フルール・ダンテルディ

管理人の日常から萌えまで、風の吹くまま気の向くまま

「トゥーランドット」感想・一般編

2008年05月18日 | オタクな日々
 さて、研修を終えて新幹線で名古屋に帰ってきた私は、開演7分前に劇場に到着した。
 演目は「トゥーランドット」。と言ってもプッチーニのオペラではない。宣伝チラシによると「音楽祝祭劇」・・・要するにミュージカルだ。演出・宮本亜門、音楽・久石譲、衣装・ワダエミという話題作だ。
 いやー、トゥーランドットの衣装、空色に銀糸の刺繍で、これが遠目でも綺麗だったわーとか、安倍なつみが声がよく出ていて歌がうまくて、キャスト見るまで彼女だと気づかなかったとか、主人公(?でいいよね?トゥーランドットと結ばれる王子)「カラフ」の名前が最初「カラス」にしか聞こえなくて、「妙なネーミング・・・」と思っていたとか(安倍なつみといい、少しは予備知識入れてから観たらどうだ・・・)、トゥーランドット役のアーメイが1回かんじゃったとか!
 なんつってもワダエミの衣装が良くって、町の人々が最後のお祭り騒ぎのときに着ていた衣装なんか、コ○ケで着たいくらい。(他に着て行けそうな場所が思いつかなかった・・・)音楽は・・・まあ良かった・・・のかな?久石さんにしてはなんか印象薄いのはなぜ?全然覚えているフレーズとかメロディーとか、ない・・・。(途中で妄想状態に入り込んだせいかもしれん・・・それは後で)曲がそれぞれまんべんなく使われていたせいかな?例えば「オペラ座の怪人」なんかだと、メインテーマの「チャラチャチャーンチャチャーン」ってメロディーが、1回観れば劇場を出てからも頭の中でぐるんぐるん回るくらいしつこく、あちこちでアレンジされて使われてるもんね。
 道化的存在の物売りを演じていた北村有起哉、そう派手なアクションはないけど、あのおっかない舞台(ほとんどが急な階段)の上で、いい動きしてました。カラフ役の岸谷五朗さんは・・・チャンバラ苦手なのかな?それとも後半になってへばったのか(笑)。ワン将軍役の中村獅童はチャンバラけっこういいね。しかし鎧の衣装のせいか、階段を飛び降りたり駆け上がったりは体が重そうだった・・・。
 まあそういった瑣末な感想は置いといて、1つだけ、大きな不満がある。つーか、他の人々はどうだかわからないが、私は「ちょっと、そりゃあんまりだろ」ということがあった。
 それは、脚本。途中まではいいんだ、途中までは・・・。ただ、カラフがトゥーランドット(以下、面倒なので姫、で済ませます。本当は女帝だけど)と結ばれそうになったのでワン将軍がキレてからの展開が、私にはあり得ない。だっていきなり姫を帝位から追放しようと反乱を起こすのはともかく、今まで姫への秘めた愛でもって仕えてきた一途な男のはずなのに、「大勢の求婚者たちを虐殺してきた冷酷な女」だの「この売女」だの呼ばわり。おいおい、姫に求婚してきた男たちを、嬉々としてとは言わないが、誰も「三つの謎」を解くことができないことにほっとしながら処刑してきたのはお前だろーが。しかもカラフは謎に正解したのに、間違えたと偽って処刑しようとしたのもお前じゃん。姫は先帝の遺言に従っていただけで、好きで求婚者たちを殺していたわけじゃないのは、態度見れば明らかじゃん?耐える男、たとえ卑怯と言われようと姫が他の男と結婚するのを阻止しようとした純愛男かと思っていたら、ただの逆ギレ、ストーカー男に成り下がっちゃったじゃん!
 せめて「他の男にとられるくらいなら、俺がこの手で殺す!」という動機だというなら、あの罵りや、姫の愛ではなく国が欲しかっただけみたいなてのひら返した態度はあかんだろう・・・。全然こっちに伝わってこないもん。それが1つ目。
 2つ目は、反乱のせいで荒廃した国を前に、姫が「共にこの国を再建しよう」と求めたのに、カラフは「あなたとの絆は決して壊れはしない」などと言っておきながら、「しかし、オレのせいでこの国は荒れ果ててしまった。犠牲が多すぎた。オレはこの国にはいられない。(では共に行く、という姫に)あなたにはやらねばならないことがある」つって、姫を置いて去る・・・と言えば聞こえはいいけど、要するにこのいちばん大事なとき、いちばん大変なときに責任果たさずトンズラするんだぜー!?
 ・・・わかんない・・・この脚本はいったい何が描きたいの?姫とカラフとの愛だと思ってたけど、この男はダメじゃん。んじゃ、男たち(ワンやカラフ)に振り回されず、帝王として自立し、国を再建するトゥーランドットの強さなのかしらん・・・と思っていたら、5年後、立派に国を再建し、帝政を廃して主権を国民に委譲すると宣言した姫の前に、いけしゃーしゃーとカラフが帰ってきたので、顎がはずれたちゅーの!いっそ「私はやるべきことを果たし、帝王ではなくひとりの女に戻ることができた。もう身分など意味がない。だから私は、この5年間、ずっと私を支え、力となってくれた○○(北村演じる物売り。カラフが去った後、姫の側に仕え、側近として活躍していたものと思われる。出世したのー。しかし役名が「物売り」で名前がない)との愛に生きようと思う」くらい言って、カラフを振ってほしかったぜ!!(無理だけど!)
 もー、ほんとにこの脚本でよかったんですか、宮本さん!と襟首摑んで揺さぶりたいくらいですよ・・・。あまりにもあっけにとられていたので、どーして周りの観客がスタンディングオベーションするのか理解できませんでしたよ・・・。ねえ、みんな、この展開で納得してるの?感動したの?演技やアクションや歌や舞台装置や衣装は良かったよ。だけど、私はこの展開のおかげで他のすべてのすばらしさをぶち壊された気分だ・・・。そう感じてるのは日本中で私だけなんですか・・・。
 まあ、私はお芝居とか劇とか、それなりに観に行く方だけど、別にそれが趣味だとか、好きで好きでたまらんってわけでもないので、もっとちゃんとした批評や感想はそういう方たちがやってくれるだろうから、普通の感想はこれで終わり。本来書きたかったこと(妄想と萌え)は、次の腐女子編で

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