助け合う兄弟とキャスの間には結局入り込めるはずはない。ロウィーナが信用ならないとわかっていても、自分と母が似ていることも認めてる。油断できなくても、自分の相方は結局彼女がお似合いかもしれないと思う気持ちも出てきている。

言葉というのは呪であり、力でもある。魔女のロウィーナはそのことを知っている。クラウリーと呼ぶようにもなったけど(おだてたい時)、基本“ファーガス”と呼ぶのは、「あんたは私の息子よ」と思い知らせてるだけでなく、名前の呪いもわかってるから。
ファーガス・マクラウドという、クラウリーにとっては惨めに人生を無駄にして死んだ、ただの男に戻す呪い。親は無意識に子供に呪縛をかけていることがあるけれど(ウィンチェスター家はそれ)、ロウィーナはわかってやっている。
反面、“もう会えないと思った”“自慢の息子”“愛情からよ”などと、クラウリーでなくても臭い芝居だと思うけれど、悪魔の王の母親という地位は彼女のプライドを満たすから、それを崩される苦痛とウィンチェスター兄弟にたいする怒りも本物でもある。

クラウリーは常に強い者にしか興味がない。部下の願いを聞いてやろうとして、ロウィーナの言葉に乗り撤回するのも、弱者には興味ないから。息子の退屈をロウィーナは察してるし、それを利用もしてる。弱者に興味ないのも親子そろって。
クラウリーが兄弟を贔屓してるのは、サムとディーンが強者だから。キャスも加えて。指パッチンで消せても、またどうにかして生き返る、相方が蘇らせるのをわかってる。どんな試練にも運命にも逆らって生き続ける兄弟は、どん底から這い上がってきたクラウリーにして執着するものを持っている。それは兄弟の、キャスの、死んでいった仲間との絆であり、それを得られないクラウリーは、似た者親子の母親の接近を振り切れないんだよね。DVDにあるカットシーンでは、クラウリーとロウィーナの反応が同じなコミカルシーンがある。似た者親子エピ。

カインはディーンの心に『弟殺し』になるという刻印を刻んだ。ロウィーナはクラウリーに、『最終的には本物の身内だけ』という呪文を聞かせ続けてる。

言葉により人は惑い、道を誤る。でも言葉にこそ、癒しと救いの道もある。どうなっていくのか。

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